「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

想い出の神宮、 新国立に翻弄され

2015年07月18日 21時51分34秒 | 心子、もろもろ
 
 心子との想い出の 神宮外苑に建つ新国立競技場。
 
 これほどの大事業が、 たった数日で 急転直下の白紙撤回になるなんて、
 
 こんな例はあまり記憶にありません。
 
 安倍首相は 1ヶ月前から検討していた などと言いますが、
 
 直前まで 変更するつもりはないと断言しており、
 
 計画は着々と進んでいたそうです。
 
 まして 安保関連法案を強行採決したのと同時とは、
 
 当然 内閣支持率のためと思われてしまいます。
 
 森元総理も、 立派なものを作るのだと 1ヶ月前に言っていたのに、
 
 今さら生ガキみたいで嫌だったなんて、 どの口が言うかという感じですね。
 
 下村文科相もJSCも安藤氏も、 皆責任のなすり合いで、
 
 誰も信用できなくなります。
 
 僕は建築学科中退で、 斬新なデザインには関心がありましたが、
 
 神宮の景観にそぐわない懸念を 当初から持っていました。
 
 そもそも 1300億円の予算のコンペで、
 
 何故 3000億円かかるデザイン (コンペ直後の試算) を 選んだのか
 
 理解できません。
 
 それらに対する異論は 当初からあったのに、
 
 国民的な盛り上がりが どうして今頃になったのかも、 ずっと疑問に感じていました。
 
 元々日本は こういう事業には準備周到なはずなのに、
 
 こんなことになってしまったのが 不可解でした。
 
 この事業は責任者不在で、
 
 最終的に責任を辿っていくと 安倍首相と森元総理になるので、
 
 誰も鈴を付けられず、 ここまで来てしまったのだといいます。
 
 権力者の胸先三寸で 戦争への参加さえ決まってしまう、 国家の恐ろしさを感じます。
 
 また新たにコンペを開催する というのも不合理で、
 
 前回コンペの次点作を 採用すればいいのではないでしょうか。
 
 心子の苦々しい顔が 思い浮かびます。
 
 何にせよ、 このままザハ案で押し切られていたら、
 
 5年後の五輪・ パラリンピックは 禍根を抱えて迎えることになり、
 
 士気にも影響していたかもしれません。
 
 国民の気持ちがまとまって 高まるために、 障害者にも使いやすい競技場が生まれ、
 
 今後にも引き継がれる レガシーになることを望んでやみません。