「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

霧 (FOG) をはらって : 怖れ, 義務感, 罪悪感

2015年07月17日 21時29分05秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
○ 感情的脅迫とは何ですか? 
 
 感情的脅迫とは、 「身近な人が、 望むことをしないと 罰を与えると脅かす、
 
 強力な操作の形態」 です。
 
 その道具は、 怖れ (fear), 義務感 (obligation),
 
 罪悪感 (guilt)、  頭文字を取って 「FOG」 (霧) と言います。
 
 感情的脅迫は BPDの人 (BP) にとって、
 
 望むものを入手する 最善または唯一の方法です。
 
 FOGは、 自尊心が低く、 個人的境界を設定するのが 難しい人にとって、
 
 有効な手段となります。
 
 BPは 要求を通すために、
 
  「嫌い!」 と口にし、 ナイフを掴んで 部屋に閉じこもります。
 
 親は子供の安全を怖れ、 よい親であるべきという 義務を腹立たしく思い、
 
 ナイフを放置した罪悪感で、 半狂乱になります。
 
○ 活動状態のFOG
 
 FOGは論理ではなく、 感情の領分です。
 
  「私のニーズを満たすために、 私は あなたのボタンを押しても 許されるけど、
 
 あなたが同じことをしたら、 自己中心的行為を後悔させてやります」  という、
 
 誤った理屈があるのです。
 
 脅迫者をはっきりさせようとすると、 話題を変えたり、 芝居がかった行動に出たり、
 
 怒りだして 注意を背けようとします。
 
○ 感情的脅迫には 二者が必要です
 
 感情的な脅迫は 二人の人間を要する行為です。
 
 つまり、 脅迫者と、 脅迫が起こることを許す  「被脅迫者」 です。
 
 あなたが参加を拒めば、 脅迫者の努力は 不毛に終わります。
 
 あなたが、 個人的境界を設け、 自分自身を大切にする 意志を持てば、
 
 脅迫者に降伏することを 避けられます。
 
 それが成功するたびに、 BPが同じことをする 可能性は減ります。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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