(前の記事からの続き)
《 「ハニー? 何か困ったことがあるのかい?」
「この家が嫌なの、 トム。 不快だわ。 全く掃除する気になれないの」
「じゃあ掃除なんかしなければいい。 帰って手伝ってあげるよ」
「いつごろ?」
「プレゼンを控えてるから、 5時頃そっちへ向かうよ」
「じゃあ6時頃ね」
「あんまり仕事がはかどってないんだ……」
「私のせいなんでしょう?」
「君のせいだなんて言ってないよ」
「私は厄介者なのね」
トムは堪えていましたが、 ため息をつきました。
「頼むよ、 僕は生計を立てなければいけないんだ」 》
4.
□a. トムは 論理的に説明しようとしているが、
ボーダーの人は 感情が高ぶっているとき、 論理には反応しない
□b. DSM-Ⅳの同一性の混乱
《 「頼むよ、 僕は生計を立てなければいけないんだ」
「私は何も役に立てない 愚かな主婦だってこと?」 》
5.
□a. 自分の無価値感に直面するより、 トムを責める投影
□b. トムは レイチェルの家事能力を問題視している
《 「分かったよ。 予定を変更できないか確かめてみるよ。
4時までに帰って 掃除を手伝うから」 》
6.
□a. トムの妥協は、 対処としていい方法
□b. トムの妥協は、 リスクが伴う。
レイチェルは別の日 またトムに電話して、 約束をキャンセルするように頼む
(次の記事に続く)
〔 「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
(星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕