「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

鬼ごっこ = あなたが鬼よ : 投影ゲーム

2015年04月07日 20時32分10秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
○ 投影ゲーム
 
 投影とは、 人が 自分の中に認めたくない (ネガティブな) ことを、
 
 他人がやったといって 非難することです。
 
 不快なものを 他人に投影することで -- 誰かに「鬼」という札を付けて -- 
 
 自分の気分をよくするものです。
 
 けれども苦痛は戻ってきます。
 
 従ってこのゲームは 何度も行なわれるのです。
 
 投影は、 誇張されたものかもしれませんし、 捏造かもしれません。
 
 投影は ボーダーラインの中核的な側面です。
 
 投影を認めることで、 ボーダーの人の感情を よりよく理解できる可能性があります。
 
 投影の内容は、 ボーダーの人が 分かっていながら受け入れられないものなのです。
 
【 ex. ジョージ
 
 ジョージはこの町で 1年半も仕事を探していますが、 ここではもう見つかりません。
 
 別の町で求職したいと 妻に言うと、 妻のシンディは わがままだと言います。
 
 シンディは 両親のいるこの町に 残りたいと望んでいます。
 
 引っ越し案を持ち出そうものなら、
 
 シンディは 自分の気持ちを全く考えていないと 怒るのです。】
 
□ A.
 
  シンディに引っ越しを迫ったら、 自分を利己的だと感じ、 恥すら感じるでしょう。
 
  ジョージは妻のため どんなことでもすべきです。
 
  自分だったら、 意見の不一致や妻の激怒に 耐えられません。
 
□ B.
 
  自己中心的で子供なのは シンディのほうです。
 
  妻が私を利己的だと言ったら 激怒するでしょう。
 
  シンディは大人になって 両親から離れるべきです。
 
□ C.
 
  ジョージが利己的だとは思いません。
 
  でも妻とコミュニケーションが 取れていないようです。
 
  経済的にも私生活の面でも、 引っ越しが 双方にとって良いという理由を、
 
  リストにして説明することもできます。
 
  ジョージが充分な給料を得られれば、 シンディは 頻繁に実家にも帰れるでしょう。
 
□ D.
 
  ジョージとシンディは、 価値観と目標を徹底的に考えて、
 
  解決策を考えるべきです。
 
  二人とも妥協が必要かもしれません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
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