「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか? (3)

2015年02月03日 20時14分39秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
8. 不適切で強い怒り, 怒りをコントロールすることの困難
 
 「コントロールを失う恐怖や、 相手が去っていく恐怖を感じたり、
 
 人生は不公平だと感じたときに 激怒します。
 
 あまりに酷く苦しんでいて、 誰も分かってくれないので、
 
 苦痛を外に出して怒るのでしょう。
 
 激怒しているときには、 聞く耳を持たないのです。」
 
9. 一過性のストレスに関係した 妄想的観念, 重篤な解離症状 (幽体離脱)
 
 「人生に対処するために、 解離を使ってきました。
 
 小学生の頃、 いじめにあったとき、 頭の中を真っ白にしてしまいました。
 
 母が大声で怒鳴るときも、 頭を真っ白にしてしまうのです。
 
 人生の中で、 思い出すことができない時期もあります。
 
 人から 『ぼうっとしている』 と言われ、 用事も忘れてしまうのです。」
 
 
 DSM-Ⅳのモデルは有用ですが、 不備な点もあります。
 
・ 次のような ボーダーラインの本質的な特徴が抜けています。
 
 羞恥の感覚
 
 ひとりでいることの困難, 
 
 脆弱な対象関係
 
 (ある人がそばにいないとき、 その人の愛情を 思い出すことの困難)
 
 脆弱な境界 (自分自身の境界維持と、 他者との境界の尊重)
 
 コントロールの問題
 
 ある状況では大変有能なのに、 他の状況ではそうでないこと
 
 自己愛的な要求
 
 必要なものを手に入れる 洗練された手段の欠如
 
・ DSM-Ⅳの 「5.自殺行動, 自傷行為」 は、
 
 科学的に基礎づけられたものではありません。
 
 また、 9つの特徴のうち5つということは、 何千通りもの組み合わせがあり、
 
 同じ特徴でも 人により違う形で表されるので、 不正確でもあります。
 
・ ボーダーの人と 関わる人たちの間の、
 
 複雑な相互作用を 実際には説明していません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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