「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

家族のサポート体制を整える (2)

2013年10月07日 20時53分44秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 病気に抵抗すること

 家族の怒り, 批判, 拒絶は、

 患者のコントロール不能な世界を ますます崩壊させます。

 家族が要求を拒否すると、 BPD患者は感情的に爆発します。

 家族の課題は、 敵意を示したり 自分の身を守ることではなく、

 困難な要求に従わないまま、 患者の感情を理解することです。

 挑発的な態度を前にして 冷静さを保ちながら、

 拒絶せずに 境界を維持することを目指します。

 精神疾患の患者は 親を否定的に、 両価的に表現します。

 親が自分に どれほど満足または不満を 与えるかに集中し、

 親も欲求を持つと捉えていません。

 患者は 強い愛着を持てば持つほど、

 相手が完璧でなく 自分を失望させたと言って、 一層激しく攻撃するのです。

 かつては全能だった親が 自分を救えないと、

 パーソナリティが脆弱な人は 恐怖と怒りが引き起こされ、

 自我の境界が ぼろぼろに崩壊するのです。

○ 関係を再建する

 虐待的な言葉に対しては、 冷静な反応で和らげます。

 不当な非難の根底にある、 見捨てられ恐怖を理解しましょう。

 抗議したくなる気持ちに耐え、

 「いつも あなたのためにいてあげるよ」  と保証してあげることは、

 根底にある恐怖に 適切に応えるものです。

 そして、  「あなたにも 私のためにいてほしい。

 私たちはお互いに心配しているし、 必要としているから」 と言うことで、

 個人として対等の関係を 再確認できます。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より

(次の記事に続く)
 
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