家族のサポート体制を作るために、 家族は、
問題を認識すること (recognizing),
病気に抵抗すること (resisting),
関係を再建すること (reconstructing)という、
3つのRを学びます。
第1段階は、
目的のある行動と、 病気のためにコントロールしがたい行動を 区別することです。
第2段階は、 感情統制不全と不合理な行動に 巻き込まれないよう抵抗することです。
それは、
患者に必要なことと 家族に必要なことを区別する 境界を定めることを意味します。
見守るだけにすべきか、 行動を起こす必要があるかを 決定することでもあります。
第3段階は、 愛する人との 有意義な関係を再建することです。
○ 問題を認識すること
自分を犠牲者だと感じているのは、 BPDの当人であると 認識する必要があります。
彼らは 人が自分を理解してくれないため、 犠牲となっていると感じているのです。
けれども彼ら自身は、 自分が他者に及ぼす影響を 認めることができません。
BPDの人は、 自分が家族に依存して 仕事ができないせいで、
家族が経済的負担に 苦しんでいると知ると、 後悔します。
BPD患者は見方が相違しているため コミュニケーションが困難であり、
そのため家族は 無効化する環境を作り出します。
家族は、 無効化によって 相手の見方を つまらないものと思ってしまいますが、
無効化はコントロールできることができます。
〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より
(次の記事に続く)