子供の感情的ダメージが どの程度になるかは、
子供の遺伝的気質, 他の大人からの愛情, 子供の年令 (幼いほど傷つきやすい),
虐待の度合いなどに左右されます。
内に向かって 行動化を起こす親に、 「介護者」 的な 性格の子供がいる場合、
子供は 親を元気で幸せにする責任を 感じるかもしれません。
ex. 親がODして運ばれたときも、
3才の娘は おとなしくおもちゃで遊んでいました。
その子がしゃべれるようになって 初めて言った言葉は、
「ママ、 大丈夫?」 でした。
外に向かって 行動化を起こす親に、 自分を主張するタイプの 子供がいる場合、
独特の混乱が生じます。
親が怒鳴ると、
子供は 「黙れ!」 「大嫌い!」 などの言葉を 投げつけたといいます。
境界性パーソナリティ障害が 家族の中に伝染すると言われます。
遺伝なのか環境なのか、 或いは何かの組み合わせになのか、 充分分かっていません。
子供は以下のような特徴を 身に付ける可能性があります。
・ 感情調節の困難
・ 摂食障害, 物質依存, 嗜好の問題
・ 人を理想化したり、 こき下ろしたりする
・ 羞恥心, 空虚感, 劣等感
(この傾向は、 環境だけでなく 生物的要因の結果かもしれません。)
青年期の子供の、 対人関係や家族関係の問題, 怯えた愛着スタイルは、
親のBPDと関係があるとのことです。
子供の “自己” は、
自分の内面の問題より、 ボーダーの親を制御するために 働くようになります。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕