「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人の行動から 子供を保護すること (1)

2013年04月17日 21時08分02秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 ボーダーの人の多くは、 子供の前では行動化を起こさず、

 子供を保護しようとします。

 ボーダーの人は 素晴らしい親になりうるのです。

 しかし中には、 行動化を抑えられなかったり、 そうしたがらない人がいます。

 または抑うつ状態に陥って、 子供に無関心になるかもしれません。

 極端な場合は、 虐待やネグレクトに至ります。

● ボーダーラインの親が抱える 典型的な問題

 ボーダーの人は情緒面・発達面で、 子供と似た点があります。

・ 自分の要求を脇に置いて、 人の要求に 焦点を当てることが困難

・ 自分の問題に気を取られ、 子供の要求や感情を 見過ごしてしまう

・ 子供の要求や感情が 自分のものと別だと認められない

○ 問題: 子供との関係を 他の人との関係と切り離せない

 自分が好きでない人と 子供が仲よくするのが 理解できません。

 子供を通して その人に仕返しする人もいるでしょう。

 親か他の人か、 どちらとの関係を取るか、 子供に迫る人もいます。

○ 問題: 一貫性のない子育て

 自分の気分によって、 過保護からネグレクトへと揺れ動きます。

 子供を通して、 不適切な方法で 自分の感情的要求を満たそうとするかもしれません。

 子供は 自分に価値がないと感じてしまうでしょう。

○ 問題: 予測できない愛情

 ボーダーの親の中には、 責任を取らなすぎたり、 負いすぎたりする人がいます。

 子供への悪影響を無視しながら、

 子供の不出来に罪悪感を感じたり 落ち込んだりします。

 子供が善か悪か決めつける人もおり、

 子供が 一貫した自己感を持つのを 困難にします。

 親は愛情のスイッチを 入れたり切ったりします。

 それは予測がつきにくいので、 子供の関心は、

 親の気分や行動を 予測することだけになり、 正常な発達が損なわれます。

 子供は 兄弟や親の世話をする役割になり、 「親化」します。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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