「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

認知症フォーラム 「あきらめない」

2011年11月27日 20時01分19秒 | 介護帳
 
 認知症と誤診されやすいものに、 うつ病と 「軽い意識障害」 があります。

 うつ病の人は 受け答えが遅くなるので、

 「こちらの言っていることが分からない」 と 誤って判断してしまいます。

 日付や 今いる場所などを尋ねると、

 認知症の人は答えられませんが、 うつ病の人は ゆっくり聞けば答えてくれます。

 「軽い意識障害」 は  「ぼうっとしている」 と見えやますが、

 肝臓や腎臓, 甲状腺など 身体に問題がある時に 起きやすいものです。

 薬の影響で そういう状態になることもあります。

 興奮して攻撃的になっただけで、 安易に投薬されるケースも 多いようです。

 でも実は 接する側に問題があって、

 腹を立てただけということも 少なくありません。

 原因を突き止めれば、 薬がなくても治まることがあります。
 

 この10年で認知症医療は 大きく変わったと言われます。

 MRIやSPECT (脳血流を調べる) などの 診断技術の進歩もあります。

 薬も 昨年までは1種類だけでしたが、 今年から新たに 3種類が出ました。

 漢方の抑肝散 (よくかくさん) も 不安や興奮を押さえる 効果があります。

 認知症の人には 穏やかな生活環境が必要ですが、 何かを伝えようとしているとき、

 「やめて」 とか 「あとでね」 と軽んじられると、

 不安や孤独を強くしてしまいます。

 じっくり話を聞くなど、 正面から向き合う 姿勢が必要です。

 歩き回る人は、 5~10分でも 一緒に外に出かけると 落ち着くでしょう。

 認知症の人にとって、 自分が役に立たないという状況は、

 大きな心の苦しみ, 悲しみになります。

 家事の手伝いなど、 何か携われるものを 見つけることが大切です。

 できないことに目が向きがちですが、 できることに目を向けましょう。

 認知症の人の心の痛みに 耳を澄まし、 目を凝らすのが、 共感への第一歩です。

 地域住民の支え会いも大切で、

 趣味のグループやお茶会などの 活動を広げることが プラスになるでしょう。

〔 読売新聞より 〕