(前の記事からの続き)
弁証法的行動療法には 5つの目標があります。
1. 生きる価値のある人生に向けて 努力する意欲を起こす
自傷行為や自殺企図などをやめる
2. 目標を達するための スキルを学ぶ
3. 前進と改善を促す 治療環境を作る
患者が 自分の環境を模索する
4. 治療者が 患者を助ける意欲と スキルを維持する
5. 治療で学んだことを 現実の世界で使えるようにする
これらの目標を達成するため、 4つの構成要素があります。
1. 個人療法
2. スキル・ トレーニング
3. 電話カウンセリング
4. セラピスト・ コンサルテーション
1. 個人療法
通常週一回、 約1時間行なわれ、 日々の生活の問題に 対処するのを助けます。
ダイアリーカードという用紙に、
毎日どう感じているか (惨めか、 気分がよいかなど)、
自傷行為や自殺企図したい 気持ちになったか、 実際にそれを行なったか、
薬をきちんと飲んでいるか、 などを記入します。
ダイアリーカードをもとに、 治療者と一緒に、
「治療の優先順位」 を決めて、 何に集中すべきかを考えます。
大抵は、 命を脅かすような行動を コントロールすることから始めます。
治療の大前提は、 死んでしまった人は 助けられないということです。
次に、 患者と治療者の 「治療妨害行為」 について話し合います。
セッションに遅れる, 話をきちんと聞かない, 大事なことを忘れる、
などがあります。
患者が生活を送る 妨げとなるものについても 話し合います。
薬物やアルコール, うつ, 失業, ホームレスの状態、 などです。
患者が問題を解決し、意欲を維持し、望ましい人生に向かうのを助けます。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
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