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「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ハーグ条約加盟の方針 (2)

2011年08月28日 19時42分13秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 当事者も立場によって 受け止め方が異なります。

 欧州から 小学生の子供を連れて 日本に帰国した母親は、

 「夫のDVに苦しんだ末、 帰国の道を選んだ」 と 言います。

 欧州で 離婚訴訟と 夫の暴力に対する刑事訴訟を 起こしましたが、

 思うように進まず、 「命の危険を感じた」 からだそうです。

 この母親は、 ハーグ条約に加盟すると、

 夫から 子供の返還を申し立てられるのではないかと 怯えています。

 条約では、 配偶者間のDVは 子供の返還を拒否する 条件になっていないからです。

 政府は  「条約加盟以前のケースに 遡って適用することはない」 と

 説明しますが、 不安は消えません。

 一方、 欧州に 息子を連れて行かれた 母親は、

 子供を取り戻す裁判のため、 日本と欧州で 弁護士を雇いました。

 子供に会えず 時間だけが過ぎ、 弁護士費用も重くのしかかります。

 ハーグ条約に加盟すれば、 返還申し立てによって 短期間で子供を連れ戻せ、

 負担も軽減されるといいます。

 日本が条約未加盟のため、 海外の離婚裁判で、

 日本人が 不利な立場になることもあります。

 アメリカで離婚し、 娘二人と分かれて 日本で暮らす母親は、

 離婚訴訟で 娘と会うことを希望しましたが、

 日本は条約に加盟していないから 認められないと、 裁判官に言われました。

 条約加盟により、 こうした 「偏見」 が 払拭されることも期待されます。

〔 読売新聞より 〕
 
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