「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

東電の甘い想定

2011年03月29日 07時02分32秒 | 東日本大震災
 
 この度の震災では、 「想定外」 という言葉が 何回聞かれたでしょう。

 けれども、 大津波の襲来は すでに20年前から 分かっていたといいます。

 東電の想定は甘いと、 専門家から繰り返されていました。

 2009年、 古い原発の耐震性を 再検討する専門家会で、

 過去に起きた とてつもない津波のことが 指摘されました。

 869年に起きた  「貞観(じょうがん)の大津波」 です。

 福島第一原発の設計当時、 この津波の実態は まだ分かっていませんでした。

 しかし1990年、

 仙台平野の海岸から 3キロ地点で、 波高が3メートルあったことが 分かりました。

 地震の推定規模は マグニチュード8.4。

 東電が想定した 7.9の約6倍です。

 さらに1500年頃にも、

 東北から関東を 巨大津波が襲った痕跡が 見つかっています。

 いずれも 実態は不明点も多いですが、

 今回の津波は 決して 「想定外」 ではなかったのです。

「地震で 原子炉を停止した後も 冷却できないと、

 燃料棒が溶けて 炉心融解にいたる。

 水素爆発の可能性もある。」

 まるで今日の事態を 予見したかのような論文が、 97年に発表されています。

 「原発地震」 と名付けられ、 警鐘が鳴らされてきました。

 福島第一原発は、

 沖合にプレート境界があると 知られていなかった、 40年以上前の設計です。

 耐震指針を見直そうという動きは、 90年代からありました。

 しかし当時は 原発の新設が続いており、

 その計画が一段落するまで 変えるなという圧力が、 産業界からかかったといいます。

 そうして 見直しを先送りするための、

 政治的な判断が 働いたと言われているのです。

〔 朝日新聞より 〕
 
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