「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

若い世代の自殺を防げ ~ 境界性パーソナリティ障害 (2)

2011年03月05日 20時45分01秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 かおりさんは、 常に自分を見てほしい という思いが強く、

 母親から離れられない 時期もありました。

 かおりさんのお母さんは、

 何気ない一言が引き金になり、 感情を高ぶらせるかおりさんに 翻弄されてきました。

 買い物帰りの 車の中でのこと。

 楽しそうに はしゃぐかおりさんに、

 お母さんがからかうつもりで  「わざとやっているの ?」 と言った途端、

 かおりさんは突然 怒りを爆発させ、 「私が邪魔なんでしょ !」 と叫びながら、

 シートベルトで 自分の首を絞め始めたのです。

お母さん 「何でこんなことをするんだろう ? 

 どうしたらいいんだろう?  分からなかった。

 ガラスを割ったこともあるし、 熱湯を 自分の手にかけてしまったりとか ……」

 突如として沸き上がる 怒りの感情に、 かおりさん自身 戸惑ってきました。

 日記には、 「愛してほしい」 「離れて行かないで」

 「感情をどうしたらいいの」 「助けてください」 などと 綴られています。

かおりさん 「生きてる価値がないと思う。

 自分がいなくても、 何か変わることがあるのかと 考えると、 ないわ ……」

お母さん 「私なんかいないほうがいいんでしょ、 という言葉を聞くと、

 涙も出てくるし、 胸が潰れてしまいそうになりました」

 
 かおりさんは週に1度 病院に通い、 医師の診察と カウンセリングを受けています。

 社会とつながりを持ちたいと、 アルバイトも始めました。

かおりさん 「1%理解してくれる人が 100人いたら、

 100%ということじゃないかと、 ちっちゃい希望を持ってる」

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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