(前の記事からの続き)
全体的には、 境界性パーソナリティ障害を知ってもらいたいという
真摯な姿勢が感じられる 作りだったと思います。
ただ、 「若い世代の自殺」 という タイトルで始まり、
それを軸に 進めていく構成は、 最初 違和感を覚えました。
確かに BPDの自殺 (またはそのそぶり) は 重要な問題ですし、
PTBは その診断基準の中に、 自殺行動が含まれている 唯一の疾患です。
近年の自殺者増加の中で、 BPDが原因の自死は 今まで言及されたことがなく、
そういう点は 意義があると思います。
けれども自殺は BPDの一面でしかなく、 それを中心に据えるのは、
BPD = 自殺という印象を 視聴者に与えはしないでしょうか?
とはいえ、 ごく短い放送時間で、
一般の視聴者に 関心を持って 目を向けてもらうための 「切り口」 として、
馴染みのない 「境界性パーソナリティ障害」 を 唐突に持ち出すより、
若者の自殺対策という観点で 取り上げた方がいいと 考えたのかもしれません。
結果はどうだったのでしょうか?
とにかく今回は あくまで第一歩。
最初は 関心を持ってもらうことが大事で、
広く深く伝えていくには、 長い時間が必要です。
長期的な目で見て、 一足前進したことを 喜ぶべきでしょう。
NHKの担当記者は 引き続き取材を進め、
次は もう少し大きい枠で 作りたい意向のようです。
これからも少しずつ 取り上げていってほしいと望んみます。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61251651.html