「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「フリーダム・ライターズ」 (2)

2007年09月13日 18時06分05秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/50088751.html からの続き)

 エリンは生徒たちに、

 「アンネの日記」 などを 教材として読ませようとします。

 しかし学校側は、彼らに それを読む読解力はなく、

 本を捨てられるだけなので 予算は出せないと言います。

(因みに 僕は高校の英語の授業で、「アンネの日記」を テキストとして読んでいて、

 適切な教材だと 思ってました。)

 エリンは 資金調達のために、勤務後 ブラジャーの販売員をしたり、

 ホテルの接客係のバイトをして、自腹で 生徒に本を与えます。

 それから 一人ずつに日記帳を渡し、何でもいいから 「書く」 ことを求めます。

 すると 生徒たちは、胸の中に閉じ込めていた 様々な辛い体験を、

 吐き出すように 書きはじめたのです。

 また、エリンは生徒たちを ホロコースト博物館へ連れて行き、

 その凄惨な 歴史を学ばせます。

(もちろん費用は エリンの自腹。

 しかし、バイトのために エリンの夫は置き去りにされ、

 夫婦関係は崩れる 葛藤に苛まれます。)

 生徒たちは、ホロコーストで 自分たちよりも凄惨な 虐殺を受難して

 死んでいったユダヤ人や、幼い子供たちの姿を 目の当たりにして、変わってきます。

 彼らは 持っていた銃を捨て、自分を見捨てた 母親に自ら会いに行き、

 そして 人種対立を超えて 真実の証言をし……。

 彼らは次第に 読解力や書く力を 身に付けていき、

 自分を見つめ、初めて 将来を展望していきます。

 教室は 彼らの唯一のホームに なっていくのです。

 生徒たちが書いた日記は 本として出版され、

 今も ベストセラーになっているといいます。

 「書く」 ことによって、心を開き、信頼し合い、

 どん底にあっても 「変わる勇気」 を、彼らは 手に入れていったのです。

 そんな希望を 与えられた作品でした。

 日本の教育現場でも、こういうことを 実現していくことはできないでしょうか?