「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「TOKKO -特攻-」 (1)

2007年09月10日 21時55分50秒 | 映画
 
 「ヒロシマ・ナガサキ」 に続いて観た、

 日系アメリカ人監督による ドキュメント戦争映画、

 大分 間が空いてしまいましたが、引き続いて感想を書きます。

 一般のアメリカ人が抱く 「神風」 のイメージは、

 9・11の犯人や 自爆テロと全く同じです。

 この映画の監督 リサ・モリモトも、最近まで そう思っていたといいます。

 ところが、亡くなった自分の叔父が、元特攻の訓練を受けていた

 ということを知って、信じられない思いにとらわれます。

 叔父は優しくてセンスがあり、およそ神風のイメージとは 極にある人だったのです。

 そして彼女は、日本に特攻隊の生き残りが いることを知り、

 彼らに取材する 旅に出ました。

 一方で、特攻隊に沈められた戦艦の 生存者である元米兵への インタビューを交え、

 神風の実態に迫ります。

 プロデューサーは、日本育ちのアメリカ人、リンダ・ホーグランドです。

 日系アメリカ人のモリモト監督との コンビで、初めてできた作品かもしれません。

 それまでの特攻隊の印象は、死を何とも思わぬ、

 狂信的な モンスターのようなものでした。

 ところが、実際に特攻隊の生き残りの人に 会ってみると、

 真面目で 涙もろい人だったり、気さくなおじさんだったり、

 英語の勉強をした 実業家だったりします。

 そして、誰しも 自ら死を望んでいたのではなく、上からの命令でやむを得ず、

 死の恐怖と闘いながら 飛び立って行ったのでした。

 死にたくない,生きたい、そういう気持ちを 胸にしまい込んでいたのです。

 また 飛行兵たちは、アメリカの電波も 傍受できるため、

 戦況が 大本営発表と異なることも 知っていました。

 この戦争は 絶対に負けると思っていました。

(続く)