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7日ノーベル物理学賞の発表があって、なんと日本から3名が受賞することになりました。
南部陽一郎さん、小林誠さん、益川俊英さんの3名です。
さらに今日(8日)、下村脩・米ボストン大名誉教授のノーベル化学賞受賞が決定しました。1度に4人は最多。
ノーベル賞はダイナマイトを発明した、アルフレッド・バーナード・ノーベル(1833~1896)が、自らの遺産を基金として1896年に設けられた章です。
物理学、化学、医学生理学、文学、平和、経済学の分野で、国際的に貢献した人にたいして与えられます。
1969年には経済学賞が追加されています。
日本人の受賞は1949年、湯川秀樹博士の物理学賞を最初に今回で16人、物理学賞は7人目で化学賞は5人目です。
ノーベルは物理学者なので、物理学賞はいわば中心的な存在。日本は特に物理学賞での受賞が多くなっています。
授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億4千万円)で南部さんに
2分の1、小林さん、益川さんにそれぞれ4分の1が贈られます。
化学賞の下村さんは他の受賞者2人と3等分して贈られます。
こうした華やかな受賞があるたびにいつも思うのですが、こうした人びとの蔭には、それを支えた人、研究に重要なヒントをもたらした人など多数の研究員が存在していると思うのです。中心人物だけでなく、そうした人びとに対する承認も、内々ではなく、公に行えないものなのかと思います。
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【訃報】緒形拳さん
映画「楢山節考」やNHKの大河ドラマ「太閤記」などで活躍した俳優の緒形拳さんが、去る5日に亡くなったことがわかりました。
緒方さんは劇団「新国劇」出身で、辰巳柳太郎の弟子。
俳優の緒形直人さんは次男。
「新国劇」というのは、澤田正二郎が歌舞伎と新劇のあいだの新しい演劇をつくりたいと結成した劇団で、「国定忠次」や「月形半平太」などの、いわゆるチャンバラものが主流でした。澤田正二郎の死後は島田正吾・辰巳柳太郎が劇団の中心となって活躍しましたが、やがて客離れが激しくなり倒産。1987年に解散しました。
ぼくがはじめて緒形拳さんを知ったのは、「太閤記」でした。緒方さん演じる木下藤吉朗が、高橋幸治演じる織田信長に、ぬかるみの土をこねてジオラマをつくり、作戦を説明するシーンを、なぜか印象的に覚えています。
そのあとは、「必殺仕掛人」の藤枝梅安が記憶に残っています。「必殺シリーズ」は藤田まことの中村主水がすっかり主導権を握ってしまいましたが、鍼医者の梅安が殺し鍼で通りすがりにスッと刺すのは、迫力に欠けると言うことなのでしょうか。見たいと思っても。「時代劇専門チャンネル」でも再放送されません。
晩年はすっかり丸くなってしまったようで、往年の鬼気迫る演技が見られなくなったことを寂しく思っていました。
ご冥福をお祈りします。
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