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案内をもらっていたチェレギーノ子どもの家の作品展に出かける。隣が工事をしていて落ち着いて仕事ができないので、時間つぶしが本音だ。
チェレギーノ子どもの家は、モンテッソーリ教育の未認可幼稚園である。
モンテッソーリ教育とは、日本ではシュタイナーほど知られていないが、子ども一人ひとりの個性を生かし、それぞれのペースで能力を引き出す教育方法である。
だから、時間割がない、全員が揃って何かをするのは、最初の挨拶と、最後の読み聞かせのあと、母親と行うゲームだけ。ほとんどの時間を子どもがやりたいことを好きなだけする。
イタリアのマリア・モンテッソーリによって考案された、独特の教具を使う教育方法である。
国が決めたカリキュラムに従わず、子どもたちに同じ結果を求めないから、それだけでも認可されにくい。加えて、認可幼稚園としての条件である園庭もない。
したがって、どうしても保育料が高くなる。
国や自治体の教育方針に寄り添わないから、モンテッソーリを謳いながら認可されている幼稚園よりも、本来の形に近い。
わが家の子どもたちは二人とも3歳の時から小学校に入るまで通った。今思えば、よく通わせたと思う。
この幼稚園に通うわが家の子どもたちをレポートした『モンテッソーリ教育で、子どもの才能が見つかった』(中央アート出版社)という本も書いた。
作品展は、この幼稚園の子どもたちの、能力の成果である。時間をかけ、やりたいときにやりたいことをやらせる。必ず完成するまで待つ。だから、未就学児童の作品とは思えない、ものすごいものが出来上がる。
このことは、成長してから、想像力と、必ず最後までやり遂げるという忍耐力が身に付く。
限られた時間で、全員が揃って同じことをやる一般の幼稚園では出来ないことだ。
写真は作品の一部の陶芸。他に、木工や手芸、絵画、彫刻などもある。
わが家には、こうした作品が山ほどある。中には十分使用に耐えるぐい飲みや鉢などがあって、どれも処分するには惜しい。
はじめて観た時は驚いたが、今ではすっかり慣れてしまって、たまに小学校の展示会などを観ると、小学生にもなってこの程度かと思ってしまう。
この国の幼児教育は、がんじがらめなのだ。