おかしな出来事が続いた。
何かが後ろにかくれている気がして気持が悪い。
マスコミを騒がせる出来事があると、その影で重要法案が議会を通過したりする。
今回はその気配はないけれど、それよりもっと大きな何かが始まっている気がする。
たまたま起きた出来事ではあるけれど、それを利用する輩は必ずいるものだ。
■草彅剛逮捕
先日、「SMAP草彅剛逮捕」のニュースが日本国中を駆け巡った。
酔っぱらいが騒いでいるという通報があって、警官が駆けつけると誰もいない公園にスッポンポンの男がいた。
注意したが、「裸で何が悪い!」と抵抗したために逮捕したという。
またもドラッグか、と思いきや、なんのことはない。
「公然猥褻罪」
そうなのか、公園でスッポンポンになると、周りに見ている人がいなくても公然猥褻罪になるのか、知らなかった。
いや、警官が見ていたか。
おかしいいのはその後のマスコミの騒ぎ方だ。
番組放送中止、CM打ち切り、ポスター撤去、はては「SMAP解散か!」。
鳩山大臣の「最低の人間」発言に至っては、何をか言わんや。(後に撤回したが)そっくりお返ししたい。
学生時代にスッポンポンで深夜の道路に寝っころがったことないか?
気持いいぞ!
ぼくはある。
しかし、警察には捕まらなかったし、誰からも非難されてない。
これが一般人だったらニュースにもならなかっただろうし、一晩警察の虎箱に泊められて、あくる日釈放だっただろう。
北野武が言っていた、「たけし軍団だったら何の問題にもならなかっただろうにな」。
さらにおまけがついた。
「家宅捜査」
酔っぱらい騒ぎで家宅捜査をされたんじゃたまらない。
芸能人なので麻薬使用の疑いが考えられたからだそうだけど、尿検査では陰性。
だったら家宅捜査の理由がない。
案の定、「何も応酬物はありませんでした」。
あたりまえだ。
地デジのイメージキャラクターのテレビがアナログだったことも暴露された。
プライバシーも何もあったもんじゃない。
これはあきらかなやり過ぎだ。
稲垣吾郎の場合と違って、被害者もいない。
だからといって草彅を擁護するつもりはない。
今回の、草彅剛の行動は、30歳を過ぎた男のすることではない。
しかし、非常識な行為だからこそ、マスコミの報道や警察のやり方に、人々は文句がつけにくい。
一部の熱心なファンからは警察に猛烈な抗議の電話があったらしいが、国民の多くは草彅剛「容疑者」にたいして同情はしなかったようだ。
しかし、ちょっとまて。
このマスコミと警察の過剰な反応は、有名人・著名人に対する行動規制につながらないか。
影響力の大きい人間に、枠をはみ出すようなことはするな、という「脅し」になっていないだろうか。
■北野誠失言事件
もうひとつ不可解なのは、松竹芸能所属のタレント北野誠がラジオ番組での失言が原因で、マスコミから一切閉め出されたことだ。
しかも、その失言の内容が、わからない。
「内容については、さらに迷惑がかかりますので、公表しません」ということだが、これはまったくヘンである。
北野誠は関東地区ではさほどでもないが、関西では知らぬ人のいない超人気タレントだ。
それだけの人間がマスコミから排除されようとしているのだから、視聴者は知る権利がある。
しかし、真相は何も知らされない。
憶測が憶測を呼んで、某宗教団体を中傷したからだとか、「赤旗」を読んでいるからだとか言われているが、有力と思われる説は、大手プロダクションの社長で、芸能界のドンといわれるS氏のプライベートを暴いたことにあるらしい。
芸能界には、その時代時代で強大な勢力を誇る芸能プロダクションがあるもので、古くは渡辺プロによる森進一の脱退にからむ事件があった。
当時の渡辺氏の力も大変なものだったらしいが、S氏の権勢はその比ではないという。
これがもし真実なら、プロダクション側からの抗議の電話一本で、すべてのマスコミがそれに同調し、一人のタレントを抹殺してしまうなど、異常としか言いようがない。
脅されたマスコミは、草彅剛の場合と正反対で、ほとんどだんまりを決め込んでいる。
多くの人は、週刊誌かネット上でしかこの事件の詳細を知らされていない。
北野誠が何をどういったのか、正確にはわからない。
しかし、一人のタレント生命が失われるという大事件であることは事実である。
そして重要な問題は、ある特定の人間の圧力に、マスメディアが屈したということである。
芸能界がらみですらこんなことが起きるのだったら、政治がらみでは何が起きているだろう。
都合の悪い発言を行なった人間は、もしかすると闇から闇に葬られているかもしれない。
◇
以上二つの事件から見えることは、有名人の不祥事にかこつけての「脅し」である。
タレントの多くはこの二つの事件を見て、「余計なことは見ざる言わざる聞かざる」と、草彅のような非社会的な行動でなくても、自ら言論や行動を自主規制してしまうだろう。
反戦デモには参加しにくくなるだろうし、改憲反対運動に名を連ねることも抑えてしまう。
これは実に効果的な、暗黙の言論統制である。
もちろん、草彅剛を擁護するものでもなければ、何を言ったのかが公表されていない北野誠を擁護するものでもない。
問題は、このような事件が発生した時の、マスコミや警察の態度にあるのだ。
身から出た錆と言ってしまえばそれまでだが、二人とも一般人でないことが不幸を招いた犠牲者ではある。
このことで、多くのマスコミ人や芸能人が萎縮しないことを願うばかりである。
◇
余談だが。
ぼくが子どもの頃、海外の書物を扱っていた父の元に、美術書が送られて来た。
美術書なので、裸体画や裸像の写真が多く掲載されていた。
母親は山の手のお嬢様育ちで、どちらかといえば潔癖。
「何見てんの? いやらしい」
「誰にでもついてるもん見てなにがいやらしい」
名言である。
某大物タレントは、バラエティ番組収録中、はずみで女性タレントの腰に手が触れてしまった。
女性タレントは憤然として「ヘンなとこ触んないでください」
で、その大物タレントは平然として、「なに、君のアソコはヘンなのか?」
迷言である。
公然猥褻で有名なのは『四畳半襖の下張り』事件に関して、被告になった野坂昭如氏の言葉。
「男の警官は見慣れてて麻痺してる。だから、婦人警官が『ま、いやらしい?』って言ったら猥褻になるらしいよ」
迷言である。
◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
◆出版と原稿作りのお手伝い◆
原稿制作から自費出版まで、ご相談承ります。
メールでお気軽に galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
*アドレスをコピーするか、右の「□メール送信」をクリックしてください。
何かが後ろにかくれている気がして気持が悪い。
マスコミを騒がせる出来事があると、その影で重要法案が議会を通過したりする。
今回はその気配はないけれど、それよりもっと大きな何かが始まっている気がする。
たまたま起きた出来事ではあるけれど、それを利用する輩は必ずいるものだ。
■草彅剛逮捕
先日、「SMAP草彅剛逮捕」のニュースが日本国中を駆け巡った。
酔っぱらいが騒いでいるという通報があって、警官が駆けつけると誰もいない公園にスッポンポンの男がいた。
注意したが、「裸で何が悪い!」と抵抗したために逮捕したという。
またもドラッグか、と思いきや、なんのことはない。
「公然猥褻罪」
そうなのか、公園でスッポンポンになると、周りに見ている人がいなくても公然猥褻罪になるのか、知らなかった。
いや、警官が見ていたか。
おかしいいのはその後のマスコミの騒ぎ方だ。
番組放送中止、CM打ち切り、ポスター撤去、はては「SMAP解散か!」。
鳩山大臣の「最低の人間」発言に至っては、何をか言わんや。(後に撤回したが)そっくりお返ししたい。
学生時代にスッポンポンで深夜の道路に寝っころがったことないか?
気持いいぞ!
ぼくはある。
しかし、警察には捕まらなかったし、誰からも非難されてない。
これが一般人だったらニュースにもならなかっただろうし、一晩警察の虎箱に泊められて、あくる日釈放だっただろう。
北野武が言っていた、「たけし軍団だったら何の問題にもならなかっただろうにな」。
さらにおまけがついた。
「家宅捜査」
酔っぱらい騒ぎで家宅捜査をされたんじゃたまらない。
芸能人なので麻薬使用の疑いが考えられたからだそうだけど、尿検査では陰性。
だったら家宅捜査の理由がない。
案の定、「何も応酬物はありませんでした」。
あたりまえだ。
地デジのイメージキャラクターのテレビがアナログだったことも暴露された。
プライバシーも何もあったもんじゃない。
これはあきらかなやり過ぎだ。
稲垣吾郎の場合と違って、被害者もいない。
だからといって草彅を擁護するつもりはない。
今回の、草彅剛の行動は、30歳を過ぎた男のすることではない。
しかし、非常識な行為だからこそ、マスコミの報道や警察のやり方に、人々は文句がつけにくい。
一部の熱心なファンからは警察に猛烈な抗議の電話があったらしいが、国民の多くは草彅剛「容疑者」にたいして同情はしなかったようだ。
しかし、ちょっとまて。
このマスコミと警察の過剰な反応は、有名人・著名人に対する行動規制につながらないか。
影響力の大きい人間に、枠をはみ出すようなことはするな、という「脅し」になっていないだろうか。
■北野誠失言事件
もうひとつ不可解なのは、松竹芸能所属のタレント北野誠がラジオ番組での失言が原因で、マスコミから一切閉め出されたことだ。
しかも、その失言の内容が、わからない。
「内容については、さらに迷惑がかかりますので、公表しません」ということだが、これはまったくヘンである。
北野誠は関東地区ではさほどでもないが、関西では知らぬ人のいない超人気タレントだ。
それだけの人間がマスコミから排除されようとしているのだから、視聴者は知る権利がある。
しかし、真相は何も知らされない。
憶測が憶測を呼んで、某宗教団体を中傷したからだとか、「赤旗」を読んでいるからだとか言われているが、有力と思われる説は、大手プロダクションの社長で、芸能界のドンといわれるS氏のプライベートを暴いたことにあるらしい。
芸能界には、その時代時代で強大な勢力を誇る芸能プロダクションがあるもので、古くは渡辺プロによる森進一の脱退にからむ事件があった。
当時の渡辺氏の力も大変なものだったらしいが、S氏の権勢はその比ではないという。
これがもし真実なら、プロダクション側からの抗議の電話一本で、すべてのマスコミがそれに同調し、一人のタレントを抹殺してしまうなど、異常としか言いようがない。
脅されたマスコミは、草彅剛の場合と正反対で、ほとんどだんまりを決め込んでいる。
多くの人は、週刊誌かネット上でしかこの事件の詳細を知らされていない。
北野誠が何をどういったのか、正確にはわからない。
しかし、一人のタレント生命が失われるという大事件であることは事実である。
そして重要な問題は、ある特定の人間の圧力に、マスメディアが屈したということである。
芸能界がらみですらこんなことが起きるのだったら、政治がらみでは何が起きているだろう。
都合の悪い発言を行なった人間は、もしかすると闇から闇に葬られているかもしれない。
◇
以上二つの事件から見えることは、有名人の不祥事にかこつけての「脅し」である。
タレントの多くはこの二つの事件を見て、「余計なことは見ざる言わざる聞かざる」と、草彅のような非社会的な行動でなくても、自ら言論や行動を自主規制してしまうだろう。
反戦デモには参加しにくくなるだろうし、改憲反対運動に名を連ねることも抑えてしまう。
これは実に効果的な、暗黙の言論統制である。
もちろん、草彅剛を擁護するものでもなければ、何を言ったのかが公表されていない北野誠を擁護するものでもない。
問題は、このような事件が発生した時の、マスコミや警察の態度にあるのだ。
身から出た錆と言ってしまえばそれまでだが、二人とも一般人でないことが不幸を招いた犠牲者ではある。
このことで、多くのマスコミ人や芸能人が萎縮しないことを願うばかりである。
◇
余談だが。
ぼくが子どもの頃、海外の書物を扱っていた父の元に、美術書が送られて来た。
美術書なので、裸体画や裸像の写真が多く掲載されていた。
母親は山の手のお嬢様育ちで、どちらかといえば潔癖。
「何見てんの? いやらしい」
「誰にでもついてるもん見てなにがいやらしい」
名言である。
某大物タレントは、バラエティ番組収録中、はずみで女性タレントの腰に手が触れてしまった。
女性タレントは憤然として「ヘンなとこ触んないでください」
で、その大物タレントは平然として、「なに、君のアソコはヘンなのか?」
迷言である。
公然猥褻で有名なのは『四畳半襖の下張り』事件に関して、被告になった野坂昭如氏の言葉。
「男の警官は見慣れてて麻痺してる。だから、婦人警官が『ま、いやらしい?』って言ったら猥褻になるらしいよ」
迷言である。
◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
◆出版と原稿作りのお手伝い◆
原稿制作から自費出版まで、ご相談承ります。
メールでお気軽に galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
*アドレスをコピーするか、右の「□メール送信」をクリックしてください。