ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

マスコミ報道の怪! 警察の怪! 芸能界の怪!

2009年04月28日 | 日記・エッセイ・コラム
 おかしな出来事が続いた。
 何かが後ろにかくれている気がして気持が悪い。
 マスコミを騒がせる出来事があると、その影で重要法案が議会を通過したりする。
 今回はその気配はないけれど、それよりもっと大きな何かが始まっている気がする。
 たまたま起きた出来事ではあるけれど、それを利用する輩は必ずいるものだ。
 
 ■草彅剛逮捕
 
 先日、「SMAP草彅剛逮捕」のニュースが日本国中を駆け巡った。
 酔っぱらいが騒いでいるという通報があって、警官が駆けつけると誰もいない公園にスッポンポンの男がいた。
 注意したが、「裸で何が悪い!」と抵抗したために逮捕したという。
 またもドラッグか、と思いきや、なんのことはない。
 
 「公然猥褻罪」
 
 そうなのか、公園でスッポンポンになると、周りに見ている人がいなくても公然猥褻罪になるのか、知らなかった。
 いや、警官が見ていたか。

 おかしいいのはその後のマスコミの騒ぎ方だ。
 番組放送中止、CM打ち切り、ポスター撤去、はては「SMAP解散か!」。
 鳩山大臣の「最低の人間」発言に至っては、何をか言わんや。(後に撤回したが)そっくりお返ししたい。
 
 学生時代にスッポンポンで深夜の道路に寝っころがったことないか?
 気持いいぞ!
 
 ぼくはある。
 
 しかし、警察には捕まらなかったし、誰からも非難されてない。
 
 これが一般人だったらニュースにもならなかっただろうし、一晩警察の虎箱に泊められて、あくる日釈放だっただろう。
 北野武が言っていた、「たけし軍団だったら何の問題にもならなかっただろうにな」。
 
 さらにおまけがついた。
 
 「家宅捜査」
 
 酔っぱらい騒ぎで家宅捜査をされたんじゃたまらない。
 
 芸能人なので麻薬使用の疑いが考えられたからだそうだけど、尿検査では陰性。
 だったら家宅捜査の理由がない。
 案の定、「何も応酬物はありませんでした」。
 あたりまえだ。
 地デジのイメージキャラクターのテレビがアナログだったことも暴露された。
 プライバシーも何もあったもんじゃない。
 これはあきらかなやり過ぎだ。
 稲垣吾郎の場合と違って、被害者もいない。

 だからといって草彅を擁護するつもりはない。
 今回の、草彅剛の行動は、30歳を過ぎた男のすることではない。
 しかし、非常識な行為だからこそ、マスコミの報道や警察のやり方に、人々は文句がつけにくい。
 一部の熱心なファンからは警察に猛烈な抗議の電話があったらしいが、国民の多くは草彅剛「容疑者」にたいして同情はしなかったようだ。

 しかし、ちょっとまて。
 このマスコミと警察の過剰な反応は、有名人・著名人に対する行動規制につながらないか。
 影響力の大きい人間に、枠をはみ出すようなことはするな、という「脅し」になっていないだろうか。
 
 
 ■北野誠失言事件
 
 もうひとつ不可解なのは、松竹芸能所属のタレント北野誠がラジオ番組での失言が原因で、マスコミから一切閉め出されたことだ。
 しかも、その失言の内容が、わからない。
 「内容については、さらに迷惑がかかりますので、公表しません」ということだが、これはまったくヘンである。
 北野誠は関東地区ではさほどでもないが、関西では知らぬ人のいない超人気タレントだ。
 それだけの人間がマスコミから排除されようとしているのだから、視聴者は知る権利がある。
 
 しかし、真相は何も知らされない。

 憶測が憶測を呼んで、某宗教団体を中傷したからだとか、「赤旗」を読んでいるからだとか言われているが、有力と思われる説は、大手プロダクションの社長で、芸能界のドンといわれるS氏のプライベートを暴いたことにあるらしい。

 芸能界には、その時代時代で強大な勢力を誇る芸能プロダクションがあるもので、古くは渡辺プロによる森進一の脱退にからむ事件があった。
 当時の渡辺氏の力も大変なものだったらしいが、S氏の権勢はその比ではないという。

 これがもし真実なら、プロダクション側からの抗議の電話一本で、すべてのマスコミがそれに同調し、一人のタレントを抹殺してしまうなど、異常としか言いようがない。
 脅されたマスコミは、草彅剛の場合と正反対で、ほとんどだんまりを決め込んでいる。
 多くの人は、週刊誌かネット上でしかこの事件の詳細を知らされていない。

 北野誠が何をどういったのか、正確にはわからない。
 しかし、一人のタレント生命が失われるという大事件であることは事実である。
 そして重要な問題は、ある特定の人間の圧力に、マスメディアが屈したということである。

 芸能界がらみですらこんなことが起きるのだったら、政治がらみでは何が起きているだろう。
 都合の悪い発言を行なった人間は、もしかすると闇から闇に葬られているかもしれない。
 
          ◇
 
 以上二つの事件から見えることは、有名人の不祥事にかこつけての「脅し」である。
 タレントの多くはこの二つの事件を見て、「余計なことは見ざる言わざる聞かざる」と、草彅のような非社会的な行動でなくても、自ら言論や行動を自主規制してしまうだろう。
 反戦デモには参加しにくくなるだろうし、改憲反対運動に名を連ねることも抑えてしまう。
 
 これは実に効果的な、暗黙の言論統制である。
 
 もちろん、草彅剛を擁護するものでもなければ、何を言ったのかが公表されていない北野誠を擁護するものでもない。
 問題は、このような事件が発生した時の、マスコミや警察の態度にあるのだ。

 身から出た錆と言ってしまえばそれまでだが、二人とも一般人でないことが不幸を招いた犠牲者ではある。
 このことで、多くのマスコミ人や芸能人が萎縮しないことを願うばかりである。
 
          ◇
 
 余談だが。
 ぼくが子どもの頃、海外の書物を扱っていた父の元に、美術書が送られて来た。
 美術書なので、裸体画や裸像の写真が多く掲載されていた。
 母親は山の手のお嬢様育ちで、どちらかといえば潔癖。
 「何見てんの? いやらしい」
 「誰にでもついてるもん見てなにがいやらしい」

 名言である。

 某大物タレントは、バラエティ番組収録中、はずみで女性タレントの腰に手が触れてしまった。
 女性タレントは憤然として「ヘンなとこ触んないでください」
 で、その大物タレントは平然として、「なに、君のアソコはヘンなのか?」
 
 迷言である。
 
 公然猥褻で有名なのは『四畳半襖の下張り』事件に関して、被告になった野坂昭如氏の言葉。
 「男の警官は見慣れてて麻痺してる。だから、婦人警官が『ま、いやらしい?』って言ったら猥褻になるらしいよ」
 
 迷言である。


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AKI絵画展 オープニングパーティ

2009年04月26日 | アート・文化
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 AKI君と写真家の石井友規氏のコラボ展が、青山のHACギャラリーで25日から行なわれていて、そのオープニングパーティに行ってきた。
 (写真は左が石井氏で右がAKI)

 この展覧会は、オーストラリア大使館と日豪文化交流協会の後援で行なわれた。

 石井氏は世界中で活躍するカメラマンで、最近ではヨットで太平洋を横断しての作品が、雑誌『舵』に大きく掲載されている。
 
 動物が大好きなAKIは、とくに環境破壊で絶滅の危機に瀕している動物に強い興味を示していて、最近はオーストラリア大陸に棲む動物たちの絵をよく描いている。

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 今一番興味があるのはカメガエルだそうだ。

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 このカンガルーの親子の絵は、なかなかいい。

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 オーストラリア大使館のゴードンさんから、まだ一度もオーストラリアに行ったことのないAKIが、これほどまでにイメージを広げていることが感動的であると、スピーチがあった。
 今年はおそらく、いや、意地でも渡豪しなければならないだろう。

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 親友の永原元(左)がお祝いに駆けつけた。元ちゃんは、世界中の先住民族の音楽を演奏してきている。
 環境問題に意識があるのかどうかはわからないけれど。
 元ちゃんはこの後、御殿場でライブ。
 せっかく正装して来たのにわずか15分ほどで退場。ごくろうさんでした。

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 参議院議員の神取忍氏が来た。あまり知られていないことだけれども、彼女(?)は障害者問題や環境問題に積極的な活動を行っている。
 しかし、所属が自民党なので、その活動はあまりクローズアップされないし、足を引っ張られることさえあるようだ。本人はそうは言っていないが、外から見てそれを感じる。
 自民党では合わない気がするが、難しいだろうなあ、次も当選というのは。

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 期間中来訪の子どもたちには、AKIが直筆で下絵を描いた塗り絵がプレゼントされる。
 この日は全員で塗り絵をした。
 
       ◆
 
「AKI&石井友規のオーストラリアの仲間達」絵画・写真展

開催期間:2009年4月25日(土曜日)~5月2日(土曜日)
時間:11:00~19:00
入場:無料
場所:青山「H・A・Cギャラリー」
東京都港区南青山2-11-15 セピア絵画館 B1
TEL 03-5772-6225

【主催】
浜名湖 日本・オーストラリア協会
オーストラリア個展実行委員会

【後援】
オーストラリア大使館
NPO日豪文化交流協会

【共催】
福祉作業所ライフステージ
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◎ご来場の全てのお子様(10歳以下)にAKIからプレゼント・・・!
◎問合せ先
「福祉作業所ライフステージ」
東京都世田谷区船橋6-10-4 B1
TEL:03-3329-7350
メール:lifestage.aki41@wonder.ocn.ne.jp

【リンク】LIFE STAGE

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薩摩支配400年 琉球処分130年を問う

2009年04月24日 | 本と雑誌
Ryukyu
 
 薩摩支配400年 琉球処分130年を問う
 薩摩の琉球支配から400年
 ・日本国の琉球処分130年を問う会 編
 
 書名も発行元の名前も、まるで「寿限無」みたいに長い。
 
 『けーし風』の表4に広告が出ていて、興味があったので注文した。
 どんなことに興味を持ったのかというと、江戸時代の島津による侵略から、現在のアメリカ支配に至るまで一貫して研究した書物はあまりない。
 ぼくは最初から、現在の基地沖縄を考える時に、その根源が薩摩の島津家の侵略にあると考えて来た。
 大和(日本)の沖縄差別は、そもそもそこから始まっているのだが、多くの研究書では、おおもね明治以前と以降が別個に著される傾向にある。
 
 このA5判176ページのブックレットは、さまざまな立場の18人が寄稿した論文を集めたもので、沖縄の現状が400年前の薩摩支配に根源があるというコンセプトのもとに成っている。

 冒頭にはこうある。
 
 読者、友人の皆さん。私たちは、去る2009年1月30日那覇市に於いて「薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問う会」(略称「問う会」)を200人余の参加者で結成することができました。この会は、規約の第二条にもあるように、「琉球人としての自決権を確立する」ことを中心目標に活動を展開しています。
 私たちは、その第一弾として3月29日に「薩摩侵略400年を問うシンポジウムと大激論会」を準備しています。と同時に、このブックレットを編集し発行することにしました。


 執筆者の立場は、基地反対闘争、琉球独立運動、反戦運動などさまざまである。
 しかし、「目的を共有し、『小異を残して大同につく』をモットーにして」大同団結のもとに結成された組織になっている。
 
 金城実氏の「未来への遺産」という論文が面白い。琉球独立運動を推進する立場の人だが、皇民化教育と国家神道の押し付けを「沖縄の教育は『クシャミの仕方も大和風』に引きずり込むものだった」と感情的なまでに、強烈な批判を加えている。
 
 福地曠昭氏の「国家権力に翻弄された沖縄」では、古くから伝わる民謡を紹介している。
 喜如嘉(大宜味村)の農民による歌で、沖縄農民を搾取して生きる大和人に対する怒りを投げた歌だという。

 やまとんちゅーぬ(大和人の)
 ふぁぎちぶる(禿頭=月代のことだろう)
 ちゅぬふうみ(他人の米を)
 クワーティル(食って)
 ゆぅくふぁたぎる(ますます禿げたのだ)


 福地氏はこれらに代表される歌から、大和が「武力で琉球を制圧し、農民の『生存権』を奪ったことが推察される」と述べている。
 
 *このブックレットは書店での販売はない。
  本代980円に送料80円を加えた、合計1060円分の切手(80円切手13枚と20円切手にして欲しいと言われた)を同封して注文すれば送ってもらえる。
  送り先は、
  〒901-2214 宜野湾市我如古4-16-15
  薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問う会 御中 比嘉康文 様宛
  電話 098-897-0928
  ホームページ http://www.ntt-i.net/ryukyu/

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失敗から学んだ「YUV→RGB」

2009年04月22日 | うんちく・小ネタ
4221
 
 順を追って話そう。
 わが家のテレビがそろそろ寿命で、色のバランスがそうとう悪くなってきている。
 で、買い替えなければと思いつつ、できれば安く大きな画面にしたいと考えた。
 
 わが家のテレビはケーブルテレビだ。
 つまり、2011年のアナログ放送中止で買い替えるという必要はないのだが、寿命には勝てない。
 
 音はオーディオ装置から出ているので、映像を見るためのディスプレイだけあれば、地デジ対応のテレビチューナーは必要ないのだ。ケーブルテレビのチューナーに接続できればそれでよい。
 
 ところがテレビ用のディスプレイのみというのが、なかなかない。
 あってよさそうなのに、ネット上で探した限りでは見つからなかった。
 だったら、廃盤になったアナログチューナー付の大画面テレビでもよいのだが、これもすでにすっかり見かけなくなってしまった。
 あればものすごく安いだろうけど。
 
 
 大型アナログ液晶を持っていて、
 
 廃棄処分に困っている人がいたら、
 
 引き取りたい。

 
 
 以上がまず、話のひとつ。
 
 
 もうひとつの話は、事務所にあるテレビ。
 十数年前に買ったパナソニックの14インチ・テレビデオで、ビデオ部分はすでに故障して久しいが、テレビ部分はいまだに美しい画像を提供してくれている。
 居間にある大型テレビよりも数段画像がきれいで、まだまだ十分使用に耐えられる。
 
 しかし、今主流のワイド画面は天地が切れて、小さい画面がいっそう小さくなる。
 外国映画の字幕やエンドロールはまず読めないのだ。
 せっかく長年頑張ってくれているテレビデオだけれど、ワイド液晶に買い替える時期だろうかと考えたが、それが小型のワイド液晶テレビは思いのほか高い。
 事務所用にわざわざ高価な新品を買うことはなかろう。今より大型が安く入手できれば欲しいというだけの話。

 そこで思いついたのが、パソコン用のディスプレイでテレビを見るというアイデア。
 20インチくらいのパソコン用ディスプレイは2万そこそこで売っている。
 
 
 うん、いいアイデアだ。
 
 
 そこで、CATVのオペレーターに、チューナーとパソコン用ディスプレイをつなぐにはどうしたらよいか問い合わせた。
 
 ここからが問題ありだ。
 
 「パソコン用ディスプレイでCATVを見ることはできますか」
 「理論的には可能だと思います」
 「どうすればいいでしょうか。チューナー側のS映像かD端子から出力して、ディスプレイ側の15ピンに接続するだけでいいのでしょうか」
 「やったことがないので保証はできませんが、接続するケーブルがあれば論理的には可能なはずです」
 「ありがとうございます、では変換ケーブルを入手してやってみます」

 ということで、このページのトップにあるような、D端子と15ピンの変換ケーブルを買ってきてつないでみた。
 
 画面は真っ暗、闇夜にカラス。

 今そういうシーンなのかと思って、しばらく見続けたが、何もうつらない。
 「ねえ、差したあ? 光、差したあ?」
 だれかがどこかでそう言ったような気がした。

 再び問い合わせる。

 「あのう、うつらないんですが」
 「ピンジャックの映像出力がつながったままではありませんか」
 「外してみましたがだめです。これまで使っていたテレビのほうは、D端子にケーブルを抜き差しすると映ったり映らなくなったりしますから、信号は来てると思いますが」
 「15ピンはアナログなんです。CATVはデジタル映像ですから、ディスプレー側にデジタル入力があれば接続を変えてみたらどうでしょう。そうしたほうが可能性が高いと思います」
 「そうですか、もう少し研究してみます」
 
 とまあ、こんなやり取りがあって、しかし考えた。
 あのオペレーター、なんだか知ったかぶりをしているんじゃないかと。
 
 そこで、ネット上になにかヒントはないものかと、いろいろ調べてみると……。

 オイオイ、ケーブルのオペレーター、やっぱりウソばっか。ぜんぜん違ってた。

 まず最初っから間違っていて、アナログもデジタルもカンケーネエ!
 D端子はもともとアナログだそうだ。

 映像信号の方式がパソコンとテレビでは違うので、ただ接続しただけでは「論理的に」も映るわけがない。

 家庭用テレビはYUV方式といって、輝度(Y)と色差(輝度と青の差=U,輝度と赤の差=V)の組み合わせで色を表現する。
 パソコンはRGB方式で、誰でもご存知の光の三原色R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)。
 だから、RGB方式で信号を受け取るように作られているパソコン用ディスプレイに、テレビの映像が映らないのは当たり前。
 
 では、絶対にダメなのかといえば、そうでもない。
 チューナーとディスプレイの間にYUV方式をRGB方式に変換するコンバータを接続すれば、見ることができる。

 ところがそのコンバータ、容易には入手できない。
 以前ロジテックという端末機器のメーカーが作って販売していたのだが、それは5年ほど前に製造中止。
 しかし、1社だけ、販売している会社を見つけた。東京都下日野市にある「ケーブルダイレクト」という会社で、この手の変換コンバータを3種類出していた。
 しかも、ロジテックに比べて安く、10,000円程度からある。

 それはよいのだが、注意書きに「直結した場合の画質より劣化する」とあり、それを「承知しておく」ようにと念を押してある。
 普通20形の液晶テレビは最低でも6万以上する。しかし、コンバータとパソコン用20形ディスプレイなら、合わせても3万ちょっとで買える。我慢できる程度の劣化ならば、問題ないのではないかと考えた。
 で、念のためにメーカーに問い合わせてみた。

 「画質の劣化とありますがどの程度でしょうか」
 「どの程度と言われても表現に困りますが、滲みやブレがおこります。それぞれの機器との相性もありますが、色のバランスが崩れることもありますよ」
 「じゃあ、ほとんど使い物にならないと」
 「テレビを見るのにはお薦めできませんね。ゲームなどに使うのでしたら十分ですが」

 なーんだ、使えないのか。
 メーカーの人間が「お薦めできない」というのだから、これはよほどなのだろう。

 ようするに、パソコン用のディスプレイは、テレビにはむいていないという結論を得た。
 
 
 ザンネン!
 
 
 しかたがないので、もうしばらく14形テレビデオに頑張ってもらうことにした。
 
 
 *すでに生産中止になっているロジテックのコンバータは、ケーブルダイレクト社の製品と比較してかなり性能が良いようだ。最初に出たLDC-RGB1という機種はときどき中古で出ているようだが、液晶モニターには対応していないので注意。その後発売され3年前に生産中止になったLDC-RGB2という機種は、液晶モニターに対応しているが、5万円以上と高価。あまり見かけないが中古でも安くはないだろう。
 結局、コストパフォーマンスを考えると、テレビはテレビ、正攻法で対応せよということか。
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POSSE vol.3

2009年04月20日 | 本と雑誌
Posse3

 『POSSE』という雑誌がある。形は雑誌だが書店での扱いは書籍である。
 昨年9月、『蟹工船』がブームになり労働問題がクローズアップされた時に創刊されて、現在3号が発行されている。
 2号までは自主流通で、定期購読するか模索舍など特定の書店に限ってしか入手できなかったが、3号からは発売が合同出版になり、どこの書店でも入手できる。(店頭にない場合は取り寄せてもらえる)

 この雑誌を最初に見かけたのは、今年1月、模索舍でだ。同じようなコンセプトで発行されている、かもがわ出版の『ロスジェネ』と一緒に2号を購入した。
 目にとまったのは、ミニコミ紙とは思えない内容の充実と筆者である。
 高橋哲哉、雨宮処凛……、「ほう」と手に取った。楜沢健もいい。
 いわゆる『蟹工船』ブームや派遣切り問題を、表面的なマスコミ報道にとどまらず、高橋流、雨宮流に掘り下げ分析して解説しているところに興味を持った。

 で、ここに紹介するvol.3は、今朝、アシのYが合同出版に打ち合わせにいったついでに1冊いただいてきた。

 特集1 「派遣切り」されたのは誰か
  後藤道夫「フリーター」か「半失業者」か??「失業できる」日本社会を??
  伍賀一道 筒井美紀 派遣村の若者はどこから来たのか
 
 特集2 ドラマでたどる仕事と格差
  伊藤守 ポスト・トレンディドラマ時代の「働く女性」像
      『サラリーマン金太郎』のユニオニズム
  五十嵐泰正『銭ゲバ』は貧困にどこまで迫ったか
 
  竹信三恵子 日本版「ワークシェア」の虚妄を超えて
  伊豫谷登士翁
 
 興味深いのは、「特集2」の「ドラマでたどる仕事と格差」。
 過去に放送された数々のドラマを取り上げて、それぞれの、善かれ悪しかれあった影響力を分析し、積極的に切り込んでいる。
 最近作では「ハケンの品格」「OLにっぽん」から古くは「東京ラブストーリー」「家なき子」。
 電波媒体は刹那的な性格から逃れられない。だからこそ、当時の雰囲気を迅速に反映しているという。したがって、その時代時代における影響力は決して小さくない。
 そこから、バブル崩壊から平成不況、そして格差社会へと移り変わる中で、会社や労働、ライフスタイル、そして貧困がどう描かれ、あるいは描かれて来なかったかを検討する。
 
 たしかに、バブルのころの派遣社員は、正社員よりもエリートで高給取りのイメージがあった。最低でも時給2000円以上もらえていたし、貯金で海外留学をすることも可能だった。
 現代の派遣社員は最底辺の生活さえおぼつかない。
 派遣の形態がまったく変わっているにもかかわらず、その事実を知らないでいる人は思いのほか多い。
 「好きなとき働いて、お金が貯まったら旅行に行って。そんな気ままな生活がしたくて派遣社員になったんでしょうに、なんでいまさら騒ぐのかしら」
 そんな言葉を、リベラルな立場にいるはずのある女性から聞いたことがある。
 もちろん彼女は、今の派遣切り問題を説明した結果理解してくれたけれども、そういう人は少なくないと思う。
 派遣が自由の代名詞から不幸の代名詞へと移行していく、そうした時代の変化についていく必要のなかった人々は、善意でことの真実を知らない。
 現実に、現代の深刻な労働問題とは縁のないところにいる人もまた少なくないわけで、その多くは興味さえ持たないだろう。
 が、この問題にあとにも先にも無関係でいられる保証はどこにもない。

 それぞれの時代のトレンディドラマを題材にしての言説は、そうした時代の変化を非常に理解しやすい。
 
 
Posse1
 
◆創刊号
 特集1 派遣労働問題の新段階
  座談会 秋葉原事件に見る若者労働とアイデンティティ
      竹信三恵子 後藤和智 池田一慶
  木下武男 関根秀一郎 生田武志
 特集2 マンガに見る若者の労働と貧困
  渋谷望 宇都宮健児
  道幸哲也 入江公康
 
 

Posse2

◆vol.2
 特集1 『蟹工船』ブームの先へ
  ナショナリズムが答えなのか ~承認と暴力のポリティクス~
  高橋哲哉 萱野稔人
  雨宮処凛 土屋トカチ 楜沢健
 特集2 名ばかり管理職 労働組合
  熊沢誠 棗一郎 須田光照
  本田由紀 足立眞理子
 
 
 バックナンバーは書店注文以外に、以下で入手可能。
 合同出版 電話03-3294-3506
 NPO法人POSSE 電話03-5779-1890
 定価 創刊号・vol.2 850(税込) vol.3 810+税
 

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フジテレビへ・・・

2009年04月18日 | まち歩き
Fujitv01

 某タレントの本の制作を依頼されて、打ち合わせのために番組収録中のフジテレビへ。
 フジ産経グループの総本山である。

 アシのYが猛烈なミーハー精神を発揮して、ついて来るという。
 まあ、テレビ局の見学コースでないディープな場所に侵入する機会は一般人にはそうそうないので、まあよかろうと連れて行くことにした。

 土曜日で我が事務所は休日。スタジオには4時に入ることにしていたけれど、どうせだから見学コースも回ってみようと2時に東京テレポート駅でアシのYと待ち合わせ。
 実は、フジテレビがかつて新宿の河田町にあったころは、局アナにいろいろ仕事を依頼していた関係で、頻繁に出入りしていた。“そういう仕事”をしなくなって疎遠になってから、フジテレビはお台場に移転。
 したがって、パチンコ玉が載ったフジテレビのビルには一度も足を踏み入れたことがなかった。

Fujitv02

 見学コースは、建物の外壁に設置された長大なパイプエスカレーターで7階まで一気に登る。
 さらにエレベーターで25階に位置するパチンコ玉(球体展望台「はちたま」という)まで。
 一人500円の入場券を買ってエレベーターに乗り込む。
 
 静かで早い!
 
 123.45メートルの高さは東京タワーの展望台より低い。何台かのゲーム機が並び、中央のスペースでは何かの番組の準備中。
 あとは、土産物売り場。
 ちなみに土産物売り場は館内いたるところにあって、商魂丸見えである。
 こんなところに昇るのに500円。高度は低いが値段は高い。

Fujitv03

 球体展望台から見たお台場。手前に自由の女神が見える。

Fujitv04

 サザエさんの磯野家。
 オープンセットではなくジオラマ。実によくできている。
 そういえば昔、何度かサザエさんのアフレコはやった。

 さまざまな人気番組のキャラクターが並び、記念写真も撮れる。
 これらはけっこう楽しい。
 ここは無料。
 
               ◆
 
 4時にプロデューサーのK氏と入り口で待ち合わせて、スタジオまで案内してもらう。
 バラエティー番組の収録に立ち会う。
 アシのYは笑いをこらえるのに必死だった。
 素人がタイミングの悪いところで笑い声を出せば、NGだから。
 もっとも、スタッフに加え、数十人の「お客さん」を入れているので、雑談でなければ拍手や笑い声は問題なかったろう。
 スタジオは河田町に比べるとはるかに広く、カメラなど機材は倍以上、スタッフも多い。
 実に段取りよく滞りなく収録は終了。

 収録が終わって、1時間ほど打ち合わせ。
 タレント控え室(楽屋)前で待機している間、テレビで見るタレントたちが通過するたびにアシのYが反応する。
 今はタレントとして活躍する元野球選手のMが目の前を通ったのがいちばん嬉しかったようだ。
 
 ミーハーである。

 目的の打ち合わせは、とりあえず、望むような結果を得て終了。
 
 アシのYは楽しかったようだ。
 しかしこれは遊びではない、仕事である。

 日テレ、TBS、テレ朝、そしてNHKと昨年から何らかの縁があったが、初めてのお台場フジテレビは不景気のさ中でありながらもっとも活気があるように見えた。
 ぼくはフジ産経グループに対しては、いささか同意しかねる姿勢を感じているので、複雑な気持ではある。

 で、誰に会ってきたのかって? それは企業秘密だ。

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ガルシア・マルケス『短編集 落葉』

2009年04月16日 | 本と雑誌
 昨日は六本木はウロウロしたけれども、荻窪の古書店に立ち寄る余裕はなかった。
 置きっぱなしの自転車が気になって、無事を確認したら一目散に帰宅してしまったからだ。
 で、今日、郵便局に行ったついでに、岩森とささまに寄ってみることにした。
 
09galcia
 
 今朝の新聞に、熊井啓監督の細君、明子さんがガルシア・マルケス氏との出会いについて書いていた。
 ある映画祭のパーティーで、「海と毒薬」(遠藤周作原作、熊井啓監督)を見たいと請われ、試写会を開いたそうだ。
 この映画は、アジア太平洋戦争中、九州大学医学部でアメリカ人捕虜を生体解剖した事件を扱っているものすごい作品。
 
 マルケス氏は、しばし沈黙した後、「すごい映画だ。本当にこのような事件が起こったのですか」と問いかけたと言う。

 私は、香りにひかれて『落葉』や『百年の孤独』を読んでいるとお伝えした。すると氏は、
 「それは“文学的な香り”という意味ですか」と真顔で尋ねられた。
 「具体的な花やハーブやさまざまなものの香りがデリケートに表現されていて、すばらしいと思います」と言うと、
 「そう心がけて書いたが、誰も言ってくれませんでした」と笑顔になって言われた。

 
 ガルシア・マルケスの作品は『百年の孤独』と『族長の秋』を読んでいるけれども、『落葉』は読んでいない。
 
 悪いクセで、気になった本は手元に置いておかないと気がすまない(普通だと思うが)。
 そう思いつつ、しかし荻窪の古書店にはないだろうと、あまり期待をせずに、まず岩森書店に。

 「ない。ほうら、やっぱりなかったじゃないか。当たり~」(喜んでどうする)

 つぎはささま書店へ。
 すると、海外文学書の棚に、今まで見たことがないほどの量でラテン文学が並んでいる。
 
 ボルヘス、プイグ、ガルシア=マルケス。
 
 ン! ガルシア=マルケス!?

 『落葉』、あった。525円。安い! ウッソ~!(これは喜んでいい)

 無欲で探すと見つかるのが古書。
 これ、真理である。

 『落葉』は短編集とあって、全部で7編収録。
 ところが208ページの本のうち、表題の「落葉」だけで125ページある。
 川端康成でいえば「雪国」とほぼおなじ、「伊豆の踊子」よりはるかに長い。
 他の6編は10ページ前後で明らかな短編だけれども、「落葉」が短編なら、「雪国」も「伊豆の踊子」も短編ということになる。

 「伊豆の踊子」などは教科書に全文掲載されるくらいだから、まあ、短編かもしれない。

 したがって、『落葉』は短編、…ではない?

 そこで疑問がわいた。
 短編と長篇の境界線はどこだ?

 『広辞苑』によると、「長編小説」という項目に、「取材する世界が広範にわたり、構想も複雑で登場人物も多数に及び、量においても長い小説」とある。

 ということは、・・・・・この世に長編小説なるものは極めて数少ないということだ。
 五味川順平『人間の条件』『戦争と人間』、トルストイ『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』。
 ジョイスの『ユリシーズ』などのようにただ長いだけでは長篇小説とは言わない、ということか。
 最近の日本の小説では、船戸与一『満州国演義』あたりは長編小説ということになるだろう。

 京極夏彦のメモブロックみたいに厚い小説も、「取材する世界が広範」とは言えないし、「登場人物も多数」とはいえない。
 だからって、短編小説ではないだろう、あれは。

 ちなみに、『広辞苑』には「短編」という項目はあったけど、「短編小説」という項目はない。「長編小説」という項目はあるのに、である。
 ということは、もともと「短編小説」なるものは、この世に存在しなかった。
 
 
 あるのは、「長編小説」とそれ以外。
 
 
 長編小説とは、ものすごいステータスなんだということがわかった。
 この世に存在する小説の多くは、どんなに長いものでも「長編小説」ではないのだ。
 
 じゃ、なんなんだ?!
 
 ただ、「小説」ということか。
 これまでひたすら長い小説を書いてきた作家はがっかりするだろうなあ、村上春樹も村上龍も、上下巻にわたる長い小説が「長編小説」ではないと知ったら。

 しかし、『広辞苑』のこの表現、どうよ!
 いささか厳密に過ぎるでしょう、これは。
 
 
 「落葉」は買って帰ってチャチャッと読んでしまおうと思っていたけれど、もう少し時間がかかりそうなので、あとで読むことにした。
 ガルシア=マルケスの小説は、集中して読まないとわけがわからなくなるので、油断ならないのだ。

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六本木・花畑牧場

2009年04月15日 | まち歩き
 午後1時から西麻布で打ち合わせがあって、5時からは五反田で打ち合わせ。
 打ち合わせと打ち合わせの間が中途半端にあいたので、つい、六本木ヒルズに紛れ込んでしまった。

Roppongi_h01

 実は初めて足を踏み入れた。
 ぼくはもともと、なんやらヒルズとかいう気取った施設は大嫌いだ。
 だから、あえて行ってみたいとも思わなかった。
 もちろん、いくら儲かっても、あんなでっかい墓石みたいなビルにオフィスを構えようなんて、絶対あり得ない。
 
  
 
 庶民を見下したような、あの態度はいったい何なんだ!
 
 

 バナナリパブリックもグッチもドッチも興味がない。
 ぼくが庶民の味方だからではなくて、ぼくが庶民だから(あたりまえだ)そう感じるのだ。

 とにかく嫌いなので、ずっと無視し続けてきた。
 なのになぜ、今日は立ち入ってしまったのかというと、中途半端に時間があいたから、やむをえず(理由になってないが)。
 
 
 天気がいいもので、荻窪の駐輪場が満車。時間が間に合わず、駅前に自転車を置いて来たことが急に気になった。
 盗難か強制撤去でなくなっていたら仕方がない。
 六本木にいて気に病んでもどうしようもないのに、気になる……。
 
Roppongi_h02
 
 これ、宇宙人の像か? 何の意味があってこんなところに?
 
 
 
Roppongi_h03

 「今日限りの限定販売です。明日来てももうありません」
 六本木ヒルズのたたずまいに似合わない呼び込みは、あの、花畑牧場。
 数量限定の生キャラメルを、今日だけ売っているという。
 ちなみに、北海道の花畑牧場に花畑はないそうだ。
 
 「今なら5分待ちでお求めになれます」
 「売り切れ次第終了となります。今ならまだございます」
 
 あまり並んでない。
 売れてないんだろう!
 
 4250円、2550円! たかがキャラメル、バッカじゃなかろか。
 
 見ると、1個750円というのがあった。
 それでもばかばかしい値段だけれど、話のタネにと列に並ぶ。
 
 「生ものですので、3時間以上持ち運ぶ場合は保冷剤をおすすめします」
 スーパーバリューと違って保冷剤は無料ではない。
 
 保冷剤を詰めた生キャラメルを持って打ち合わせに出られないので、結局諦めることにした。
 
 「どこでも買える偽物ではありません。本物の生キャラメルはここだけで買えます」
 
 呼び込みの声が追ってくる、まるでタウンセブンの魚耕だ。
 
 
 次の打ち合わせが終わって、帰りがけの電車の中で、打ち合わせに同席した友人のJに生キャラメルを諦めた話をする。
 
 「おいしくないよ」と思いっきり首を振るJ。
 「でも、友達が北海道から来るから、お土産に買って来てもらうよ」
 「いいよ、わざわざ」
 「ROTO6で9万円当てたんだ彼。だから遠慮することないよ」
 ……いや、そういうことじゃなくて。
 
 
 夜8時。自転車は無事だろうか。
 荻窪駅の階段を上がると、我が愛車は昼過ぎに置いてきぼりにされたままの状態で、歩道の隅でひたすら待っていてくれた。
 
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三田村鳶魚・内山完造

2009年04月12日 | 本と雑誌
 ひさしぶりに、駅前の古書店を巡った。
 古書店巡りというのは、ゆとりがあるときでなければ、なかなかできない。
 経済的なゆとりもさることながら(もっとも、ありすぎると余計なものまで買ってしまう)、時間的なゆとり(ありすぎると何時間もかけてしまう)、とくに気持の上でのゆとりが欠かせない。
 しかし、そうしたゆとりが生まれたから出かけたのではなくて、ゆとりのある気分を味わいたかったからだ。

 あれやこれや見て回って、何冊かを手にし帰宅すると、しばしは入手した古書に目を通して入るものの、そこから目を移したとたんに、山積した仕事を目の当たりにして現実に引き戻される。
 片付けなければ家計に影響を及ぼすことはわかっているのだけれど、気持ばかりが焦って、いっこうにはかどらないこの数日、何とかしなければと思いつつどうにもならない。
 そこで、むりやり「ゆとり」なるものを手に入れようと、「書を求め街に出た」。

 結局は、そのうちどうにかなるだろう、と気を取り直し(?)て、今日は仕事はしないことに決めた。

Taishubungei

 三田村鳶魚『大衆文芸評判記』は『時代小説評判記』と対になって沖積舎から平成10年に復刻されたもので、初版は昭和8年。
 復刻版には1冊4800円とべらぼうな定価がつけられていて、売れるはずはない。
 案の定外箱の底にバーゲン本を意味する丸Bのゴム印が押されていた。

 すでに『時代小説評判記』のほうは入手していたが、対になった本はなかなか片方だけ入手することが難しい。古書店で見かけるもののセット売りで、しかもそこそこの値がついている。
 入手したささま書店でも2冊並べられていたので、セット売りかと思ったら、個別に値がつけられていて、しかも800円と安価。
 しかし、これで2冊が揃ったことになって、メデタシメデタシ。

 三田村鳶魚については以前紹介したことがある。
 【三田村鳶魚のこと】
 そこで三田村鳶魚と『時代小説評判記』についてすでに書いた。こちらの『大衆文芸評判記』も結局は時代考証のあら探し。
 槍玉に挙げられるのは、大御所の大佛次郎や中里介山、子母澤寛、それに直木賞でおなじみの直木三十五などなど。
 もういいたい放題である。

 もし、三田村鳶魚が今生きていたら、NHKの大河ドラマなど、真っ先にぼろくそではないだろうか。
 
 
 Kakouroku

 『花甲録』(岩波書店)は内山書店の創始者、内山完造の自伝。
 なんと、店頭の安売りコーナーに315円で売っていた。
 内山完造は1917年に上海で内山書店を設立。1947年に中国国民党政府によって強制帰国命令が出されるまで、魯迅や郭沫若など、多くの文化人と交流があった。
 東京の内山書店に拠点を移してから、「寸暇を惜しんでものを書いて」いたと細君の真野さんは「あとがき」に記している。
 おなじ日中交流に心血を注いできた僕の父親とも交流があったはずで、生前しばしば話題になっていた。
 しかし、内山完造氏が亡くなったのは1959年で、当時中学生だった僕が知りようはずはない。

 父親の東方書店は、その前の極東書店から通して、常に政治の変化にゆさぶられ続け、分裂変遷を繰返して来たが、内山書店は周囲の雑音に影響されることなく、現在にいたっている。

Tainen_tetsudo

 帰り際にBOOK OFFに寄る。
 このところ、棚に大きな変化はなかったのであまり期待していなかったが、ほとんど新品と思える「朝日選書」がごっそり出ていた。
 読まれた形跡まるで無し。万引き本ではなかろうかと、ちょっと心配になる。

 概ね蔵書しているものばかりだったけれど、ジャック・チョーカー『歴史和解と泰緬鉄道』(朝日新聞出版)をみつけて購入。
 著者は泰麺鉄道敷設工事にあたって、強制労働を課せられた英国人捕虜である。
 泰麺鉄道といえば(事実とはだいぶ異なる点が指摘されているが)映画『戦場にかける橋』で知る人も多いと思う。
 この鉄道建設にあたっては、タイ、ビルマ(現ミャンマー)、マラヤ(現マレーシア)の一般住民が狩り出され、多数の犠牲者が出たことも知られている。

 第二次大戦中の戦争犯罪がからむ重大事件でありながら、これまで優れた著作に出合っていなかった。昨年末に出版されたこの本は、知ってはいたが入手しそびれていた。手に取ると、カラーのスケッチ画像を多く収録していて、英国人捕虜から見た捕虜収容所と泰麺鉄道工事のようすが克明にわかる。
 全体像については、清水寥人『小説泰麺鉄道』(毎日新聞社)というのがある。しかし本格的な研究書にはまだ巡り合っていない。

 日本軍が侵攻していったアジア諸国では、泰麺鉄道工事をはじめ、基地建設などに多数の現地住民が強制労働に駆り出されて、膨大な数の犠牲者を出している。
 今回文科省の検定を通過した、自由社版「中学歴史教科書」には「東南アジアにおける日本軍の破竹の進撃も、現地の人々の協力があってこそ可能だった。」などという記述があるようだが、こういうことを「協力」とはいわない。
 正しくは「東南アジアにおける日本軍の進攻は、現地の人々と捕虜たちの多大な犠牲をともなった。」と、すべきであろう。

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フィリップ・ハルスマン『JUMP BOOK』

2009年04月10日 | アート・文化
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フィリップ・ハルスマン(Philippe Halsman)
1906年-1979年
 1906年、ラトビアのリガに生まれる。父は歯科医、母は教師だった。? 15歳の時に父親の古いビューカメラを初めて手にし、その魅力にとりつかれる。家族の写真を撮り続けるうちに、人間の顔が持つ様々な表情に興味を持つようになる。18歳の時、ドイツのドレスデンへ工学を学ぶために留学。数年後、パリへ移り、写真家になることを決意する。モンパルナスにスタジオを構え、1930年代パリに集まっていた芸術家、作家、俳優などのポートレイトを撮り、雑誌「ヴォーグ」、「ヴュ」などに発表する。? 第二次大戦勃発とともにアメリカへ渡り、ポートレイト、広告、雑誌など、幅広い分野で活躍するようになる。雑誌「ライフ」の表紙を100回以上こなし、撮影したアインシュタイン、アデライ・スティーブンソン、ジョン・スタインベックなどの写真は、アメリカの記念切手にまで使用された。(wikipedia)

 この写真集は、つねに書斎の手に届きやすいところにおいてあって、時々ながめてはほくそ笑んでいます。

 1987年頃だったと思います。夜ニューヨークの街をウロウロしていて、一軒の小さな書店を見つけ、そこは写真集専門の書店だったのですが、友人のカメラマンへのお土産にとDAVID BAILEYのヌード写真集を手に取ってながめていました。
 そこに年配の店主が現れ、すすめられたのがこの『JUMP BOOK』。
 なんとまあ、各界の有名人が次から次へと登場して、みんなジャンプしてます。

 ただそれだけなのに、オカシイ。

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 カメラマン自ら、マリリン・モンローとジャンプ。

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 サルバドール・ダリが猫と一緒にジャンプしている有名な写真。

Ph04

 後にモナコ王妃となるグレース・ケリー。

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 ウィンザー公爵夫妻がそろってジャンプ。夫人のジャンプを見つめるウィンザー公爵の目が何とも言えません(左下)。

Ph06

 左から、ジーナ・ロロブリジーダ、マリリン・モンロー、ブルジッド・バルドー。すごい三連発。
 
 この他にも政界、財界、文化人、歌手、俳優がぞろぞろ。

 日本人版はどうだろうと思いましたが、力関係が複雑で、篠山紀信でも無理かも。

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「つくる会」歴史教科書、検定通過

2009年04月10日 | 受験・学校
 内紛で分裂した「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)による自由社版、中学歴史教科書が検定を合格しました。
 「つくる会」の分裂にともない、これまで「つくる会」の教科書を発行してきた扶桑社は、「つくる会」と絶縁状態になり、藤岡信勝会長は扶桑社に対し絶版を勧告していましたが、「一執筆者である藤岡信勝氏にはその権限がない」と発行を継続して来ました。
 今回検定を合格した自由社版は、扶桑社版とほとんど同一内容で、それに加え戦艦大和を巻頭で大きく扱うなど、いっそう戦争の美化が増長されています。

 「つくる会」の分裂は、双方が権益の主導権を争っているもので、子どものことも教育のこともまったく考慮されていません。

 そうした状況の中で作られた自由社版の教科書がどういうものか、また何がどういけないのか、簡単にわかりやすく説明すると以下のようになります。
(歴史教科書の記述は『しんぶん赤旗』を参考にし、【正しい理解】は筆者が加えました)


●韓国併合
 【教科書の記述】
 日本政府は、この先、日本の安全と満州の権益を守るためには、韓国の併合が必要であると考えた。
 
 【正しい理解】
 韓国併合は、異なる民族である朝鮮・韓国の人々を日本人として扱い、氏名を日本風に無理矢理変えさせたり(創氏改名)、日本の天皇を崇拝させるために、日本独自の宗教である国家神道への信仰を強制したりしました。
 日本は満州だけでなく、中国のより広い地域や、蒙古(モンゴル)を侵略するために、朝鮮半島を領有することが大変好都合だったのです。
 
 
●満州事変
 【教科書の記述】
 満州で日本人が受けていた不法行為の被害を解決できない政府の外交方針に不満をつのらせていた国民の中には、関東軍の行動を支持するものが多く……
 
 【正しい理解】
 満州事変は、日本本土の総司令部の意向を無視して謀略を重ねた関東軍によって引き起こされたものです。
 関東軍は日本が満州(現・中国東北地方)の豊富な資源(鉄・石炭)を確保するために占領を維持することを目的に送り込んだ日本陸軍です。
 当時中国は、国民党(蒋介石・張学良)と共産党(毛沢東)の間で内戦が起きていましたが、日本の侵略に対してはともに激しく抵抗していました。
 「不法行為」というならば、それは日本側に対していわれることで、中国のそれはレジスタンスです。
 
 
●南京事件
 【教科書の記述】
 ……日本軍によって、中国の軍民に多数の死傷者が出た(南京事件)。なお、この事件の犠牲者数などの実態については資料の上で疑問点が出され、今日でも研究が続いている。
 
 【正しい理解】
 南京事件の犠牲者の多くは、一般住民です。南京を占領した日本軍が、虐殺、暴行、掠奪を行なった事実は、日中両国の当事者による証言や記録だけでなく、東京裁判で絞首刑の判決を受けた総司令官の松井石根も、南京事件を周知していた事実を獄中日記に残しています。
 したがって、一部の歴史改竄派が「南京事件はなかった」とするのは、まったくの誤りです。
 犠牲者数については、敗戦時における証拠書類の隠滅などで正確な数字が分かり難くなっています。中国側の主張する30万人という数字は、研究者の間でもいささか多すぎるといわれていますが、状況から約15万(秦郁彦)から約20万(笠原十九司)が有力となっています。
 いずれにしろ、大虐殺であることに変わりありません。
 

●大東亜戦争
 【教科書の記述】
 日本は米英に宣戦布告し、この戦争は「自存自衛」のための戦争であると宣言した。日本政府は、この戦争を「大東亜戦争」と命名した。
 日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの人々に独立への夢と勇気を育てた。東南アジアにおける日本軍の破竹の進撃も、現地の人々の協力があってこそ可能だった。
 日本の南方進出は、「アジアの解放」という名目をかかげながらも、自国のための資源の獲得を目的としたものだったが、のちに日本が敗戦で撤退したあと、これらの植民地は、ほぽ十数年の間に次々と自力で独立国となった。
 
 【正しい理解】
 「大東亜戦争」という名称は、日本がアジアをすべて支配し、「大東亜共栄圏」を作るという、侵略行為を正当化した名称で、現在使うべき言葉ではありません。
 国際連盟を脱退してまで中国侵略をすすめる日本に対し、米英は経済制裁を行ないます。とくにアメリカからの石油が停止されたことは日本にとって致命的ともいえる措置でした。
 そこで日本は、東南アジアの国々を占領することで石油を確保し、そのうえで、米英との戦争をはじめました。言ってみれば「逆切れ」です。
 占領された東南アジアの人々が心から協力するはずはなく、逆らえば殺されるから止むなく従ったことにほかなりません。事実、東南アジアでは基地建設や鉄道の敷設に現地住民が日本軍によって強制的に狩り出され、多大な犠牲者を出しています(泰緬鉄道)。
 日本の敗戦後、東南アジア各国が次々に独立したのは、それぞれの国民による努力の結果であって、日本軍が独立に関与した事実はありません。

 
●GHQの思想政策
 【教科書の記述】
 GHQは……戦争をおこした日本は悪い国家で、連合国が正義である、とマスメディアを通じて宣伝した。こうした宣伝は、東京裁判と並んで、戦後の日本人の自国に対する見方にさまざまな影響を与えた。
 
 【教科書の記述】
 GHQは、軍国主義教育に侵された日本国民にラジオをはじめとしたマスメディアを使って、民主主義を宣伝しました。そのなかで、他国を侵略するような行為が誤りであることも伝えられました。
 軍国主義が、これからの国のあり方として間違いであることを伝えたのです。
 東京裁判(極東国際軍事裁判)は、勝者の裁判であって公平でないという意見もあり、事実そうした意味ではいささか乱暴であったことは否めません。しかし、東京裁判によって、それまで報道管制で知らされていなかった日本の戦争犯罪が国民に広く知らされ、軍国主義日本の実態が明らかにされたのです。
 そして、東京裁判は、後の戦争裁判を発展させるモデルとなりました。
 戦争中の日本は、実際「悪い国家」でした。国体(天皇を中心とした国家体制)さえ守ることができたなら、国民の命など鴻毛(こうもう=鳥の羽)より軽いといわれ、人々の命がないがしろにされていたのです。
 つまりアジア太平洋戦争中の日本は、天皇と一部の支配者の保身に終始していたといえます。
 けっしてアジア太平洋戦争を正当化したり美化したりせず、過去の清算と反省のもとに、平和で豊かな国家を作ることが、これからの日本の正しい道ではないでしょうか。
 
 
 アジア太平洋戦争を正当化するような内容の教科書の検定を合格にした文部科学省は、その責任の重大さを重々認識しなければなりません。

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長嶋有『ねたあとに』

2009年04月09日 | 本と雑誌
Netaatoni

 ねたあとに
 長嶋 有 著
 朝日新聞出版 発行

 作者の長嶋有は、2007年、『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞受賞した新鋭作家。
 この『ねたあとに』というヘンなタイトルの小説は朝日新聞の夕刊に7年11月から2008年7月まで連載したものの単行本化です。

 コモローという風変わりな作家の山荘に、さらに風変わりな、古道具屋、デザイナー、ミュージシャン、言語学者などなどが集まって、そこで編み出されたおかしな遊びをしながら時間をつぶしていく、物語(?)……なんだろうかこれは。

 内容をあまり詳細に書いてしまうとネタばれになってしまうけれど、麻雀牌を使った「ケイバ」、紙とサイコロで人格を作っていく「顔」。家の中の虫だけをコレクションする「ムシバム」。「それはなんでしょう」「軍人将棋」「ダジャレしりとり」……。
 今度機会があったらやってみようかな、と思ってしまうタノシソーな遊びが盛りだくさん。
 とくに、「それはなんでしょう」はやってみたい!

 来訪者たちは、山荘を訪れたとたんに、すでに存在するルールのもと、さまざまな遊びに巻き込まれていきます。
 ヘンな連中ばかり集まっているわりには、人間関係のいざこざもたいした葛藤もない。
 だからなんなんだと言われてしまえばそれまでですが、それでいてつい引き込まれてしまうヘンな小説です。

 『ねたあとに』というヘンなタイトルの意味は、べつに(だれかが想像するような)ヘンなことではないのです、残念ながら。
 自分が寝たあとでものすごく面白い出来事があって、明くる朝にみんながその話題で盛り上がっているところに、自分が参加できなかったら悔しいし寂しい、

 だから寝ない!

 という意味。
 (あ、やっぱりヘンか)

 しかしこの大江賞作家、ものすごい悪文です。まるでケイタイ小説みたいにセンテンスが短い。
 『博士の愛した数式』の博士の背広にピンで止めてある覚書みたいに、思いついたことをメモに取っておいて、それを並べかえたような文章です。
 突然ぶっつり体言止め。
 本来つながるべきセンテンスの隙間に、別の短い文が割り込んでくる。
 こんなのありか?!

 そんな悪文に取り憑かれたように引き込まれてしまうから怖い。(気をつけよう)
 大江健三郎氏は、そんな悪文小説に果たして何を見出したのでしょうかね。
 というか、大江氏自身がどちらかといえば悪文作家の部類に入るでしょうから(失礼)、そういうところは審査対象にならないのかもしれません。
 (大江氏の小説は、英訳の方が理解しやすいとか)

 読みながら「こんな文章は書いてはいけないんじゃないか」と、ついぼくは思ってしまうんですが、……うん、ぼくはやっぱりこういう文章は書けないなあ、ブログ以外では。
 (やっぱり、イケナインジャナイカと思ってしまう)
 
 
 
 
 でも、おもしろい、だからヤバイ。
 
 
 
 真夏に炬燵。  ???
 
 
     沖ノ鳥島も東京都………


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時間差満開

2009年04月08日 | 日記・エッセイ・コラム
09sakura1

 わが家の真ん前には大きな山桜があります。そしてその先にソメイヨシノが2本、八重桜が1本。
 これらがいっせいに満開になると壮観です。
 昨年はほぼ同時期にこれらが満開になって、いっせいに散りはじめた時にはみごとな花筵ができました。
 リンク【去年の花筵】

 ところが、今年は開花宣言があってから1週刊ほど寒波が押し寄せて、タイミングがすっかりずれてしまいました。
 今日現在、ソメイヨシノは満開なのに山桜はすでに葉桜になりかけています。
 上の写真の右が現在満開のソメイヨシノ。昨年より1週間遅れています。

09sakura2

 花の時期が長くなったと思えば、それはそれでOKですが、やっぱり桜はいっせいに咲くのがいいですね。
 ずれこんで時間差になったおかげで、子どもたちが新学期で登校するときは、何年ぶりかで桜の下をくぐれたようです。

 7日は公立高校の入学式で、63年前は戦艦大和を含む日本海上救援部隊壊滅の日。
 沖縄では地上戦が激化。
 
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『けーし風』第62号

2009年04月07日 | 本と雑誌
Keeshikaji

 今日、『けーし風』最新号が送られて来ました。
 1月の初めに定期購読を申し込んでいましたが、1月発行の前号は待てど暮らせど送られて来ず。
 再三催促をすると、「明日発送する」「もう送った」という返事はするものの、まるでそば屋の出前。
 結局、購読申し込みから1カ月半以上過ぎて、ようやく前号が送られて来ました。
 それまで新宿の模索舍にも配本されておらず、書店売りからして遅れていたとのことで、早目に入手したのは定期購読者だけ。
 問合せにきちんと説明すれば納得するものを、担当者が寡黙なのか要領を得ません。
 一時は不信感さえ持ちかけましたが、62号は順調(?)に送られて来て、やっと仲間に入れた感じです。
 もっとも、今日送られて来た最新号は、本来なら3月中に発行の予定ですから、やっぱり遅れてはいます。

 さて、この号は、大きな特集が2本立てで、「編集業務に苦心している」ようには思えない充実した内容です。
 特集1は「オバマ政権と沖縄」。
 ブッシュから政権を引き継いだオバマが米軍再編とグアム移転など、山積する沖縄問題をどう扱うのかについて、梅林宏道氏の講演記録と、新崎盛暉・梅林宏道両氏の対談でわかりやすく解説しています。
 
 特集2は「ガザが世界に問いかけているもの」。
 沖縄の視点から見ると、パレスチナはどう見えているのか、興味深いものがあります。

 内容が濃いので、さっと読み流すわけにはいかないので、丹念に目を通していこうと思っています。
 その上で、何らかの意見を持って「読者の集い」に参加しようと思いますが……さて。

 巻末にブログ友達のSさんが前回の集いの報告を書いていて、その内容からかなりディープな会話が交わされる集いのようで、いささか気後れしています。
 しかし、この数ヶ月で、アレン・ネルソンさんの死、千葉県では森田健作タレント知事の誕生、北朝鮮のロケット打ち上げなど、状勢は実に激しく変化していますから、それについてどのような話に発展していくのか楽しみなところではあります。

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「てっぱく」

2009年04月05日 | まち歩き
 春休み最後の休日ということで、下の子を連れて大宮の「鉄道博物館」に行ってきました。
 略して「鉄博」、通称「てっぱく」というのだそうです。

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 大宮駅から鉄道博物館駅まではニューシャトルでひと駅。
 遊園地風の小さな電車です。
 しかし、たったひと駅乗車時間3分で180円は高い!
 鉄道博物館駅までは無料にしていいと思う。だって、シャトルバスというのは、たいてい無料。

 「シャトルってなに?」
 「宇宙に行くとき乗るの」
 「それはスペースシャトル」

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 トンネルを抜けるとてっぱくだった。

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 通路の床は時刻表。

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 てっぱくの入り口は、まるで駅のエントランス。
 入り口は自動改札で、入場券も中での食事も買い物も、すべてSuicaでオッケー。

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 「まずどこいく?」
 「当然シミュレーション」
 「当然かよ」
 「うん」
 第一目標は電車の運転シミュレーション。
 秋葉原にあったときよりも台数が増えていましたが、それでも30分待ち。
 SLの運転シミュレーションもあって、こちらは有料で予約制。しかも中学生以上ということで、小学校6年のうちの子は不適格でザンネン。

 それにしても、いつの間に覚えたのかかなり上手。
 他の体験者がオーバーランしたりかなり手前で止まっているのに、ほとんど定位置にとめられました。

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 ぼくにとっては懐かしい、昭和20年代に走っていた国鉄中央線の電車。
 木造で、床も木張り。中央にポールが立っていて、これで遊んでは叱られました。
 網棚には本当に糸で編んだ網が張ってあってありました。最近の電車は網ではありませんが、これが語源。
 つり革が長いので、電車が大きく揺れると網棚の枠に当たって、ガッキンガッキン。

 最近のスマートな電車はきれいで清潔感がありますが、この頃の電車には情緒と温もりがありました。

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 この車両は、日本最初の電車の車両を復元したものだそうで、座席は堅い木製。なので、座布団を敷いてありますがこれは有料のレンタル、貸し座布団です。
 当時の車両は、1等車から3等車まであって、庶民は3等車。
 今の飛行機でいえば1等車がファーストクラス、2等車がビジネスクラス、3等車がエコノミークラスということになるでしょうか。
 英語で「THIRD CLASS」と書かれているのは3等を意味しているのでしょうけれど、「下等」という表現はいかがなものかと。
 きっと、「上等」「中等」「下等」だったんでしょうね。
 下等には乗りたくないなあ。

 屋根の上の人は室内灯のランプを整備しているところ(人形です)。

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 小学生の頃は、当時の少年のほとんどがそうであったように、鉄道大好きでした。
 しかし、カッコいい車両よりも、レールの切り替えポイントや架線、パンタグラフなど、周辺機器が好きでした。
 なかでも連結器が異常なほど好きで、しかしそれは近くで見ることは通常できませんから、父親にせびって何度も秋葉原の交通博物館に出かけました。
 デゴイチや当時庭を走っていた弁慶号は後回しで、最初に見たいのは切り替えポイントや連結器の構造。
 いま思えばヘンな子ですよね。

 今でもその傾向はあるようで、荻窪駅の引き込み線のポイントが、ブリッジ式であることを発見したときは嬉しかった。しかし、いまだに使っているところは見られません。

 上の写真は、もっとも古い型の連結器で、太い鎖で繋いでいます。
 今の電車の重量とスピードではとても耐えられません。
 連結器の両側にある円盤状のものは、ショックアブソーバーです。

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 頑丈な鉄の腕がガッチリ握手しているような、この型の連結器が一番好きです。
 お互いが力を合わせて助け合っている感じがするからです。
 「アライアンス連結器」といいます。

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 その後見られるようになった新型の連結器が、このようなとんがり方式。
 握手形に比べてスマートですが、ナイフで刺し違えているようで、あまり好きではありません。
 「密着式連結器」といいます。

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 これは新幹線の連結器。
 デザイン的には美しくなっていますが、これもやっぱり刺し違いの密着式。
 どうやら今ではこれが主流のようです。
 
 
 「てっぱく」は見るところはたくさんあって、1日楽につぶせます。
 しかし、とにかく無駄に広い。
 だから疲れます。
 それに、秋葉原にあったものを全部持って来たわけではなく、航空機や船舶など、国鉄=JRに直接関係ない展示物はすべて排除されていました。
 クラシックカーも旅客機もありません。
 スバル360も陸王もなし。
 甲板のプールサイドにトップレスのお姉さんが立っていた、豪華客船の模型がなくなったのは残念。

 だだっ広いスペースに、鉄道関係のみ。
 まあ、鉄道博物館ですから。
 秋葉原も最初は「鉄道博物館」といっていましたが、交通関係全般を展示するようになって「交通博物館」と名称を変えたいきさつがあります。

 子どもはもちろん楽しめますが、鉄男鉄子もたくさん来ていました。
 
 
 
      ◆◆◆
 
 この日、北朝鮮のロケットが発射されたと騒いでいましたが、なんのことはない、飛び越えていったようです。
 それでも文句を言いたい人はいるようですね。

 日本以外はアメリカを含め、「あれは宇宙への運搬手段」。
 アメリカやハワイへの驚異ではないと声明。
 成功か失敗か判断の違いはありますが、日本だけが「あれはミサイルだ、挑発行為だ」と騒ぐ奇々怪々。
 あんなもので挑発される方が幼稚では。

 アメリカのスペースシャトル。日本だって人工衛星を打ち上げています。 
 ロシアも中国もスランスも。

 核開発につながるからと、核を持つ国がいう、本末転倒。

 経済制裁しろと、心情的、思想的に朝鮮・韓国が嫌いな人がいう、荒唐無稽。
 しかし、中国やロシアには経済制裁なんて口が裂けてもいえない、金儲け至上主義の日本、アメリカの支離滅裂、自己矛盾。

 お互いが手を差し伸べあえば解決するものを、何が何でも「自分は正しい相手が悪い」という、唯我独尊、夜郎自大。
 無限の宇宙の中のちっぽけな地球で、なんでもっと仲良くできないものか。

 小異を残して大同に従う。
 これぞ真理。

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