ひまわり博士のウンチク

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アジア記者クラブ10月定例会

2013年10月24日 | ニュース
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 アジア記者クラブ10月定例は山下幸夫弁護士による「民主主義社会を破壊する秘密保護法」。その危険性について詳細にうかがった。
 
 この法案は、次の臨時国会に提出され、ほぼ成立する見込みだ。
 ところが、この法案の危険性については国民のほとんどが気付いていない、それどころか、今何が行われているかさえ知らない人がほとんどだ。
 それは、大手マスコミが正しく報道していないからである。
 
 戦前の日本には治安維持法という悪法があった。大正時代にできた法律で、国家転覆を謀ろうとする人間を取り締まるのが目的だったが、後に改定され戦争遂行が主目的になった。この法律のため、戦争に反対したり、そうでなくても疑わしいとみられた人々がたくさんとらえられ拷問を受けたり殺害された。
 秘密保護法も、目的と使い方によっては第二の治安維持法になりかねない。
 法案に慎重であった公明党も、条文に「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものである」が加えられたことで譲歩した。
 しかし、「著しく不当な方法」とはどのような基準を持ってだれが判断するのか明確でない。国家権力は、かつて西山太吉記者が公務員でもないのに「国家公務員法違反」で実刑を受けたように、どんな方法を持ってしても罰することができる。さらに、組織に所属しないフリージャーナリストの立場も不透明である。
 
 なによりも、国民の知る権利を阻害する憲法違反の可能性が高い。成立後は憲法違反で裁判に持ち込むしかないと思うが、最高裁判事のほとんどが政府の言いなりであるからそれも難しい。国民全体がこの法律の危険性をしっかりと把握して声を上げるしかないだろう。
 
 日頃から調査活動を行っていたり研究している一般市民のもとに、突然警察が逮捕状を持って訪れるかもしれない。日本版の「茶色の朝」になりかねないのだ。
 
 講演の詳細は『アジア記者クラブ通信』の12月号に掲載される予定。
 雑誌『世界』11月号でもこの法案の危険性について扱っている。
 
 通信は月刊で1部500円、年会費5000円で会員になると通信12か月分に加え、定例会への参加費が通常1500円のところ1000円に割引される。
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宇田智子『那覇の市場で古本屋』

2013年10月15日 | 本と雑誌
Urara
 
 著者は那覇市の第一牧志公設市場の前で小さな古本屋を営んでいる若い女性である。
 大学を卒業してジュンク堂に就職し、ジュンク堂那覇店ができるというので、自ら赴任を申し出て沖縄に移り住んでしまった。そればかりか、とくに理由のない思い付きから、市場通りで古本屋を開業してしまったのだ。
 この近辺には何軒か古本屋があって、沖縄に行けばたいてい立ち寄っている。しかし、市場の真ん前で若い女性が古本屋を開いていれば絶対に目立つはずなのに記憶がない。もちろん店は覗いているのだろうけれど、もしかしたら、興味を引く本がなかったのかもしれないが。不覚である。
 もっとも、沖縄で古本を買うのには躊躇がある。戦後の沖縄の写真を集めた大きな本があって、定価で2万円ほど、古書でも安くて8000円はするのに、やはり市場近くの古本屋で3000円で出ていたことがある。よっぽど買おうと思ったのだけれど、手荷物が多くて持って帰れない。高い配送料を払ったのでは元も子もない。結局断念したことがある。
 彼女の書店「ウララ」は以前からあったごく小さな古書店を引き継いで始まった。間口75センチ、奥行き180センチで、二人以上のお客さんは入れない。2年後に隣のスペースも借りて、さらにいろいろ工夫して三坪ほどになった。それでもせまい。
 彼女の人柄だろうか、店作りから品揃えまで様々な人々の支援をえて、やがてマスコミに取り上げられるまでになった。
 この本も、『朝日新聞』に紹介されたのがきっかけだ。以前にも言ったが、この本の発行元のボーダーインクは地方小出版流通センターの扱いで、大手出版社でなければ扱っていない。Amazonでは端から取り扱っていなかった。以前おなじく地方小扱いの沖縄タイムスの本を八重洲ブックセンターの荻窪店を通じて入手したことがあったので、またそうしようかとも思っていたが、楽天ブックスが「取り寄せ」ではあるが扱っていた。ポイントもたまっていることだしと、注文して気長に待っていると一週間ほどで届いた。2刷になっていた。ちょっと残念。
 ところが、入手してからあらためてAmazonを見ると、扱っているじゃないか。評判を聞いて直接取り寄せたのか、だったら最初からなんとかしろと言いたい。
 
 面白い本である。
 彼女は本が相当好きなだけでなく、書くことも大好きなようだ。適度のユーモアがあり、何よりも情景描写が巧みだ。余計なことは書かず、それなのに読み手に適確に伝わってくる。読み始めて編集のうまさにも感心していたら、後半は雑になった。まあ、それが沖縄である。
 古書店を開きたいと言ったら、東京の出版社の営業マンから、「沖縄では本が売れない」と言われていたのに、沖縄には出版社も古書店も多いことに驚かされる。事実、東京で発行された沖縄の本は総じて売れない。出版界にもヤマトとウチナーの壁は存在するのだ。
 
 市場通りは観光客が多い。小さな店が連なる商店街で、「ちょっと見てってよ」と声をかけられなくなったらウチナンチュとして認められたことになるらしい。
 
 「見て、本屋だよ。本って一冊家にあるだけでおしゃれに見えるよね!」
 若い女性が言い放つ。一冊じゃ逆に格好わるくない? と思いつつ、細長い足とヒールを見送る。
 「なんで女の子がひとりで座ってるの?」
 父親に手を引かれた小さな男の子が私を指さしたときは、キュンとした。
「本を売っているんだよ」
 と教えてあげたかったのに、そのまま行ってしまった。

 
 店の看板の文字に間違いがあると言う。出来上がってから気付いてそのままにしてあるが、だれからも指摘されたことはないそうだ。
 すぐにわかったけれど、たしかに言われなければ見過ごす。

Urara2
 
 ときにプッと吹き出したり、なるほどと思わせられたり、沖縄で商売をやっていなければわからないことに少しだけ触れることができた。たぶん山あり谷ありで苦労も多かったのだろうけれど、彼女のこの本からはそれが見えなかった。いい意味で明るい。今度沖縄に行ったときは必ず立ち寄って声をかけよう。
 
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花田英三『詩集 坊主』

2013年10月14日 | 本と雑誌
Bohzu
 
 入手したばかりの『那覇の市場で古本屋』(宇田智子 ボーダーインク)を読んでいたら、ヘンな詩が引用されていた。
 
 おじいちゃんのからだには
 もう春が来ないのね
 いいね
 好きよ
 
 花田英三という東京出身、那覇市在住の詩人で、1929年生まれ。知らなかった。
 もう一つ、こんなのも引用されていた。
 
 おめおめと生きる愉しさ
 又うんこが一つ
 
 稲垣足穂の「一千一秒物語」や内田百閒の「鶴」、最近では川上弘美なんかの非現実的な文章が好きなものだから、腹を空かせたダボハゼのごとくこれに食らいついた。
 しかし発行元のボーダーインクは地方小出版流通センター(通称:地方小)の扱いで、大手書店でなければ取り扱っていないし、ほとんどが取り寄せである。しかも入荷まで、1週間から10日かかる。
 Amazonでは端から地方小は取り扱っておらず、楽天ブックスは取り扱っているものの、この本はなぜか不扱いだった。
 荻窪の八重洲ブックセンターに注文しておこうかと思いながら、日本の古本屋サイトを見たら、隣駅の西荻の古本屋が半額で出していた。早速電話してチャリを走らせた。
 
 「坊主」とは冒頭の詩のタイトルである。表紙のデザインが花札の坊主をあしらっているが、詩の「坊主」は僧侶の方だ。
 なるほど。
 深読みしたくなるし、想像をかき立てられる言葉の連続だ。
 おもしろい。
 他の詩集も読んでみたいところだが、果たしてどれだけ入手できることやら。
 
 もう一杯
 
 又もう一杯
 
 空が白んでくるころ
 すっかり酩酊して
 よろよろと寝床へ
 寝床には女が眠っていなければならない
 
 酒は尾州のおにころし
 
 奥付を見ると、コード番号の上に紙が張られていて訂正してある。何を間違えたのかと透かしてみたら、文字化けしていたのだ。
 おいおい、校正で気付かなかったのかい、と突っ込みを入れたくなった。沖縄の出版社の面目躍如か。
 しかし、造本は凝っているものの、A5判変形72ページで定価2000円(税別)は高いなあ。たぶん発行部数が少なかったのだろう。
 
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『アジア記者クラブ通信』255号

2013年10月13日 | ニュース
Apc255
 
 アジア記者クラブは、大手マスメディアが(たぶん)反響の大きさを恐れて取り上げなかった重要なニュースを10年以上配信し続けている。

 年間5000円の会費で毎月の定例会と通信の発行をMさん一人でやっている。現在の会員数は約300人ほど。おもに研究者やジャーナリストだが、一般の会社員や学生もいる。会費だけでは当然赤字で、つまり、経費も人出も足りない。足りない分は、寄付金に頼っているのが現状だ。
 通信が発行されるときは、編集・印刷から丁合して発送するまでボランティアを募って行うのだが、今回はボランティアが集まらないとのことで、土曜日ということもあり手伝いに行った。
 朝10時からはじめて発送が終ったのが夜8時、結構な重労働だった。
 この日は、それでも自分を含めて三人のボランティアがいて、なんとか1日で終ったが、Mさん一人で数日かけて行うこともあるそうだ。そんなときはたいてい発行が遅れる。
 
 本号でとくに、2つのニュースに注目したい。一つはアメリカのジャーナリスト、マイク・ホイットニーによる「『新自由主義と多国籍企業に奉仕する詐欺的政策だ』アベノミクスの正体」であり、もうひとつは同じく米国のジャーナリスト、ピーター・シモンズの「経済危機に喘ぐ米国、日本への軍事依存を加速 初の『2+2』東京会合」である。
 前者は「総じて言えば、アベノミクスは口から出まかせの宣伝文句で塗り固めたいかさま、詐欺といえる政策だ。この政策は日本経済を力強く、持続的に回復させようとする試みではない」と、いきなり爆弾を投じた。アベノミクスに全面賛成の大手マスコミが、こんな記事を取り上げるはずがない。しかし、日本人が諸手を上げて迎えた経済政策には、とんでもないウラがあったのだ。
 まず、アベノミクスは日本の経済を活性化させることが主目的ではなく「米国のためであり、投機のための詐術である」とすっぱぬく。株価のバブルを引き起こすだけで、実体経済は不変であり、結果、経済格差をいっそう大きくする。「頭のいかれた右翼の安倍晋三首相」は実体経済について関心を抱いていない。だから消費をさらに意減少させる消費税増税に踏み切ろうとしている(9月25日現在)、と述べる。
 
 後者は、これまでワシントンで開かれてきた日米「2+2」会合が初めて東京で開かれたことの意味と内容についてである。
 ここでは、日米同盟の一層の強化のもと、中国に対する米国の軍事力構築を協力に進めることが決められた。今アメリカは未曾有の経済危機の中にある。オバマ政権にとっては最大のピンチを迎えているといっていい。ここにきて、アメリカにとっては都合がいいことに今の日本は安倍晋三率いる右派政権である。中国や北朝鮮を敵視させることで防衛費を増やさせることはアメリカにとって、軍需産業を活性化させるとともに、アジアの同盟国との絆を深める一挙両得になる。
 
 通信は月刊で1部500円、年会費5000円で会員になると通信12か月分に加え、定例会への参加費が通常1500円のところ1000円に割引される。
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 10月の定例会は弁護士の山下幸夫さんの講演で「民主主義社会を破壊する秘密保護法」。
 10月23日水曜日、午後6時45分、お茶の水明治大学リバティータワー12階(1125教室)。
 会員以外でも参加可能(1500円)。

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2014年版「憲法9条カレンダー」

2013年10月10日 | 本と雑誌
1
 
 前回は6年前だった。久しぶりに『全国お郷ことば・憲法9条』から方言訳が引用されている。
 先月発売されていて、どうしたのだろうかと思っていたら、今朝、宅急便で送られてきた。
 9条カレンダーは毎回岩合光昭さんのいぬ猫写真とともに憲法九条の条文が載せられているが、この5年間はオリジナルの条文だけだった。
 安倍政権になって憲法が危うくなってきたので、発行元の労働教育センターは力が入ったのだろう。
 
 2
 
 5月はウチナーグチ。こんな感じで入っている。
 6年前はたちまち完売だった。たぶんすぐにまた売り切れるだろう。


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松島泰勝さん講演会

2013年10月03日 | アート・文化
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 1日(火)、お茶の水明治大学リバティタワーに松島泰勝さんの「琉球独立論」を聞きに行く。
 松島さんは龍谷大学教授で経済学が専門である。
 沖縄とは、いわゆる本島、つまり沖縄島を指す言葉であって、琉球と呼ぶのがふさわしいという。たしかに、国名としては「琉球」だ。
 
 基地からの収入よりも観光収入の方が遥かに多いこと、基地交付金は固定資産税収入の半分にも満たない、したがって、基地のすべてが返還されれば、税収入は倍増するとも。
 日米地位協定は日本国憲法の上にある。だから、日本の支配から解かれなければ基地はなくならない。

 右翼は、基地のない沖縄はたちまち中国や北朝鮮などの共産主義国に侵略されるなどとばかなことを言うが、国際的に非難を浴びるばかりか孤立を深めることになる。そんなリスクを冒してまで小さな琉球を侵略するわけがない。

 いつどのように実現するかはともかく、なかなか面白かった。詳しくは『アジア記者クラブ通信』の11月号に掲載される。
 
 琉球独立には大賛成である。そうなったら、琉球共和国に帰化しようか。

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