「吉見義明さんという方はご存知ですか?」
「は? よし……」
「吉見義明さん。たくさん本を出している方です」
「吉見義明さん? 知りません」
「本をお読みになったことは」
「わたし、他人の書いた本は読まないんです」
信じられないかもしれないが、日本会議の代表委員を務める加瀬英明氏の発言である。
この日いちばんの失笑が、客席に広がった。
他人の書いた本は読まないって、要するに本は読まないってことだ。どこから情報を仕入れているんだか?
映画『主戦場』は従軍慰安婦問題をテーマに、否定派と肯定派双方の話をインタビュー形式で収録したものである。
そう言うとさぞかし退屈な映画かと思われてしまいそうだが、本編122分があっという間に過ぎてしまった。
「もうすぐ中国はソ連のように解体しますから。そうしたら韓国は日本と友好関係をつくるしかない」
「中国も韓国も科学技術が遅れていますから、日本の技術に頼るしかないんです」
などという、自民党杉田水脈らのトンデモ発言もある。
中華人民共和国とソヴィエト連邦とは国家のシステムがまったく違う。ソ連のように解体するなどありえない。何をかいわんやである。
科学技術に至っては、中国も韓国も日本にひけをとらないどころか、すでに日本はさまざまな部分で追い抜かれている。
中国も韓国も日本の科学技術に頼る必要などないのだ。
まったく、いつの時代の話をしているのやら。
まだ観ていない人にネタバレになってしまうのでこれ以上詳しくは書かないが、この映画、従軍慰安婦否定派・歴史改竄派たちのトンデモ発言が満載である。
彼らの暴言を、吉見義明・林博史.中野晃一さんらがひとつひとつ反論していく。
総じて、右派論客は研究不足、認識不足であることが結論付けられる。
小さな映画館イメージフォーラムの100席は満席で、友人から「込んでるから早く行った方がいい」と言われてまさかと思っていたが、たいした入りだ。
この手の映画で満席は珍しい。従軍慰安婦に興味を持っている人がけっこういるものだ。
一言注文を付ければ、パンフレットの出来がよくない。それぞれの発言内容についてもう少し詳しくまとめて欲しかった。
スタッフ・キャストもエンドロールのすべてが記載されている方がいい。
そのエンドロールに友人の名前があった。
「あ、かおりちゃんだ!」
カミさんが声をあげた。MEの和太鼓の音に聞き覚えがあって、もしかしたらと思っていたのだが、エンドロールにKAORI ASANO Gocooとあった。
和太鼓の名手浅野香君は数十年来の旧友である。
それにしても、これほどたくさんの知った顔が登場する映画は珍しい。
『主戦場』、全日本人に見て欲しい映画である。
(2018年アメリカ 渋谷イメージフォーラムにて上映中)
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