ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

三丁目の夕日’64/ROBO-G

2012年01月30日 | 映画
 日曜日は久しぶりに家族で映画のはしごをした。
 子どもたちが大きくなると、なかなか意見が合わずスケジュールも調整が難しくなる。行けるときに行っておかないとたいてい見逃すし、一人で行けばなんで連れて行かないと恨まれる。
 『ALWAYS 三丁目の夕日’64』と『ROBO-G』の娯楽映画2本。前日から長女がネットで新宿ピカデリーを予約していた。
 「チケット代どうした?」
 「もう払ったよ」
 「お、偉いぞ」
 「ママのカード」
 「オイ!」
 いささか宣伝にのせられた感の否めない2本だけれど、共に満席で予約は正解だった。
 
Sanchome1 
 『ALWAYS 三丁目の夕日’64』は長女が劇団にいたときの仲間が出演している関係で、第一作からずっと観に行っている。
 時代は1964年、高度経済成長真っ盛り、第一作のときには工事中だった東京タワーは完成し、東海道新幹線が走り巷は東京オリンピックで沸き立つ。家庭の三種の神器はクーラー、自家用車、そしてカラーテレビ。東京オリンピックを目前に、鈴木モータースにもカラーテレビがやってくる。
 売れない作家、茶川竜之介(吉岡秀隆)の家はヒロミ(小雪)が臨月間近。
 
 竜之介は、唯一の仕事である少年誌の連載小説を、新人作家に人気を奪われて打ち切りの危機にさらされている。
 その新人作家が、なんと!

Sanchome2
 
 そして、六子(堀北真希)には恋人ができ、周囲のおせっかいですったもんだの末、結婚。
 茶川家の養子古行淳之介(須賀健太)も夢を叶えるために新しい環境を求めて家を出る。
 ずいぶん設定が変わっていくが、それが次回作への布石に見えるのは考え過ぎか。
 
 この時代、今思えばみんながのんきだった。原水爆実験や安保闘争などで騒がしいところはあったけれども、金がなくても何とかなったし、なんと言っても近所付き合いがあった。コンビニなどない時代なので、みそ・醤油を貸し借りしていたものだった。カラーテレビがある家に子どもたちがに集まり、それが町内の団結を生んだ。
 
 時代考証は実に厳密だ。町並みなどの大きな部分は当然のこと、テレビの段ボールにまで気を配っている。銀座の並木や、山間部を走る急行列車を当時を再現して走らせているのはすごい。もちろんCGだが、たいした技術だと思う。映画の世界なら何でもできてしまいそうだ。
 この映画は3D版がある。見たのは通常版だが3Dで見ると、街に入り込んだような感覚になるという。
 
          ◆
 
 『ROBO-G』は、わざわざ映画館に足を運んでみるほどのものではないと思ったが、メイキングを見て見たくなった。
 
Robog1
 監督の矢口史靖は、年寄りをロボットの中に入れることで、撮影途中いくつもの発見(おしっこ、放屁など)があってその度にシナリオを書き換えたという。ロボットの中に入る老人は、当初一般公募だったが、オーディション当日になって痛いのかゆいのとドタキャンする人が多数あり、「やっぱり素人はダメだ」となったそうだ。もっとも映画を観る限り、素人には無理である。
 結局、白羽の矢が立ったのがミッキー・カーチスで、本名の五十嵐信次郎で出演している。主題歌まで歌っている。ロカビリー歌手だから当然だが。
 物語はロボットコンテストに出す予定のロボットが、当日までに完成せず、やむを得ず(?)中に人を入れてごまかすことになった。オーディションで合格したのが、五十嵐信次郎演じる鈴木さんである。
 これが、想像を絶する好評を博し、日本中の人気者になってしまう。制作者は調子に乗って各所でイベントを開くのだが、それが大変なことに……。
 
Robog2
 
 吉高由里子がいい。あれほどぶっ壊れることができる女優も珍しい。『蛇にピアス』であっけらかんとオールヌードを披露する性格からして、怖いもの知らずなのかもしれないけれど、この映画でもアドリブ出しまくりだったそうだ。気取りとかかっこ良く見せようなどという気張ったところがない。女優としてはたいへん貴重な存在で、好きな女優の一人だが、彼女のような女性を恋人や(最近噂されている)結婚相手に考える人は、相当覚悟が必要だろう。
 
 この映画、『三丁目の夕日』と同じ映画館でやっていたので勢いではしごした。言っておくが、何の風刺もない、だからなんだという映画である。まあ、家族で結構笑えたし、固いことは言わず、それはそれでいい。
 
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ここが家だ ?ベン・シャーンの第五福竜丸?

2012年01月25日 | 本と雑誌
Ben_shahn
 絵 ベン・シャーン
 構成・文 アーサー・ビナード
 
 「ラッキー・ドラゴン、幸運な竜。このめでたい名前の一艘の船、第五福竜丸……」
 2012年1月15日にNHKで放送された「日曜美術館」はその言葉で始まった。
 幸運な竜という、いかにも今年辰年にふさわしそうな船の名前だが、これが第五福竜丸の英訳であることを知れば、ラッキーとは真逆であることに気づく。
 第五福竜丸といえば、日本人ならだれでも知っている、アメリカの水爆実験で被曝したマグロはえ縄漁船であり、この事件をきっかけに原水爆禁止運動がはじまった。
 が、ベン・シャーン(1898-1969)はアメリカ人、二十世紀のアメリカを代表する画家の一人だ。彼は人種差別事件や冤罪事件を人間味あふれる絵画の連作という形で告発し、好評を博した。そして晩年、最後の連作として制作されたのが、「LuckyDragon Series」である。
 ベン・シャーンの絵は美しい、そして恐ろしい。焼津港から船が無事に帰還することを祈って送り出す人々。カラーで描かれた被曝の瞬間、髪が抜け顔が真っ黒になっていく男。絵から伝わってくるのは、怒りよりも悲しみだ。「もうやめよう、こんなこと」。ベン・シャーンの声が聞こえてくる。
 
 この連作を絵本にするために、詩人で日本在住のアメリカ人、アーサー・ビナード(1967-)が構成と文を日本語で担当した。
 
 いきなり 西の空が まっ赤に もえた。
 「太陽がのぼるぞぉー!」と
 ひとりが さけんだ。
 西の空の 火の玉は
 雲よりも 高く あがっていた。
 けれど ほんものの 太陽は
 東の空に のぼる。
 にせものの 太陽みたいな
 ばけものが うようよ
 もくもくと もがいているのだ。
 
 
 ひとびとは わかってきた??
 ビキニの海も 日本の海も アメリカの海も
 ぜんぶ つながっていること。
 原水爆を どこで 爆発させても
 みんなが まきこまれる
 
 
 「久保山さんのことを わすれない」と
 ひとびとは いった。
 けれど わすれるのを じっと
 まっている ひとたちもいる。

 
 ベン・シャーンはLuckyDragon Seriesの連作を、無線長の久保山愛吉を主人公にして描いたが、そのことについてこう語っている。「放射能病で死亡した無線長は、あなたや私と同じ、一人の人間だった。第五福竜丸のシリーズで、彼を描くというよりも、私たちみなを描こうとした。久保山さんが息を引き取り、彼の奥さんの悲しみを慰めている人は、夫を失った妻の悲しみそのものと向き合っている。亡くなる前、幼い娘を抱き上げた久保山さんは、我が子を抱き上げるすべての父親だ」(あとがきより)

 
 
 1月25日未明、柏崎刈羽原子力発電所5号機が定期点検のために停止した。これで現在稼働中の原発は、4基を残すのみ。
 
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2012年「新春の集い」

2012年01月24日 | 日記・エッセイ・コラム
 22日日曜日、けしば誠一、新城せつこ両区議会議員後援会主催の新春の集いが行われた。
 このところ、両区議に関係するイベントとではカミさんが司会を務めている。本人もこういうことは好きで一応そつなくこなす。
 「すごいですねえ、途中に変更や飛び込みがあっても動じないんですね」
 「いや、本人は結構あわてているようですが」
 「それが表に出ないところがすごい」
 
 当日の朝、新城議員は福祉委員として身体障がい者団体の新年会に招かれて遅刻。準備はけしば議員が一人でてんてこ舞いだった。
 
2011shinshun1
 
 スタートは、ラテンミュージックバンドのロス・ボラーチョスから。
 毎年見ているように思っていたが、昨年五月の報告会に続いて二回目だ。
 
2011shinshun2
 
 両議員の年頭の挨拶は、昨年二名当選を果たしたお礼から始まった。
 両名とも、二人なら少しは余裕ができるはずがかえって忙しくなったと語る。
 
 けしば議員から。
 いちばん話題になっている二つのことについて。
 一つ目は、被災地支援と原発事故による放射能被害への取り組みについて。
 田中良区長とは同期なので気軽に話をすることができる。自治体間で迅速に動くことが必要と提案。
 経産省に対する抗議行動や大江健三郎氏をはじめとした、「さよなら原発1000万人アクション」の実行委員会にも参加している。
 若いとき(全共闘時代か?)にはできなかった、思想や立場を超えて一つの運動を起こそうとをめざしている。そのため、(脱原発運動は)かつてない広がりを見せている。
 伊方原発が点検に入り、今稼働している原発は54基のうち5基。しかし、このことは意外と知らされていない。
 3月末には(すべての原子炉が停止し、稼働する原発は)ゼロになる可能性がある。
 しかし政府は、御用学者にストレステストでの安全性を認めさせ、大飯原発の再稼働をもくろんでいる。
 もしすべての原発が止まれば、原発がなくても電力がまかなえることを示すことができる。これが実現できるかどうか、今、きわめて重要なところに来ている。
 昨年大江健三郎さんたちが呼びかけた集会では6万人を集めたが、今年7月7日には代々木公園で、10万人の集会の準備を進めている。その取り組みに全力を挙げて支援していく。

 二つ目は杉並区議会の問題。
 安斉あきらという区議会議員がいて、それがじつは東京電力の現職の社員であったことが明らかになった。
 だれもが元社員だとばかり思っていたが、ジャーナリストの三宅勝久氏の調査で現職の社員であったことがわかった。その議員は区議会で監査役を務めている。今、杉並区では9億円で施設の電力を東電だけから買っていることについて、それは不合理であるから他からも電気を買うことが提案されているが、その審議の場に参加している。
 どの方法が最善かは監査が決めるわけで、その監査役が東電社員というのは問題がある。
 また、杉並区内にある東京電力ののグラウンドを買うことが審議されている。その土地は乱開発されるよりはグラウンドとして残すことを提案しているものである。しかし購入するについて、その土地は道路づけのない土地なので安価に購入することを提案しているのだが、それが、200億円という莫大な金額で交渉が進んでいる。その審査も東電社員の安斎議員が行っている。これは断じて許すことができない。
 この事実を最初に発見して調査している、ジャーナリストの三宅勝久氏とも相談の上、ただちに区議会から襟を正すということをすすめていきたい。

 最後に「困ったときにひとりにしません」というスローガンを、あらためて実践していくことを誓う。
 
 
 新城議員。
 約束した「困ったときにひとりにしません」というスローガンは、二人ともしっかりと実現している。
 先日70代の女性から相談を受けた。賃金の安いパートで働きながら高い家賃を払っている。そこで生活保護制度の話をすると「よく知っているんですね」と褒められた。
 「私議員なんですよ」というと、「議員てなんですか?」と問い返される。のけぞりそうになったが、もっとも身近であるべき区議会議員の存在が、じつはあまり知られていないということに、あらためて気づかされた。暮らしの中にネットワークを作る必然性を確信した。
 選挙が終わっても、すぐに次の選挙運動が始まっている。(忙しくて)先の選挙はずいぶん昔のように感じるが、まだ八カ月しかたっていない。
 新年会に招待されていた杉並区の障がい者団体出の話。
 障がい者というと、知的障がい、視覚、聴覚障がいなどを思い浮かべるが、失語症やパーキンソン病、呼吸器機障がいなど多くの団体が参加していた。福祉委員のひとりとして、そうした方々と交流し、意見交換をしながら多くのことを学び活動してきた。
 介護や福祉については、提案や陳情など、当事者から学ぶことがいちばんと感じている。当事者から学ぶことが議員としての醍醐味である。
 今、保育園待機児が区内で70人から少なくとも43人いる。しかしその中に、区の保育園を希望しながらベビーホテルといわれている無認可の保育園に入っている人たちは、待機時の中に入っていないという現実も知らされた。
 区の保育園の保育料は所得割りだが、無認可保育園では(月?)10万から12万円。無認可保育園に入らなければならなくなっている人たちから直接この矛盾を聞くことができた。そしてこれを、議会でも大きな問題にしてきた。
 特別養護老人ホームも1900人が待機している状態である。すぐに施設に入るべき人が999人いて、その人たちですら入れない状況である。向こう三年間の杉並区の増床計画は300床で、これではまったく足りない。
 もっとも問題にされるべき介護や福祉について、杉並区はまだまだ不十分な状態である。
 国政に立ち向かう地方議会の取り組みが重要。
 原発問題に加え、消費税税増税の計画を国が行っており、これが実施されれば中小零細事業者にとってはたいへん苦しい状況に陥る。年金暮らしの高齢者も同様だ。
 震災復興財源などという言葉を借りた消費税値上げは絶対認めてはならない。
 最後に沖縄。
 田中防衛局長の差別発言に象徴されるように、日本政府は沖縄をどう見ているのか。国が変わろうとしないなら、地方議会から自治体から、住民とともに国政を変えるような戦いを全力でやっていく。
 
 2011shinshun3
 
 今年から(?)88歳以上の人に感謝をこめて花束が贈呈された。登壇できない一人を含め、8名の方々に贈られた。
 この日が誕生日で88歳になったという人も。
 
2011shinshun4
 
 各団体によるアピールや発言があり、しかし、ほぼ時間が守られていて概ね時間通りに進行。
 天候不良と風邪などで数名のキャンセルは出たものの、事前参加申し込みは過去最大140名、盛況のうちに閉会した。
 
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アニメ『風が吹くとき』

2012年01月20日 | 映画
Kazegafukutoki
 
 有名なレイモンド・ブリッグスのマンガをアニメ化したものである。以前、字幕版は見たことがあったが、じつはこの吹き替え版、監督が大島渚、声の出演に森繁久彌と加藤治子というものすごいメンバーで制作されている。ぜひ一度観たい思いつつ、ずっと機会を逸したまま今日まできてしまった。
 それが、今月と来月、日本映画専門チャンネルで放送されているのだ。初回の昨日、家族全員で観た。
 内容はマンガとほとんど変わらないが、印象はだいぶ違う。なんといってもわかりやすい。
 
 これは、戦争とか原爆の知識を知らず、知ろうともせず、ただ政府から配布されたパンフレットの指示に従って忠実にそれにしたがう、イギリスの片田舎で余生を送ろうとする初老の夫婦の物語だ。
 時間を持て余した夫は、毎日図書館で新聞を読んで過ごすのだが、戦争が起きそうだということはわかっても、それがなにを意味するのかは、どうやら新聞には書かれていないようなのだ。
 ひたすら家事に勤しむ妻は、戦争よりも部屋を美しく整えることに意識を集中させている。
 夫は、政府のマニュアルにしたがい、原爆を防ぐには素人でも無理とわかる戸板を並べただけのシェルターを作り、通帳などの貴重品を持ち込む。妻は原爆を防ぐことよりも、夫のシェルター作りで壁紙が傷つきはしないか、カーテンが汚されないかと気をもむ。
 ときは米ソ冷戦の時代、一触即発だった。
 
 冷戦体制は崩れ、ソ連のミサイルがイギリスに向けて発射される。ラジオから悲鳴に似たアナウンスがされた。
 「あと3分で着弾します!」
 
 そしてすべてが破壊され、夫婦の住む家も爆風と熱でめちゃめちゃになった。粗末なシェルターに隠れていた二人は、それでも直接的な熱線や爆風は遮ることができて、とりあえず生きている。
 翌日。
 つぎにくるのは放射能の恐怖のはずだが夫婦にはその知識がない。
 「放射能って、どんなものかしら。何も見えないわ」
 「雪みたいなもんじゃないかな、灰色かもしれない」
 「見えないし感じもしないから、害なんてないわよ」
 
 インフラのすべてを失い、夫婦は汚染されているはずの雨水で茶を飲む。
 「雨水ほどきれいなものはないよ」
 
 さらに数日、歯茎から血が出るようになり、妻の髪が抜け始め、二人の皮膚に湿疹のようなものがあらわれ始めるが、夫は老化が原因だと妻を安心させようとする。
 そして、
 援助はおろかどこからも連絡がないうちに衰弱は進み、夫婦の意識は遠のいて……。
 
 
 本当の危険を知らせようとしない政府、そして、真実を知ろうとせず、忠実に政府の指示に従っていたごく普通の人々の悲劇である。
 日本人は、3・11の原発事故で、ウラン、プルトニウムばかりかセシウムやストロンチウムなど数々の放射性物質を知った。しかしそれ以前には、ほとんどの日本人がこの夫婦と同様かそれに近い知識しか持ち合わせず、政府の基準を盲目的に守っていたはずである。
 「厚生省の許可を得ていますから。安全基準を満たしていますから」という言葉を何度聞いただろう。しかし、大震災以後、福島第一原発の事故をへて、大多数の人々が政府のいうことを信じなくなった。
 「政府のいう安全と、実際の安全は違う」ということに気づき始めたのだ。
 
 しかし、日本には都合の良いことわざがある。
 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」
 
 いや、一年も経たないうちに政府は忘れさせようとしているように思えるし、国民の一部にも忘れたがっている人が現れ始めた。
 原発の寿命「原則40年」としておきながら、さらに「20年延長」を認めるという。なしくずしに「原則60年」とされることは目に見えている。
 今の子どもたちに、原発のない社会を残すことは絶望的である。
 
 『風が吹くとき』の次の放送は24日の深夜2時40分から。2月も放送されるがいずれも深夜なので、録画が可能ならば録っておいて観てほしい。
 
 リンク→「風が吹くとき」
 
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鋼鉄の巨人?スーパージャイアンツ

2012年01月17日 | 映画
Supergiants
 
 「鋼鉄の巨人」は日本初の特撮ヒーロー映画で、1957年から59年にかけて9作品が制作公開された。毎週火曜日深夜、日本映画専門チャンネルで順次放送されていて、それを観た。
 敗戦から12年、まだ広島・長崎の原爆被害の記憶が強く残っている時代、子ども向けの映画ながらなにげなく反戦平和、核兵器廃絶のメッセージが込められている。
 原水爆実験が続く地球に危機感を募らせた宇宙人たちが会議を開き、核兵器廃絶のために宇津井健扮するスーパージャイアンツを派遣する。
 
 ところが、特撮が稚拙なところ、セットや衣装のお粗末なところは時代背景からしかたがないとして、放射能に対する無知さには驚く。ギャングがウランを革のビジネスバッグに入れ、旅客機で運ぶ。スーパージャイアンツは日本に降り立ったギャングからそのバッグを奪うのだが、子どもたちの目の前でカバンにガイガーカウンターをあて放射能を計測する。ガリガリと音がすると「間違いなくウランだ」といって、どこかわからない研究所なるところに届けようとするのだ。
 その後もすったもんだあった後、最後はそのカバンを正義の味方の博士に託す。そのまま手渡しで。
 「これを平和のために使ってください」??????!
 
 第五福竜丸事件からわずか三年後に作られた映画で、放射能の恐ろしさは周知しているはずなのにこれはどうしたことか。はじめに、「原水爆実験が原因で地球上では病気になる人が増えている」と言っていることから、これはどうも、核兵器として使用されたあとの放射能は危険でも、ウランの状態での放射能は危険でないと勘違いしているように見受けられる。
 他にも突っ込みどころいっぱいの映画で、それを探しながら見るのも一興といえる。旅客機の機内の荷物入れが、まるで電車の網棚みたいに荷物が露出したままなのはなぜか。当時はそうだったのか? そんなことはあるまい、離着陸で間違いなく荷物が落下する。ギャングの撃つ拳銃は、音と煙だけは出ているがまったく反動がない。会議に集まった宇宙人は、まるで学芸会の扮装だ。などなど、CGのリアルな映像に慣れた最近の子どもたちは見向きもしないだろうけれど、当時を懐かしむ向きにはそれなりに楽しめる。また、多少なりとも、明確な反戦反核の意図を持って作られていることは評価したい。
 
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TBSドラマ「運命の人」第一回

2012年01月15日 | テレビ番組
Unmei
 
 山崎豊子原作「運命の人」が今日から始まった。今年は沖縄返還40年、グッドタイミングではあるが、本土の人間はほとんど知らないだろう。
 「運命の人」は西山事件として有名な毎日新聞記者西山太吉氏と外務省の蓮見喜久子事務官による沖縄返還協定にまつわる密約の、機密文書漏洩事件をもとにした小説である。
 登場人物も団体名も微妙に変えてあるが、多少の知識があればどこの誰それかわかる程度にはなっている。
 
 横溝  宏 → 横路 孝弘
 愛川 輝一 → 愛知 揆一
 曽根川靖弘 → 中曽根康弘
 田淵 角造 → 田中 角栄
 福出 赳雄 → 福田 赳夫
 小平 正良 → 大平 正芳
 佐橋 慶作 → 佐藤 栄作
 
 という具合である。
 失礼ながら、西山さんがモッくんとは、いくら何でもかっこ良すぎる。北大路欣也の佐藤栄作もスゴイ。
 初回としてはおおかた人物紹介的な感が強く、本格的な物語はこれからという雰囲気だが、事務官が記者に機密文書を渡すまでのいきさつが、原作を読んでいない人にとってはいささか唐突に感じられはしないか。
 西山記者(弓成亮太=本木雅弘)は安川壮外務審議官(安西 傑=石橋 凌)とはギブ・アンド・テイクのかなり親密な間柄であり、アポもとらず頻繁に執務室に出入りしていた。その関係で事務官とも親しくなり、蓮見喜久子(三木昭子=真木よう子)とも遠慮のない間柄になっていったのだが、そのあたりの人間関係をしっかり描いておかないと、女性事務官が心を許すようすがわからなくなる。
 この事件は結局、二人の下半身問題にすり替えられてしまうのだが、原作そのものがメロドラマ的傾向にあり、それがテレビドラマではいっそう強調されている気がする。三木昭子が弓成亮太にたいし、相当に積極的なのだ。いくら好きな男のためとは言いながら、頼まれもしないのにそう簡単にホイホイと機密文書を持ち出すものなのか疑問を感じる。
 もしそうなら、三木昭子はそうとうなアホで、蓮見喜久子さんに失礼だ。澤地久枝さんの『密約』(岩波現代文庫)では、真実はわからないとしながら、少なくとも西山氏から機密文書持ち出しの要求があったと思われる表現がある。結局、下半身問題をスケープゴートに密約はうやむやにされてしまった。
 しかし、男女の間に何があろうと、それと密約の事実とは別の問題である。「それとこれとは別」というところをドラマでどこまで描けるか、それがなければこの作品の意味がないわけだから今後を楽しみにしたい。
 
 視聴率を上げるためにメロドラマ仕立てになっているのは、昨今のTBSの現状からしかたがないとしても、モデルがあるだけにこれが真実と誤解されやすい。あくまでフィクションであると認識したうえで見るのがよいだろう。そして、真実に近い澤地久枝さんの『密約』(岩波現代文庫)をおすすめしたい。

 リンク→西山事件~『運命の人』読了
     澤地久枝『密約 外務省機密漏洩事件』
 
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「脱原発世界会議」に参加

2012年01月15日 | ニュース
Datsugenpatsu1
 
 14日、「脱原発世界会議」に足を運んだ。カミさんも参加する予定だったが、父親の訃報で佐世保に行っていて、参加できず、チケットが1枚無駄になった。
 
 開会イベントの開場30分前に到着したが、すでに入場を待つ長い列ができていた。7時頃から待っていた人もいたらしい。しかし、あらかじめ入場者数を制限したためか「9条世界会議」ほどの混雑はなく、良い席を楽に確保できた。

 順次6名が壇上に上がり、それぞれ内容のある話を聞くことができた。講演はyou-tubeにアップされるそうなので、詳細は割愛する。
 
Datsugenpatsu2
 
 特に印象に残ったのは、オーストラリアのアボリジニ、ピーター・ワッツ氏。
 「オーストラリアは世界の産出量の三分の一をまかない、日本、アメリカ、フランスをはじめ14か国に輸出している。これは(止めることをさせていない私たちが)皆さんに誤らなければならない。ウランの輸出をやめさせたい、輸入をやめさせたい」

 飯田哲也氏、前福島県知事の佐藤栄佐久氏、原爆投下直後の広島で被爆治療にあたった肥田舜太郎氏の講演は特に印象に残った。
 一人あたり十数分なので、You-Tubeで聞いてもさほど無理はないと思う。
 ボランティアだからだろうか、同時通訳がいささか残念なのと、一人で全員の同時通訳をまかなうのは最初から無理な話で、次の課題としていただきたい。同時通訳の集中力が続くのは最大15分で、最低3人は必要だ。

 展示会場では、広川隆一さんのチェルノブイリ・レポートが何度見てもすごい。とくに、老夫婦がジャガイモを差し出している写真は目に焼き付いては慣れない。
 「『この芋を孫たちに食べさせたいのだが、放射能は大丈夫だろうか』と差し出した芋に線量計を向けると、針がぐんぐん上がった」
 前回見たときにはこれに加え、「『これはお孫さんたちには食べさせない方がいいでしょう』と私は言った」とあった。
 パネル展でのみ見ることができるこれらの写真は、写真集としてはまとめられていない。広河さんが出したがらないのか、出版社が求めないのか。僕は間違いなく買う。
 
Datsugenpatsu3

 昨年末、大慌てで作った公式ガイドブックも無事販売されていた。
 当初200ページ程度の予定であったのが、248ページの大冊になっていて驚く。「原稿は多めに作っておきますから、選んでください」とあらかじめ言っておいたのだが、ほとんど使用した上に、さらに追加したようだ。巻末の年表と経過表も、それぞれ2ページずつの4ページの予定といわれていたが、14ページにも膨らんでしまった。これは僕の責任。
 そこで、定価も1200円(税別)になってしまった。会場内に限り1000円で売るそうだが、営業のEさんは「勘弁してくれ」と頭を抱える。
 しかし、内容はたいしたものである。各界の著名人110名(当初は50名の予定)に加え、諸団体からのメッセージが網羅されていて読み応えがある。
 小中学生を対象に募集したポスター展から、優秀作品15点はカラー掲載である。これで1000円は赤字だ。
 
 さて、今回の参加者についてと周辺の出来事で気になったことがある。
 少数だが右翼団体の宣伝カーが粉砕を叫んでいる(通過しただけかもしれないが)。「なんで?」。デモ行進などでは右翼も日の丸を掲げて参加しているのに、とんちんかんも甚だしい。反体制の臭いが気に入らないのかもしれないが、よほど閑なのか。
 また、会場通路にゴミが捨てられ、チューインガムまでこびりついていた。窓際に起きっぱなしのペットボトルもあった。こうしたイベントに参加する人々としては、マナーが悪すぎる。冷やかし半分での参加者もいるだろうし、メイン会場で司会者が、「原発推進派も見えている、これはよいことだと思う」などといってはいたが、じゃましにきたのならお帰り願いたいところだ。規模は違うが、ゴミのポイ捨ては核廃棄物を垂れ流すのと発想が同じである。マナー違反は推進派の仕業と思いたい。
 
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九州限定! ゆずすこ

2012年01月15日 | 食・レシピ
Yuzusuko
 
 昨年暮れに緊急入院した佐世保の義父が、去る11日肺炎のため亡くなった。
 84歳で、まあ年に不足はないと言っていいだろう。
 14日が友引ということで、12日に通夜を行い13日には告別式という慌ただしいスケジュールになった。
 
 普通は亡くなって一両日は自宅に安置するものだ。理由はいくつかある。亡くなってすぐに埋葬では残された家族が寂しすぎるというのが一般的。
 もう一つは聞いた話で真偽のほどは不明だが、死んだはずの人間が蘇生した例があるという。かつて、土葬が一般的だった時代には、埋められてからあと生き返って墓から自力ではい出し、遺族、いや遺族だった人々を驚かせたという話は度々だそうだ。死亡の判定があいまいな時代なので、心臓が止まったら死んだことにしていたのだろうから、何かの拍子に生き返る可能性は多々ある。
 しかし火葬されてしまっては、その可能性はゼロだ。それでも、万が一という場合を想定して、数日様子を見るという。
 実際、死んだ人間が蘇生したという話は何度か聞いた。又聞きもあれば伝説や噂がほとんどだが、実際にそんな例に出会ったという人の話も聞いた。葬儀屋である。
 告別式が終わって、棺に釘を打とうと親族が順番に石でくぎの頭を叩いていると、棺の中でごそごそと音がする。はじめのうちは、釘を打つ振動で中の遺体が動いているのだろうと思っていた。ところが、釘を打つのをやめても音がする。あわてて棺のふたを開けると、「う~ん」とうめき声が聞こえたそうだ。周囲のそのときの驚きは、想像を絶するものだったそうだ。なぜか、喜んだ人はいなかったという。ま、そのときはの話だろうが。
 しかし結局、さらにその数日後には正真正銘亡くなったそうなので、二度も悲しまされた遺族はたまったものではない。
 義父はそんなドラマチックな出来事が起こるべくもなく、滞りなく荼毘に付された。
 
 葬儀が終わってすぐ、14日の「脱原発世界大会」に参加することになっていたものだから、15日にアスリート育成事業の面接がある長男とともに帰京することにした。まったくもって慌ただしい。
 飛行機の搭乗時間まで間があって、アシのYにもし買えたらと条件付きで頼まれていた「ゆずすこ」なるものを買った。
 九州地方限定で、東京では入手し難い。
 アシのYがネットで見つけて、購入しようと思ったら、商品代金よりも送料が高いのであきらめかけていたところ、急遽佐世保に飛ぶことになったものだから、「葬儀に行く人間に頼むことか?」と思いつつ探してしまった。
 
 「ゆずすこ」とは九州名物の柚子こしょうを使いやすく液体にしたものだそうだ。タバスコのパクリという感がしないでもないが、生産者はまったく意味が違うという。
 柚子に、酢と胡椒(九州では唐辛子を胡椒という。ちなみにさつま揚げはてんぷらである。この際関係ないが)を加えたものだから「柚子酢胡」「ユズスコ」だそうだ。まだ食していないが、どんなものだろうか。
 結構な人気商品らしい。ちなみに、沖縄の島唐辛子を使った「ゆずすこRED」柚子のかわりにショウガを使った「しょうがすこ」なるものもある。いずれもさほど高価なものではなく、税込525円だから、確かに通販で買うには単価が安すぎる。かといって5本も10本もいるものではない。
 なくて困るものではないが、土産物としては面白いかもしれない。
 
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「脱原発世界会議 2012」

2012年01月07日 | インポート
Sekaikaigi

脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA

★前売りチケット完売間近!

 世界の叡智をあつめ「原発のない世界」を実現するための具体的な行動を生み出す集会。
 コンセプトは、「インタラクティブ(双方向コミュニケーション)」。
 総勢1万人の大集会(各種分科会/シンポ/イベント/展示/活動交流の場)に是非ご参加ください。
 なお、会議の模様はインターネットを通して世界に発信されます。当日、会場にお越しになれない方も、ぜひご視聴ください。
 公式サイト:http://npfree.jp/

■日時:2012年1月14・15日(土・日)
■場所:パシフィコ横浜
    〒220a-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1
http://www.pacifico.co.jp/visitor/accessmap.html
 
■チケット:脱原発世界会議オフィシャルWEBショップ
     「脱原本舗」
      http://npfree.jp/ticket.html
      ローソン・チケットでも販売しています。
       *ローソンの場合手数料がかかります。
■内容:プログラム詳細
     http://npfree.jp/program.html
    参加ゲスト一覧
     http://npfree.jp/program/guest-lisg.html
    詳細(イベント)
     http://npfree.jp/program/soes-event.html
      (ブース)
      http://npfree.jp/program/soes.html

■実行委員:ピースボート、
      環境エネルギー政策研究所(ISEP)、
      グリーン・アクション、
      原子力資料情報室、
      FoE Japan、
      グリーンピース・ジャパン

<連絡先>
「脱原発世界会議」事務局 ピースボート内 
Tel:03-3363-7561 Fax:03-3363-7562
office@npfree.jp

★当日発売決定!
 世界会議公式ガイドブック
 『原発のない世界のつくりかた』

 脱原発世界会議実行委員会[編]、A5判/並製/1050円(税込み)
 (世界会議会場では、税込み1000円の特別定価で販売します)


黒澤明『生きものの記録』

2012年01月06日 | 映画
Ikimono
 
 『生きものの記録』は1955年に公開された黒澤明監督による反核映画である。
 初めて、日本映画専門チャンネルで観た。
 『生きる』『七人の侍』と連続して大ヒットを飛ばした黒澤明が、その勢いに乗じて制作したものの大失敗に終ったという記録がある。失敗の原因は「原子爆弾」という思いテーマのせいだろうといわれたが、前年に公開された『ゴジラ』(第一作)は同じ原水爆をテーマでありながら大ヒットした。しかし、『ゴジラ』は反核映画としてではなく娯楽映画として受け取られ、やがてゴジラは子どもたちのアイドルとして原水爆とはまったく乖離した姿に変貌してしまう。
  当時35歳の三船敏郎が、この映画で70歳の老人を見事に演じ評判になった。

●あらすじ(ネタばれあり)
 原田(志村喬)は歯科医を営むかたわら家庭裁判所の調停委員を務める。ある日なんともおかしな事件を担当することになった。
 鋳物工場を経営している70歳の中島喜一(三船敏郎)は、原水爆の脅威に過剰なまでに反応し、南アメリカ以外に逃げ場はないとブラジル移住を計画、それに全財産をつぎ込もうとしていた。しかし家族はそれに猛反対し、喜一を「準禁治産者」とする申し立てを家庭裁判所に提出した。
 原田は喜一の話しに一時心を動かされはするものの、結局申し立てを認める。計画を阻まれた喜一はショックで倒れる。夜半に意識を回復した喜一は自らの工場に放火し、工場は丸焼けになり、喜一の財産はすべてなくなった。
 精神錯乱と判断された喜一は精神病院に収容された。原田が見舞いに行ったとき、喜一の表情は異常に明るかった。彼は地球を脱し、いまは別の惑星にいると思っていたのだ。
 「みんな、ここに来なきゃあいけないんだ」
 そのとき、病室の窓から太陽が顔をのぞかせた。それを見た喜一は叫んだ。
 「地球が燃えとる」
 
 この映画は、核兵器の危険を実感しない、あるいは危険を知らされていない人々が、命よりも財産(カネ)を大事にする物語である。この映画の公開から60年近くがたつが、この世界に住む人間たちの基本的な考え方はちっとも変わっていないことに気づかされる。
 放送では最後に岩井俊二監督の言葉がテロップで流れる。
 「のどもと過ぎれば熱さ忘れる」
 
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森田芳光『家族ゲーム』

2012年01月03日 | 映画
Kazokugame
 
 昨年早世した森田芳光監督の『家族ゲーム』を観た。『失楽園』とか『模倣犯』とか、有名な作品は何本か観ていたが、代表作とされるこの作品は観ていなかった。
 なんとも異様な作品である。ダイニングテーブルに横一列に並んで家族が食事をする。まずあり得ない光景である。森田監督は、向き合わない家族をこの不思議な食事シーンで表現したという。
 
 あらすじ(ネタバレあり)
 中学三年の沼田茂之(宮川一朗太)が高校受験を控え、家中がピリピリと神経質になっていた。兄の慎一(辻田順一)と違って、弟の茂之は後から数えて数番目というほど成績が悪い。そこに、三流大学を留年し続けている、吉本(松田優作)が家庭教師として来ることになった。父の孝助(伊丹十三)は「茂之の成績を上げれば特別手当を払おう」と言う。吉本は暴力的でむりやり言うことをきかせ、そのため茂之の成績は少しずつ上がり始める。一方、兄の慎一は、家両親の心配を集める茂之と違って、両親からかまわれず、寂しさをつのらせていく。
 吉本は勉強だけでなく喧嘩も教えた。茂之は幼馴染みで同級生の土屋(土井浩一郎)にいつもいじめられていたが、殴り方を習った甲斐あって、ある日の放課後、土屋をやっつける。
 茂之の成績はどんどん上がり、ついに兄が通学するAクラスの西武高校の合格ラインに達する。しかし、茂之はBクラスの神宮高校を志望校として担任に届け出る。吉本は、茂之が何故西武高校に行きたくないのか、その疑問を兄の慎一に質すと、茂之は土屋と同じ高校に行きたくないのだという。その理由は、小学生の頃、授業中に茂之が大便をもらしてしまったことを土屋が知っているからだという。バカバカしい理由に吉本と慎一は大笑いする。
 しかし、土屋は私立高校に行くことになり、茂之は西武高校にみごと合格する。吉本の役目は終り、お祝いをすることになった。その席で、父の孝肋は、最近やる気を失くしている慎一の大学受験のため、引き続き家庭教師になって欲しいと話す。しかし、一流大学の受験生に三流大学の学生が教えられるわけはないと吉本は断った。
 祝いの席では家族がそれぞれ勝手なことをやり、相手の気持ちを考えずに自分の思うことばかりを相手にぶつける。そんな家族に対し、吉本は大暴れをして横長のテーブルをひっくり返す。
 最後はまさに、向き合おうとしない家族を象徴的にあらわすシーンで終る。もっとも身近でありながら、一人ひとりになにが起きているのか、最後に一人残った母親(由紀さおり)は気づかない。

 
 すでに崩壊している家族でありながら、その事実に目を向けようとせず、横一列の食卓で食事をとるのは、お互い目を合わせなくてもすむからである。向かい合って会話をすれば、そこにコミュニケーションが成り立ち問題があれば解決のための行動をしなければならなくなる。しかし、自分の考えのみしか認めようとしないこの家族にとって、相手の意思は面倒で恐ろしい。
 四人の家族は、同じ家の中でそれぞれ孤立している。それをつなげていたのが家庭教師の吉本だが、その吉本はそれぞれが自分勝手な家族たちに、いい加減にしろとばかり食卓の破壊活動をはじめる。ところが家族は、その破壊活動が相当エスカレートするまで気づかない。あるいは無視して言い争いをやめない。つまり、都合の悪いことはないことにするのがこの家族である。
 崩壊寸前の家族は日本中にいくつもあるだろうが、その多くはひたすら事実を隠して平穏を装い生活しいる。この映画は、そうした家族の内面を映像によって暴き出したといえる。
 しかし、わかりやすい『失楽園』や『模倣犯』と違って、いかにもATGっぽい、難解な映画ではある。

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