ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

UFOじゃありません

2008年02月29日 | 日記・エッセイ・コラム
Ufo0229

 今日は4月の暖かさだとか。
 あんまり空がきれいだったので、カメラを持って庭に出ると、雲がとてもいい感じでした。
 強烈な光を発しながら現れたのは、UFO………
   ・
   ・
   ・
   ・
 ではありません。

 太陽です。

 今日は夕方から、写真集の打ち合わせで、浅草橋へ。
 ぼくの作品ではありません。
 超ベストセラーを出している、知る人ぞ知る……う~ん、肩書きがむずかしい。

 このところ、写真集や絵本などの仕事が多いのです。
 そういう仕事は、ぼくよりも、アシのYの負担が大きくなります。

 がんばってもらいましょう。

 ぼくは、遅れ気味の原稿書きでがんばります。

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春なのに「AKI」ふたつ

2008年02月28日 | 日記・エッセイ・コラム
Ume

 家の近くの梅の木のつぼみがほころんできました。
 ウグイスはまだです。
 
 今日は一日デスクワークですが、明日はまた夕方から打ち合わせ。
 今週は打ち合わせだらけで、来週からは仕事が集中します。
 
 もっとうまい具合に分散すればいいのですが、なかなかそうはいきませんね。

 春と言えば、阪神タイガースのキャンプは今日で打ち上げ。赤星選手会長の挨拶の後、一本締めで選手たちは皆、一カ月ぶりに家に帰りました。

 そして、明後日からはオープン戦で、3月28日からはいよいよペナントレースです。

 今年のタイガースのクリンナップは、荒井、金本、今岡の頭文字をとってAKI砲。(春なのに「あき」)
 ケガなくシーズン通して活躍できれば、ホームランも打率もとんでもなくすごい打線です。

 知り合いの若いデザイナーもAKI君。AKI君には知的障害があります。しかしその分、独特のすばらしい絵の才能を持って生まれてきました。

 ライフステージ(ここ)という作業所を基地に活動しています。

 彼とは湯川トーベンさんを通じて知り合いになりました。
 たくさんのミュージシャンが彼を応援していて、不定期ですが、機会があるごとに各所でライブペイントを行っています。

 ライブペイントというのは、ライブ演奏中、お客さんの前でAKI君が作品を仕上げていく、というものです。

 4月1日には池尻大橋の「CHAD](ここ)というライブハウスで「AKIバースデイ・ライブ」が行われます。(出演:斉藤哲夫/中野督夫/湯川トーベン/高橋誠/永原元/MUE)

T
 AKI君の絵本『ふしぎな星』
 発行:ロゼッタストーン
 定価:本体1,800円+税


 今年は飽きることなく、秋まで、AKI君もタイガースのAKI砲も応援したいと思います。
 もちろん、秋が過ぎたらまた次の秋まで。
 
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ン十年ぶりの「五反田」

2008年02月27日 | 日記・エッセイ・コラム
Toc1

 仕事の打ち合わせで、五反田のTOCビル近くにある某社へ。
 じつはぼくは、今から三十年以上前、当時TOCビルにあったある大手企業の東京本社の販売促進部に嘱託として通っていました。
 以前は、五反田駅の改札を出てしばらくいくと、「TOC」の看板が見えたのですが、今ではビルの陰に隠れて山手通りの交差点を過ぎてさらに行かなければ見えません。

Toc3

 五反田駅からTOCまでは、徒歩で10分以上かかります。無料シャトルバスが出ていると聞いたのですが、駅側からは乗り場が見つからず、帰りにTOCから乗ってみました。
 もちろん、ぼくが通っていた頃には、バスはありません。

Toc2

 ユニクロまでできてました。館内も相当変わっていることでしょうけれど、今日はこの後も打ち合わせが重なっているので、見物は今度にします。

 当時ぼくが通っていた会社については、ドラマチックないきさつがあります。
 ウソみたいな話ですが、実話なんです。

 まだ二十代だったぼくは、演劇の世界に挫折して定職を持たず、大手印刷会社の製版校正部でアルバイトをしていました。
 ある日のこと、この仕事を紹介してくれた印刷会社の課長が、仕事場に訪ねてきました。

「君にぴったりの仕事があるんだ。大映のパンフレットやチラシなんかを作る仕事があるんだけど、やってみないか」

 ぼくは、製版校正の仕事は視力が衰えるし疲れるし、いい加減うんざりしていたので二つ返事でOKしました。
 広告関係の仕事をしてみたいと思っていたので、映画のパンフレットを作るなんて、願ってもないことです。

 「じゃあ、ここの仕事は今日まででいいから、給料を精算してもらって、明日、五反田に行ってもらえないか。あとで、担当の営業課長を紹介するから」

 五反田に映画会社なんてあったかなあ、と一瞬思いましたが、倒産したり再建したり、大映はいろいろありましたから、あまり深く考えませんでした。
 その日は、Yという営業課長と明朝の待ち合わせを約束して、わくわくしながら帰宅しました。

 明くる日、Y課長と五反田TOCビルへ。
 TOCに着くと、Y課長は「ちょっと待ってて」と言って、一階ロビーの公衆電話でどこかに電話をしています。
 このころ、携帯電話はまだありません。

 「応接室がいっぱいだそうでね、喫茶店で待ってくれって言うんだよ」

 ぼくとY課長はすぐ眼の前のポンパドゥルという喫茶店で待つことしばし。
 やがて、丸めた紙を抱えた長髪の、いかにも業界人といった雰囲気の男性が現れました。

 「ども、おまたせ」

 お互い紹介しあって、しばし雑談のあと、

 「それでですね、お願いしたいのはこれなんですけど」

 大きな、丸めた紙が何なのか、ずっとさっきから気になっていたのですが、彼はコーヒーカップなどをとなりのテーブルに寄せると、それをバサーッと広げました。
 スーパーのチラシの青焼き(校正紙)です。それもとんでもなく大きい。
 きっと大切なものだから、これで保護してるのかなあ、何が出てくるのかなあ、駅張りのポスターかなあ、と思ったら二枚目も三枚目もさまざまなスーパーのチラシ。
 「電撃市」「BUBUカラーテレビ大幅値下げ!」「日替り大特価!」「たまごLサイズ 1パック88円」「夏物衣料全品1000円均一」「バナナ100g10円」

 アレレレレ?

 「これの校正と、内容チェックをお願いしたいんですよ。今まで社内の人間がやっていたんですけど、あまりにも間違いが多いんです。そこでプロの方にお願いしようというわけで、Yさんに人材を捜していただいてたんです」

 ちょっと待てよ。映画のパンフレットを作る仕事じゃなかったのか。
 だって、大映って言ってたぞ。これは大映のパンフレットでもチラシでもない。
 くそ、あのオヤジ、映画会社の仕事だなんていい加減なことを言って、なんだかだまされた感じだなあ。
 ぼくはY課長に引き合わせた、製版校正の課長を恨みました。
 なにが映画のパンフレットだ、何が大映だ!

 いや、アアアアアアアア!
 「ダイエー」だあ!

 そう、映画の大映ではなく、スーパーのダイエーだったのです。
 取り次いだ課長もぼくも、勝手に映画会社だと勘違いしていたのです。

 まま、まいったなァ。ぼくは校正のプロじゃないし、スーパーのチラシなんて作ったこともない。断ろうかなあ。でも、今までの仕事やめちゃったしなァ。

 「お願いできませんか」
 「そ、そうですねえ、ぼくにできるかどうか」

 「とりあえず、1カ月でも試してみてもらえませんかね。そうそう、で、給料なんですが、ウチはまだこれからの会社だもんで、安くてすみませんが、残業代は別で25万でどうでしょうか」

 たかが25万でこんな仕事……

 に、にじゅうごまん!

 印刷会社からもらっていた給料は、十五万くらいでしたから、一気に一〇万アップ。

 「は、はあ、じゃあとりあえず、やらせていただきます、一カ月だけ、ためしに」
 ぼくはもう、ぜひぜひお願いしますと、土下座でもしたいところを悟られないようにグッと我慢して、しどろもどろに答えました。

 「じゃあ、これから仲間を紹介しますから、上がってきてください」

 それから、一通り社内の主な人を紹介してもらって、Y課長と「ダイエー」をあとにしました。

 「いやあ、受けてくれて助かった。これで顔が立つよ」

 Y課長も嬉しそうでしたが、それ以上にぼくは天にも昇る気持ちでした。
 だって、にじゅうごまんえん、残業代別ですから。

 ぼくはこの日から約5年、ここに通うことになります。
 1カ月のはずだったんですけれど。

 右肩上がりの当時のダイエー販売促進部はものすごく忙しく、残業代が別につくもので、ぼくの給料は多い月には40万以上。若い仲間たちが好きなことをやっている明るい雰囲気で、ダイエー販売促進部はぼくの一生の中でも楽しい5年間でした。
 ただ、本社が大阪の江坂で、1号店が神戸のダイエーは、社内の会話がほとんど関西弁。
 江戸っ子のぼくにも思いっきり関西弁が移りました。
 「なんやぁ、あかんやないけ」

 とは言うものの、時には顔面蒼白の出来事もあったし、大企業の汚い面も見たし、中内功社長のすごいところもずるいところも見てきました。
 そのへんの話は、また機会を見て追々。

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利用できます

2008年02月26日 | まち歩き
Chari2

 最近は自転車をよく利用します。
 というか、すでに必需品。
 駅まで歩くと15分かかるので…。
 
 なんていうと、15分くらいなんだ贅沢だ! と叱られそうですが…。
 地方に行けば、片道1時間以上の学校へ毎日歩いて通っている小学生もいます。
 ま、それは「若いんだから」。

 昔の人は徒歩で京都・大阪まで行った。
 それはすごいと思う。

 それらを思えば、軟弱きわまりない話ですが、時間の節約にもなることだし、自転車は環境にもやさしい。

 で、新宿に行くにも、今日のように著者との打ち合わせで国立まで行くのにも、駅の近くの駐輪場に自転車を預けて電車に乗ります。

 Chari1

 入り口で100円渡して領収書をもらえば、その日のうちなら何度でも出し入れOK。
 日付が変われば、もう百円追加されます。

 ところが、夜遅かったり、日曜日などは入り口に人がいません。
 だから、日付が変わっても、夜中ならば追加料金がとられないし、日曜日はいつでも無料、というわけ。
 二十四時間出入りOKなんです。

 この駐輪場、けっこう大きくて、満車になることはめったにありません。
 それでも、百円をケチって路上に止めておく人が後を絶たず。
 トラックで持っていかれると二千円かかるのですから駐輪場におけばいいのに、「自分は大丈夫」と思うのでしょうかね。

 通勤に自転車を使っていれば、一カ月二〇日として、二千円。
 もし持っていかれてもトントン。
 しかし、月に二回持っていかれたら赤字です。

 友人で、おんぼろ自転車を何回もトラックで持っていかれてるのがいて、いい加減懲りればいいのに路上駐輪をやめません。
 新しい自転車が買えるくらい払ってます。
 こうなると、ヤケですね。

 しかし、最近は以前と比べると路上駐輪の数が減りました。
 一時は歩くのにも邪魔なくらいでしたが、ずいぶんすっきりしました。

 明日も自転車で駅まで行きます。
 ただし、雨が降らなければの話です。

 明日は、打ち合わせだけで四つ。
 自分の仕事はできませんね。

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デビュー35周年勝手にソロライブ

2008年02月25日 | 音楽
デビュー35周年勝手にソロライブ in 三鷹
湯川トーベン
三鷹「バイユーゲイト」

<ahref="http://himawari823.no-blog.jp/photos/uncategorized/2008/02/25/toben1.jpg">Toben1

 昨日、24日、今月上旬の二つのコンサートは逃してしまったので、近場でもあることだし顔を出してきました。
 この日はソロです。一人でも十分盛り上がります。
 軽妙なトークと、テンポのいい演奏と歌で、客席は大喜び。

Toben2

 三鷹はトーベンさんの地元。すっかりくつろいだ雰囲気で(時間に関係なく)おしゃべり。
 「家から来てね、潮音がいたから誘ったんだけど、断られちゃった」

Toben3

 店のマスターともおしゃべり。
 (ライブ終了後、「オレこんなカッコしたっけ。いつ?」。今日ですよ、今日)

Toben4

 ギター演奏もすばらしかった。
 デビュー35周年! これからも頑張ってみんなを楽しませてください。

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春一番

2008年02月25日 | 日記・エッセイ・コラム
 恐怖の強風で、布団がふっとんだ!

 昨日一昨日と、猛烈な強風で、はじめて本当に「布団が吹っ飛んだ」のを見ました。
 外出途中に住宅街を歩いていると、ある家の庭に植えられた大きなケヤキの木に布団が干してある、…にしては雑。
 よく見ると、ベランダの手すりに掛けた布団の一枚が、風で飛ばされたらしい。
 〈取りにいくの、大変だろうなあ。木に登らないととれないし。〉
 さらに数軒先の家では、外の道路まで完全に飛ばされていました。
 お留守だったので、とりあえず玄関先に移しておきました。

 写真を撮っておけばよかったのですが、まあ、個人のお宅のことですからブログにはアップできませんね。

 春一番というと、何となくのどかな感じがしますが、それは「春」という言葉にだまされるからのようです。
 「天声人語」によると、「正体は荒々しい風だ。海は大シケ、山では気温が上がり雪崩がとどろく。古くは、恐れを込めた漁師言葉だったらしい」とあります。
 
 それにしても、都会の交通網はちょっとした自然の変化にきわめて弱い。昨日も一昨日もJR中央線は一日中遅れが出ていました。車両の軽量化で、影響を受けやすくなっているのではとも思えます。

 かつて、地下鉄東西線が開通して間もない頃、風の強い日に江戸川の鉄橋を渡る途中、下から吹き上げる強風に脱線して危うく大惨事になりかねない事故がありました。まさか、こんな事態を見越してではないでしょうが、鉄橋をすっぽり包む鳥かごのような囲いのおかげで、電車は水中に落下しないですんだとか。

Aozora

 ところで、昨日までの強風はどこへやら。今日は朝から何事もなかったようにおだやかです。そして、空もきれいに晴れ渡っています。

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消される歴史の現場から

2008年02月23日 | 昭和史
JVJA沖縄現地報告
明治大学リバティータワー(地下1001教室)

Jvja1

 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会主催、JVJA沖縄現地報告「消される歴史の現場から」をG社からの案内で知って出掛けてきました。
 昨日の朝からひざ関節の痛みがひどく、どうなることかと思いましたが、今日はだいぶよくなってきたので、なんとか外出できました。

Zengakuren お茶の水駅に降り立つと、駅前で青ヘルをかぶった学生がチラシを配っていました。おそらく明治大学でしょう。「反戦・全学連 解放派」とありますが、最近のセクトはよくわかりません。
 昔なら青ヘルは社青同解放派。「がんばれよ」と声をかけて通り過ぎます。

 今日は風速27メートルの台風なみの春一番。明治大学に行く途中、楽器屋さんの看板やのぼりが吹っ飛び、危険きわまりなかったですね。小さなレストランの店頭に出してある、海老フライの見本が足元にすっ飛んできたときは驚いた!
 それでも、ぼく自身は風に飛ばされることなく、なんとか明治大学に到着。女子大生の髪の毛が逆立っていましたが、スカートをはいた人はいませんでしたね。ザンネン?!

Jvja2

 わかりにくいリバティータワーの1001号室に、学生に尋ねたりしながらようやく到着。
 資料代1000円を払い、とりあえず会場に入って、責任者らしい人に録音の許可について訪ねると、受付で使用目的と連絡先を書いて申し込んでくれと言います。
 で、入り口に戻り、受付に用件を言って名刺を出すと即オッケー。なあんだ。

 今日の報告は沖縄戦と集団強制死がテーマで、協会所属のジャーナリストが膨大な数の関係者から取材したなかから、主な証言を中心に行われました。

 報告者は、昨年発行の『世界』臨時増刊でもルポを発表していた國森康弘さんと、山本宗補さん、森住卓さん。

 ●國森康弘さんからは「日本兵が語る沖縄戦」~歴史認識の空白を埋める~と題して、取材意図と目的について、詳細な報告がありました。
 「沖縄戦」についてはこれまで、住民側の証言は多数ありましたが、日本兵の住民に対する加害証言はほとんどありませんでした。該当者が高齢化していく中で、また、探し当てても堅く口を閉ざす人が多い中で、それでも多数の証言を得ることに成功した貴重な成果です。

 元日本兵は、なぜ今になって語り始めたのかという理由について、「死ぬ前に残しておきたかった」「これまでは真実を話せば戦友を裏切るように思えたが、高齢化に伴って『箝口令』がやわらいできた」「小泉・安倍の鷹派政権で、また過去のような戦争が起きるのではないかと、きな臭さを感じた」「歴史教科書の改ざんに危機感を感じた」そして、自らが手を下した被害者住民に「謝りたかった」と言います。

 今まで旧日本兵の証言が少なかったために、歴史改ざん派が「集団強制死(自決)」に軍は関与していないなどと言っていたことが、これらの証言で撤回せざるを得なくなったわけです。(言わされてるとか捏造だとか言うでしょうが、悪あがきになります)

 ●二人目の山本宗補さんからは、八重山諸島の戦争マラリアで家族16人を失った人の話がなされました。
 八重山諸島へは米軍は上陸しなかったし、地上戦も行われませんでしたが、軍の命令でマラリアが蔓延している島に無理矢理疎開させられ、終戦後飢えとマラリアで3647人もの人が亡くなっています。
 ぼくはこのことについて、「戦争マラリア」という言葉は聞いたことがあるものの、実態をよく把握していなかったので、今日の報告を聞いて驚きました。
 戦争は実にさまざまなところで悲劇を生んでいます。
 この「戦争マラリア」を引き起こした元日本兵の一人に山下虎雄(偽名)という、陸軍中の学校出の工作員がいました。住民に疎開を命令する際、軍刀を引き抜いて脅したという話を琉球新報の記者が1990年に聞き取っていることがわかっています。

 ●三人目の森住卓さんは、日本全国にある米軍基地の75パーセントが沖縄に集中する中で、さらに6箇所のヘリパッド建設が進められていることについて報告しました。
 つづいて、非常によく撮れている座間味の「忠魂碑」の写真をバックに、「集団強制死」は軍官民共死共生の一体化がそもそもの原因で、住民を常にスパイではないかと疑っていたことにあると報告しました。
 スパイではないことが証明されるとそのしるしの腕章が配られ、それがただひとつ、『母の遺したもの』の著者、宮城晴美さんのお母さん、初枝さん持っていたものの写真を見ることができました。

 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の主催だけに、実に多くの貴重な写真や映像を見ることができて、たいへん有意義な報告会でした。
 このブログにそれらを載せられないことが残念です。当然ですが。

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日々雑感

2008年02月22日 | 雑感
●駅前の鳩
 荻窪駅前のロータリーに鳩が群れをなしています。「鳩にえさをやらないでください」という立て看板を無視して、餌を撒く人がいるのか、何羽もの鳩がコンクリートの割れ目に嘴を突っ込んでは餌をついばんでいます。
 ぼくが自転車で通りかかると、直前についばむのをやめてパッと飛び去ります。
 いたずらで、わざとぶつかっていこうとしたことがありますが、彼らはけっして自転車にひかれることはありませんでした。
 しかし、たまにですが青梅街道には、車にひかれた鳩の死骸を見かけることがあります。車のスピードや大きさによって逃げ切れないことがあるのでしょう。

 漁船とイージス艦の衝突事故は、不謹慎な言い方かもしれませんがこの「鳩と車の関係」に似ているような気がします。何隻もの漁船が大きな軍艦を避けるために右往左往している様子が、それぞれの船の記録に残されていました。
 漁船は避けるのが当たり前、もしぶつかったとしても、避けない方が悪い。
 そんな考えが自衛隊側になかったでしょうか。
 防衛大臣や総理大臣への報告が極端に遅かったのも、できれば「衝突事故はなかったこと」にしたかったのかもしれません。「なんだか、漁船が事故を起こしているらしいけど、我が艦とは関係ない」、ということにしよう、と。
 だとしたら「南京事件」などなかった、という右翼と同じ発想です。

 漁船の記録があり、イージス艦には回避義務を裏付ける船首右側に清徳丸の塗料が残されています。それでも、防衛庁側は、証言を2点3点させて事実を語ろうとはしません。
 防衛庁は保身に走らず、人道的な見地から真相究明にあたってほしいものです。
 
●中田宏横浜市長の暴言
 中田宏横浜市長が日本テレビ「ウェークアップ! ぷらす」の番組中に、沖縄の少女暴行事件について無神経な発言をして問題になっています。
 「しっかり教育もしなければいけない。街角でかわいいねって声かけられてバイクに乗ってっちゃったわけですね」「教育もちゃんと徹底しないと、ある意味これから先まだ不安だなと。それが本当の再発防止になる」
 米軍基地という根本的な問題にはまったく目を向けない非常識さに、同席したジャーナリストの江川紹子さんに「言うべきことじゃない」とたしなめられたそうです。
 
 教育や躾の問題と暴行事件は別の問題として考えていかなければなりません。躾がどうであろうと、このような事件は起きてはならないことなのです。
 招かれざる米軍基地の海兵隊員の存在は社会的問題であって、躾や教育は個々の家庭の問題です。どのような教育がなされていようと、起きてはならない事件なのです。

●中国製まな板からも有害物質
 中国製まな板から鉛。5800枚、ベネトンが回収。
 ベネトン ジャパン(東京)が販売した中国製まな板の塗料に欧州の安全基準を超える鉛とクロムが含まれていたとして、出荷した5817枚を回収する、と同社が22日発表した。商品名は「ガラスカッティングボード」。ベネトンが提携するレアック・ジャパンが中国で製造し、輸入販売した。ガラス裏面の塗料がはがれることがあり、その中に欧州の玩具の安全基準を4~14倍上回る鉛やクロムが含まれていたという。
 〈exciteニュース〉

 とどまることを知らない中国製品の有害物質。しかし、このまな板に関しては事件より事故の要素が強いですね。
 戦後すぐの日本では、DDTやパラチオンなどの殺虫剤がバカスカ使われていましたし、コカコーラに入っていた甘味料のチクロは発がん性物質でした。
 有害物質はそれぞれの国によって規定が同じではありませんし、時代によっても変化します。現在日本の厚生省が認可している着色料の中にも、欧米では禁止されているものが存在します。
 また、ホルマリンなどは、日本では幼児の玩具や食器に一切使うことは許されていませんが、国によっては「溶け出さなければよい」ことになっている場合もあります。
 製造した中国のメーカーが、輸出する商品について、相手国の基準に無頓着だったのかもしれません。

 これとちがって、冷凍食品に含まれる農薬は、あきらかに悪意を感じます。
 この悪意がだれによってだれに向けられたものなのか、早急に解決されるように、日中両国の捜査担当者にお願いしたいものです。
 反日感情から、日本製品の不買運動に結びつけたいならあまりにも幼稚な気がします。中国内部に自国、あるいは企業の信用をおとしめようとする人間が犯した犯罪の可能性もあるし、北京オリンピックを中止に追い込みたい人間の仕業かも知れません。
 あるいは、日本人の反中国感情を拡大するために、日本の右翼が中国の工場に入り込んで工作するという可能性もゼロではないでしょう。まさかとは思いますが。
 これらはすべて想像で、何の証拠も根拠もありません。今の時点では、何ら真相の「し」の字も見えていないのが現実です。

 気をつけなければいけないことは、ののしり合いや非難の応酬では何の解決にもなりませんから、それは避けたいものです。
 日本の捏造だとか中国の反日工作だとか言い合うことは事実の究明を遅らせるだけだと思うのです。

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ザボン、ブンタン、ボンタン、ウチムラサキ

2008年02月21日 | 食・レシピ
Zabon1

 Zabon2

 向かいに住む大家さんの奥さんから、こんな柑橘類をもらいました。
 本当は5つあったのですが、さっさと3つ食べられちゃいました。
 ものすごくおいしい。
 ところが、これがなんなのかわからなかったのです。

 かみさんの実家は長崎の佐世保なので、ボンタンは名産品ですが、もっと大きくて皮が厚かったし、酸っぱかった。

Zabon3

 ところがこれは、けっこう甘い。
 かみさんはタンカンじゃないかと言っていたけど、タンカンはもっと色が濃いしもう少し小さめ。
 で、やっぱりこれはボンタン。
 同じものなのに名前がいくつもあって、ザボン、ブンタン、ボンタン、ウチムラサキとさまざま。
 大家さんの奥さんは、「皮はマーマレードにして、種は水につけたあと庭にまくと芽が出てくるから」と言っていたようですが、実は成らないなあ、亜熱帯系の柑橘類ですから。

Tsuki0221

 今日、2月21日は満月です。
 外はこの時間でも暖かくて、あまり寒さは感じません。
 3月下旬の陽気だとか。

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漁船衝突事故に思うこと

2008年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム
 南房総沖で、自衛隊のイージス艦と漁船が衝突する事故が起き、漁船に乗っていた親子が行方不明になっています。
 二十年前に起きた、横須賀沖での潜水艦「なだしお」と遊漁船衝突事故の教訓がまったく生かされていないという声がしきりです。

 今回の衝突事故では、イージス艦が回避義務を怠ったことが原因であるというのが大方の意見。
 ぼくは釣りが趣味で、以前はよく遊漁船に乗り三浦半島沖などにでかけていました。
 海上で自衛隊の艦船に出会ったことは何度もあります。(よく無事でいられた)
 「(釣り竿を)上げて上げて! (自衛隊の)船よけるから」
 せっかく好調に釣れていたところを邪魔されたことも何度かあります。
 「向こうが避ければいいのにねえ」
 「でっかいからね、こまわりがきかねえんじゃねえの」

 海上のルールでは、二つの船が接近した場合、相手の船を右側に見る方の船に回避義務があると決められています。これは船の大きさに関係はありません。

 しかし、法律の上ではそう決められていても、漁船と自衛隊の艦船が出会った場合、自衛隊の船が回避することはほとんどないと聞きます。回避するのはたいてい漁船の側なのだそうです。

 「じゃまだ、ちょろちょろするな、どけどけ」
 そんな感じですね。

 日本は憲法九条で軍隊を持たないことになっていますから、自衛隊は軍隊ではないことになっています。
 しかし、その存在はまぎれもない軍隊であって、自衛官の意識も軍人のそれです。
 軍隊というものは、戦前の日本軍がそうであったように、守るのは国民ではなく国家。
 すなわち「国を守るという大義のために、国民の犠牲はやむを得ない」ということです。
 「自らを衛(まも)る」自衛隊も、自らというのは、自衛隊そのものと国家。国民ではありません。

 ちなみに、「災害のとき国民を助けてくれるじゃないか」という人がいるかもしれませんが、あれは国からの命令があってはじめて発動されるのです。国民がいくら自衛隊の駐屯地に駆け込んで「崖崩れで人が埋まってるから助けてくれ」といっても、国の命令がなければ自衛隊は出てきてくれません。
 災害に遭った自治体が国に自衛隊の派遣を要請し、国が自衛隊に命令してはじめて出動できるのです。
 分秒を争う場合にはまったく役に立ちません。

 沖縄の米海兵隊員の連続不祥事といい、自衛隊の事故と言い、この国はあくまでも国家の利益優先、国民の利益は二の次三の次です。
 日本国憲法前文には次のようなことが書かれています。
 「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者が行使し、その福利は国民がこれを享受する」
 政治家が権力を行使して得た利益は、国民に与えられるものである、と言っています。
 しかし、この憲法前文にある文章は、今の政治体制の中ではほとんど守られていません。

 為政者と国民の関係は、大日本帝国時代から基本的には何ら変わっていないということです。
 今回のような事故を防ぐためには、(無理なこととは思いますが)自衛隊が「国民の利益」を優先するように意識を変えていかなければならないのです。
 それより、自衛隊をなくすことだ。
 戦争をしない国にイージス艦も潜水艦もいらないだろ。

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大江健三郎「定義集」より

2008年02月19日 | 日記・エッセイ・コラム
Teigishu0219

 今朝の朝日新聞に掲載されていた大江健三郎氏の「定義集」を読んで。ああ、これほどの人でもこのようなことがあるんだなあと、妙な同感をしてしまいました。
 氏は学生のころから、読んでいる本に気になる一節があると、カードにうつして正確に引用することを心がけていたそうです。ところが最近、その一節は覚えているのに、どの本から引いたものか忘れてしまっているといいます。
 これはぼくも近ごろ気になっていることで、ぼくの場合カードでなくレポートパッドにうつし取っていますが、どの本のどのページから書きうつしたものかわからなくなることがしばしばです。
 「書名からページ数、行数まで記録しておかなければならないなあ」とぼう然としてしまいました。
 しかし、調べものをしていて、気づいた箇所をうつし取りながら書名やページ数まで書いておくことはめんどうで、つい忘れてしまうものなのです。以前は、一度読んだ本の内容はおおむね覚えていて、「このことについては、どれそれのこのあたりに載っていた」と記憶していたものですが、今はだめです。

 大江氏の場合奥さんがすごい。大江氏が出典を失念したのは、シェークスピアの2行ほどを、フランスの小説家が引用していて、記憶では「そのように考えはじめてはいけない」というところ。その引用文を奥さんに話すと、数日たって「フランソワーズ・サガンのペンギン・ブックスの英訳を手渡され」たそうです。
 その引用文はたいへん記憶に強く残っていて、私生活で悲観的な想像をしてしまったときなどに、「そのように考え始めてはいけない、うんぬんが口癖に」なっているといいます。

 この、「考え始め」はとても重要なことであると、ぼくは思います。人は考え始めでそのあとの思考の方向性が決まってしまうことが多いからです。
 最初に考えたことをいかに正当化するか、どう証明していくか、という思考回路にはまってしまうと、解決の糸口が見つからなくなり、出口までずいぶん遠回りをしてしまうことにもなりかねません。
 したがって、「考え始め」がきわめて重要であって、「このように考え始めてよいものだろうか」と、常に自問自答していくことが習慣として必要ではないかと思えるのです。

 ところで、大江氏が引用したのはシェイクスピアの『マクベス』第2幕第2場の次の台詞であることが書かれています。
 「こういうことはそういうふうにお考えになってはだめ。お互い気が変になってしまう」(木下順二訳)
 これは、マクベスを夫人がきびしくたしなめるシーンですが、サガンは自身の小説にこれを引用して、優しい口調に直してしめくくられているということです。
 ぼくの手元には木下順二訳がなく、三神勲訳で読むと、「そういうことはそんなふうに考えこんでいけないんですのよ。気が変になってしまいますよ」。
 いずれにしろ、サガンの引用とはだいぶニュアンスが違うようです。
 これはサガンのレトリックなのか、大江氏の機転なのか、どちらでしょう。

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春まであと何歩

2008年02月18日 | 日記・エッセイ・コラム
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 ぼくが仕事場に使っている家の2階は床から天井までのテラス窓が部屋の左右一杯に広がっていて、昼間は暖かい日差しがたっぷりと入ってきます。
 でも、その日差しは仕事をするには邪魔で、コンピューターのディスプレイを見にくくしてしまいます。とてももったいないことですが、昼間のほとんどはカーテンが閉まっています。
 しかし、それでも今日この頃は、薄いカーテンを通して入り込んでくる陽が日に日に暖かみをましてきて、春が近づいていることを感じさせます。

 今日は5時ごろに、中沢新一の『イカの哲学』を買いに駅前の書店に出掛けました。途中、あんまり夕焼けがきれいだったので、荻窪駅の跨線橋から撮ったのが上の写真です。

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 東の空には満月の三日前の月が昇ってきました。
 よく「秋の日はつるべ落とし」と言いますが、春先も気がつけば周囲は暗くなっていました。「春の日もつるべ落とし」ですね。
 いままでならこんな時間は寒くてたまらないものですが、空気はやや冷たいもののさほど寒さは感じません。
 駅前で春闘のチラシを配っていた労働組合の人も、元気一杯でした。

 春まで、もう一歩。

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どんどん大きくなります

2008年02月17日 | 日記・エッセイ・コラム
 何が大きくなるのかというと、活字のことです。コンピューターではフォント、写植では書体。
 今朝の朝日新聞に、今年3月からさらに文字が大きくなることが報道されていました。

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 新聞活字独特の平べったい書体が、扁平率を押さえて正方形に近づけられ、1段13字、12段になります。
 世の「イヌカイ ツヨシ」諸氏には朗報かもしれません。「“離せ”ば解る」。
 12段? そうなると、「3/8つ」や「3/6つ」、全5段とかのスペースはどうなるのかと思ったら、大きさは変わらないようですね。見本を見ると、半端な部分は「天声人語」などのコラムで調整してあります。
 しかし、呼び名はどうするんでしょうか。

 さて、新聞に限らず、書籍でも最近は文字が大きくなる傾向があります。我が家に多く蔵書されている3、40年前の本は、たとえばこんな感じ。

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 9ポイント(約13級弱)や8ポイント(約11.5級)の活字が単行本の主流で、2段組みの本もざらにありました。
 写真は1969年発行の、河出書房版『ドストエフスキー全集』で、1行27字、25行の2段組みです。こんなもんだと思っていたので、とくに読みにくいとは感じませんでした。

 最近の本は、こんな感じ。

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 この本は小川洋子『博士の愛した数式』で1行43字16行。『ドストエフスキー全集』と比べると、密度の差は一目瞭然ですね。文字も10ポイント(14級)と大きく、このあたりが最近の標準的な、単行本の組み方になっています。
 改行も頻繁に行われ、ページの下の方になるに従って、グラデーションがかかったようにスカスカ。
 ぼくが昔書店でバイトしていた頃に、たまにこんな感じの本が配本されてくると、「本を立ててトントントンてたたいたら、隅っこに活字が寄っちゃいそうだよね」「なんかすっごい損してる気がするなあ」なんて噂し合ったものですが、最近はこのくらい活字がパラパラでないと読者がついてきません。
 
 しかし、京極夏彦のメモブロックみたいな本や、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』がベストセラーになるのですから、読者は面白ければ文字が小さかろうが詰まっていようが読んでくれる気もするのですが。
 ただ、よく売れたこととその本が読まれたことは別の問題で、ヨースタイン・ゴルデルの『ソフィーの世界』、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』などは、話題作であり、何十万部も売れたベストセラーですが、実売数の1割も読破されていないのではないかと言われていました。

 そのような活字文化の変遷の中で、新聞活字が大きくなるのも自然なことのようです。
 そういえば、日本人に眼鏡が多いのは、画数の多い漢字を小さな活字で、しかも薄暗い部屋の明かりで読むからだ、と言われていました。
 「蛍の光窓の雪……」あれは目を悪くします、絶対。
 ついでに、薪を背負って歩きながら本を読んでいる二宮金次郎。あれも目を悪くしますし、車にはねられても知らないぞ。
 二宮金次郎は戦前の修身の教科書には必ず載っていて、小学校には像が建っていました。でも、時代が変わって現代では「悪い見本」ということになりそうですね。

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相撲見物に行ってきました

2008年02月16日 | スポーツ
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 小学校のイベントに相撲見物があって、子どもの付き添いで両国の国技館に行ってきました。青空の下、櫓太鼓の音が響きます。

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 引退した隆乃若の断髪式を兼ねた記念大相撲で、本場所ではなかなか見られない催しがあります。
 無量は初切り(しょっきり)がすっかり気に入ったようです。

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 まげをつかんで投げ飛ばしたり、足で蹴っ飛ばしたり、「こう言うのは反則ですから」というのをわざとやって、笑わせてくれます。

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 行司さんだって標的になります。写真は烏帽子をはじき飛ばしてからかっているところです。
 力士にこんな演技力があるのかと思えるほど、実にタイミングも間の取り方もよくて、もっとテレビなどで見せればいいと思うのですが。

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 この日のメインは断髪式ですが、1時間以上もかけて数十人のゲストが入れ替わり立ち替わりはさみを入れていきます。
 どういう人たちがやるのか、荻窪の春木屋の社長やらジャパネットタカダの社長なんかもいます。これ、申し込めばだれでもできるんでしょうか。
 しかし、子どもにとっては苦痛。無量もすっかり飽きてしまって「帰ろうよ」。
 「まだこれからお相撲をやるんだよと」なだめることしきり。
 途中で相撲博物館にも行ってみましたが、“あれ? こんなにしょぼかったっけ”と思うほど狭かった。
 以前見たことがあったはずですが、もうちょっと見ごたえがあったような気がしていました。
 学校の教室くらいの広さに、若貴やら井筒三兄弟やら、兄弟力士を紹介する企画。
 5分で見終わりました。

 「じゃあ弁当でも」と、事前に申し込んでおいた弁当を広げたところ、「なんじゃこりゃ!」。
 2000円もするのでさぞかし豪華なお弁当だろうと思ったら、コンビニの幕の内弁当と大差のないものに、スナック菓子と小さいペットボトルのお茶。
 おまけに味も最悪で、コンビニ弁当の方が100倍ましです。
 あまりのおいしくなさに、無量は半分も食べないで残してしまいました。もったいない。

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 ようやく断髪式が終わって、中入り後の取り組みです。
 横綱の土俵入りは白鵬から。両手を広げての競り上がりは不知火形。

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 朝青龍の雲竜型土俵入り。

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 前頭から順に取り組みが進んで、本場所と同じように最後は横綱同士。
 うっちゃりで白鵬が勝ちました。

 本場所ほどの緊迫感はありませんが、これはこれでけっこう楽しめます。
 冗長な断髪式をなんとかしてほしいのと、あの弁当はだめですね。
 今度行く機会があったら、弁当は絶対自前にします。あれで2000円は詐欺です。

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米軍は日本から出て行け!

2008年02月15日 | うんちく・小ネタ
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*極東最大の嘉手納基地。(Google Earth)

 「基地の中に沖縄がある」といわれるように、日本国内にある米軍基地の7割以上が沖縄に集中しています。
 那覇空港に降りて車で北に向かうと、基地や駐留米軍の施設を囲むフェンスが、次また次とあらわれます。
 琉球王国から続く伝統の島は、すっかり米軍基地で覆い尽くされてしまっています。
 先頃の女子中学生暴行事件は、そうした環境の元で、起こるべくして起きたのです。事件が起きるたびに米軍の幹部は、「二度とこのような不祥事が起きないように最善の努力をする」と繰り返しますが、何ら改善されることはありません。

◆米軍基地容認と思える投稿について
 さて、今日の昼「糸満市民」と称する人から、2月12日付の「またかよ!海兵隊」という記事に次のようなコメントが投稿されてきました。

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博士、問題の本質は、少女を襲った変態が一部の米兵であったことと、少女が警戒心も怠ってバイクに乗ってついてったこのしつけの無さにあるんですよ。
考えてみて下さい。日本全体で少女暴行事件は年間2000件も発生してるんですね。そのうち、米兵によるものは4件なんです。
それなのに、あなたはそのうちのたった1件を取り上げて、政治的議論に持ち込もうとしている。これはどう見ても公正な議論とは思えません。

どうか、問題の本質を見誤らないで頂きたい。
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 無視しようとも思ったのですが、同じように考えている人が少なからずいるのではないかと思い、ここに記事にすることにしました。

 投稿者が本当に「糸満市民」なのかどうかはわかりませんが(笑)、「問題の本質を見誤らないで頂きたい」という言葉をそのままそっくりお返ししたいと思います。
 まず、日本の国内で起こっている日本人どうしの暴行事件と、駐留米軍兵士が日本人の少女に暴行したことは、まったく別の問題である、ということです。
 誤解のないように言っておきますが、日本人の暴行事件が問題ではないという意味ではありません、それとこれとは別の問題として考えなければならない、ということです。そうでないと、それこそ本質を見誤ります。
 この投稿にあるようなことを内閣総理大臣が発言したとしたらどうなると思いますか、内閣は総辞職、衆議院解散です。

 なぜ別の問題なのかと言いますと、日本に居住している国民と、駐留軍兵士は同じではない、ということです。
 「日米安全保障条約」によって、きわめて不公平な条件の元に、日本の領土の一部を米軍施設として占領し、過去にはベトナム、今はアフガニスタンやイラクを攻撃するための前線基地として存在する、軍事施設に派遣されている兵士による事件だ、ということです。
 言ってみれば、本来いるべきでない存在なのですから、1件たりとも犯罪を起こすなどということはあってはならないのです。
 分かりやすく言えば、同じ日本人でも、教師や警察官が少女暴行事件を起こしたらどうでしょう。「年間2000件も発生してる」うちのたかが1件として済まされると思いますか。

 駐留米兵による事件は暴行事件だけでなく、また沖縄に限らず横須賀でも佐世保でもその他の基地周辺でも、無銭飲食や窃盗、暴力事件などが無数に起きています。それが表面化しないのは、地元民との利害関係や、“あきらめ”があるからです。
 また、騒音や暴発・誤爆事故、墜落事故など、基地周辺の住民は常に危険にさらされています。表立った事件にならなくても、ノイローゼや不眠症、乳幼児の生育不全など、その影響は計り知れません。
 したがって、今回の少女暴行事件は「2000件」の日本国内の暴行事件の一つではなく、そうした米軍基地が抱える多くの問題のなかで、明らかに表面に出てきた米軍基地関連の大問題なのだという見方が必要なのです。
 単なる暴行事件ではなく「米軍基地が存在することによって起きた事件」だということです。

 もちろん、誘いに乗ってついていってしまった少女にも問題がないとは言えません。では、「しつけ」ができていなければ、犯罪に遭遇しても文句は言えないのでしょうか。中学3年と言えば、大人と子どもの中間で、身体は大人でも、精神的にはまだまだ自分の欲求が優先される、子どもっぽい要素の方が多い年齢です。
 米兵は、本来ならばそのような子どもたちを守らなければならない立場です。「変態」を軍人として採用し、さらに日本に派遣する方が問題でしょう。

 「糸満市民」と称するこの投稿者にとっては「(星の数ほどある暴行事件の)1件を取り上げて、政治的議論に持ち込もうとしている」のが間違いだと考えているようです。しかし残念なことに、これはもうすでに政治問題です。
 これは「米軍にもっと居続けてほしい」と思っている人々に多く見られるレトリックですが、このような考えの人々の多くは、「駐留軍によって商売が成り立っている」場合が多く、米軍が日本から撤退すると、生活が成り立たなくなるのではないか、とおびえているわけです。
 しかし、健全な生活や子どもの将来を考えた場合、いつまでも米軍に依存する生活は考え直すべきではないでしょうか。そして、そのための方法を真剣に考えるべきです。
 先日、大田昌秀元知事にお会いした際、「米軍基地がすべて返還されれば、基地周辺で得ている利益の何百倍もの収益が得られる」とおっしゃって、そのことに関する資料が集まったので本を執筆中だということです。
 たしかに、米軍に占領されている土地の広さは半端ではありません。それを有効活用すれば、どれだけ沖縄が潤うことか。

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市街地のど真ん中にある普天間飛行場。(Google Earth)

◆どうして米軍基地が存在するのか
 宜野湾市のど真ん中にある普天間飛行場は長年基地関連被害の象徴とされてきました。墜落事故の危険、騒音など、住民は心の落ち着く日はないと言われています。
 あまりに危険度が高いために早急に撤去が必要とされ、検討されてきましたが、政府自民党と米国政府による住民を無視した暗黙の了解で、辺野古に海上基地を作り、そこに移転させようということになりました。

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普天間→辺野古移転計画(けしば・新城リーフレット)

 しかし、その海域は天然記念物のジュゴンが生息するなど、自然が豊かな美しい海なのです。本国のアメリカでさえ、この移転を疑問視する声が上がっているほどです。
 どうして、普天間基地を撤去するのでなく、むりやりにでも“移転”しなければならないのでしょう。
 米軍が日本に居座る根拠は「日米安全保障条約」です。これは、憲法九条によって一切の軍備を持たない日本を米軍が守る、ということから始まったものです。
 しかし今、日本の自衛隊は世界でも有数の軍事力を持つ「軍隊」にふくれあがっています。事実上、米軍の援助は必要ありません。
 「日米安全保障条約」は10年ごとに改定され、内容が改められます。そしていつの間にか、同盟国として「ともに戦う」ための条約に変化してしまいました。
 分かりやすく言えば、当初は日本を守るためであったのが、今ではアメリカの戦争に協力するための条約になった、というわけです。

 そして、米軍の施設を建設したり維持するのは日本の企業で、そこには莫大な税金が投入されます。すなわち、駐留米軍のために使われる国民の税金はそっくりそのまま大企業の利益になっているわけです。
 辺野古の海上基地建設も、日本の企業が請け負うことに決まっていて、「まるでハエがむらがる腐った肉」と言われるほどです。
 大企業はすなわち御手洗冨士夫率いる経団連で、経団連からは政府自民党に対し、想像を絶する額の献金が毎年流れています。
 この金額は、基地のある地元に落ちる雀の涙とは桁が違います。
 日本からすべての米軍基地をなくすためには、すべての国民がカネの呪縛から解き放たれ、「腐った肉」に飛びつかない意識を持つことです。そして、「腐った肉」にたかったハエを、民意という“ハエたたき”でたたきつぶそうではありませんか。

 安保条約破棄!
 アメリカは日本から出て行け!

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