ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

ダメだと思う

2011年11月30日 | 日記・エッセイ・コラム
Zerostyle
 
 突然、「ZERO STYLE」なる妙なものが送られてきた。ずっと以前に何らかの都合でJTに会員登録をしたもので、多分その流れだろう。
 「火を使わない、煙の出ない」煙草だそうだ。
 
 自分はかつて、相当なヘビースモーカーであったことは以前書いた覚えがある。一日3箱程度は普通に吸っていた。そのヘビースモーカーは何十年も前にやめていて、今では気晴らしに一日1、2本程度。喫煙者の友人と酒を飲んだりすれば多少増えて5本程度だ。だから、ヘビースモーカーはやめたけれどもスモーカーをやめたわけではない。
 いわば、ライトスモーカー。
 煙草を吸えない環境であれば吸わないので、なにも無理して無煙煙草にまで手を出す必要はまったくないのだが、せっかくなのでどんなものか試してみた。
 
 写真の右にある黒いパイプ状のものがホルダーで、左のアルミでパッケージされたものが、中に入れるカートリッジだ。携帯用におしゃれなケースまでついている。
 万年筆のカートリッジインクみたいなものをホルダーにセットして、吸い口から吸い込む。
 子どものころ、お祭りに行くとこのようなものにミントを入れたものを売っていたのを思い出す。何のことはない、同じ発想だ。
 
 吸い込んでみたが、空気とともにかすかに味と香りがするが、煙草のそれとはほど遠い。甘ったるくてチョコレートみたいである。しかも、煙草独特の刺激がないから、味のついた空気を吸っているようなものだ。
 
 「なんじゃこりゃ?」
 
 最近は街中で喫煙できる場所がほとんどないからおのずと喫煙者が減り、JTとしては売り上げ確保にやっきになっている。まして今年の大幅値上げは喫煙者の現象に拍車をかけた。そこで考えたのが「煙の出ない、火を使わない」煙草なのだろうが、まったく代用品にはならない代物だ。それにもかかわらず、「口腔がんの原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性を高めます」という注意書きがあるのだから、健康の害は通常の煙草と同じくらいあるのだろう。
 
 結論から言って、ノンアルコールビールよりも「ダメ」である。
 
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大田昌秀さん明治大学講演

2011年11月26日 | 昭和史
111125ohta
 
 アジア記者クラブの主催で、大田昌秀さんの講演が明治大学リバティタワーで開催された。
 タイトルは「若いジャーナリストと次世代に」ということだったが、集まった70人ほどの聴衆は平均年齢が高かった。
 それでも、会場が明治大学ということや、『沖縄基地問題の歴史』の著者でもある法政大学の明日川融さんが連れてきた学生たちがいて、いくぶん平均年齢を引き下げていた。
 大田さんに限らず、どうもアジア太平洋戦争中の話しになると、年齢層が高くなる。長く平和が続いて、戦争に対する危機感の薄れがそうさせているのだろうか。実際、20代の若者の多くは、日本が直接巻き込まれるような戦争は起きないと思っている。
 しかし重要なのは、戦争そのものもさることながら、それ以上に過去の戦争によってもたらされた現代への影響を学んでほしいのだが。
 
 この日も、大田さんが熱く語った沖縄戦で「鉄血勤皇隊」として体験した事実から、何が若者たちを戦争に駆り立てたのか、バックグラウンドである戦時教育と軍国主義のあり方を知る必要がある。
 実際の戦闘行為に結びつくかどうかは別にして、15年にわたるアジア太平洋戦争から連綿と続く非人道的な現代の日本の政治姿が垣間見えてくるのだ。
 
 しかし、この日集まった学生さんたちは、基礎知識がしっかりできているようで、終了後一人の学生に感想を聞いてみたところ、明快でわかりやすかったと答えた。
 
 講演の内容は、前回杉並で行なわれた講演会と大差なかったが、何度聞いても良い。自分の知識を確認できるからだ。
 
 ただこの日、懇談会の席上で福島第一原発事故における放射能の話題になったとき、長崎大学の七條和子准教授の研究が参考になると紹介された。あれから多忙でそのままになっているが、近日研究を拝見したいと思う。
 
 もうひとつ。
 立ち話だったが、沖縄独立運動について伺った。「R新報のM氏にそのことを聞いたら、居酒屋独立運動だと切って捨てられましたが」というと、「最近はかなり真剣に語られていて、盛り上がりを見せていますよ」とのことだった。
 沖縄独立が実現するかどうかはともかく、沖縄から米軍基地を一掃するには独立するのがいちばんだと思っているので、沖縄独立運動は応援したい。
 「居酒屋独立運動」などとばかにすることはできない。
 
 大田さんは、来月初旬に開催される丸木美術館主催のイベントのために、またすぐ上京されるそうだ。それについて以下のイベント情報をいただいた。


       ◆◆◆

「沖縄の若者たちによる舞台劇「フクギの雫」東京公 演と大田昌秀氏講演」

沖縄・宮森小学校ジェット機墜落から52年  普天間 基地撤去を求める沖縄の願いを東京で受けとめるため に
劇「フクギの雫」上演と大田昌秀氏講演(夜の部の み)の集い成功のために丸木美術館も取り組んでいま す!
前売り券を販売しておりますので、電話でお問い合わ せ下さい。0493-22-3266

2011年12月3日(土)
昼の部 - 15:00開場 15:30開演
大人:当日3,000円(前売り2,500円)
高校生以下(18歳以下):当日2,000円(前売り1,500円)

夜の部 - 17:30開場 18:00開演
フクギの雫と大田昌秀元沖縄縄県知事講演(19:30~)
大人:当日3,500円(前売り3,000円)
高校生以下(18歳以下):当日2,500円(前売り2,000円)

会場:文京シビック小ホール
・東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅>【直結】
・都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅(文京シビッ クセンター前)>文京シビックセンター連絡通路【直 結】
・JR中央・総武線水道橋駅>【徒歩約10分】

フクギの雫実行委員会のブログ「沖縄・宮森小学校米 軍機墜落事件から52年」練習の様子や現地の情報などの記事がアップされてい ます。ぜひご覧下さい。

詳細はwebで。丸木美術館

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「脱原発をめざす女たちの会」

2011年11月25日 | ニュース
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 23日の祝日、「脱原発をめざす女たちの会」のキックオフ・イベントを取材した。
 吉永小百合さんや竹下景子さん、加藤登紀子さん、吉武輝子さんをはじめ、そうそうたるメンバーが呼びかけ人・賛同人に名を連ねるこの会は、各方面から幅広い支持を受け、「座」高円寺で開催されたこのイベントは参加希望者の申し込みが殺到した。
 PRESS PASSを出版社に頼んだところ、「大変なことになっていて、メディアの方も第二会場になる可能性があります」と言われたそうだ。
 聞けば、本会場の他に別会場を用意し、ネットでつないでモニターで見せているとか。
 
 1時会場のところ、念のためその一時間前の12時に受付を済ませ、最前列をゲットする。当日受付で早い人は9時半頃からならんでいたそうである。まるで「ゆず」のライブだ。
 
01tokiko_katoh
 開会宣言に続いて、加藤登紀子さんが震災後につくったという「今どこにいますか」という歌を披露。
 そして曲の合間にトーク。
 「1945年の7月16日に、アメリカで核実験が成功し、アメリカは早く日本で実験したかった。このことを日本の軍部が知らないはずはない。にもかかわらずポツダム宣言を拒否して、広島長崎に原爆が投下され、多大な犠牲を被ったのはとんでもない状況を把握せずに、碾くべき時に碾かなかったからだ。
 今、日本はそのとんでもない時だ、ここで(原発を)やめられないでどうする。今行動しないでどうするんですか」

 制服向上委員会の「ダッ! ダッ!脱原発の歌」に続き、原発立地予定地で反原発の活動をしている代表者のアピールがあった。
 大間原発で親子二代で反原発運動を行なう小笠原厚子さんは、反原発運動で友人ばかりか親族の絆を引き裂かれても土地を売り渡さなかった母親の意思をついで活動を続ける。
 その土地には母親の名前「あさ子ハウス」が建てられ、運動の拠点になっている。
 
 そのほか、青森から、福島から、福井から、山口から、佐賀から、10人の代表が想いを語った。
 
 続いて、NGOなどで活動するの代表9名が壇上に上がった。
 高木学校の崎山比早子さんは、「今回の大事故を起こした責任者がまだ政策の中枢にいて、安全レベルを操作して「新しい安全神話」を作ろうとしている」と警告する。
 
02kaneko_iwasaki
 俳優座の岩崎加根子さんは谷川俊太郎の詩「生きる」を朗読。熱演!
 
03karin_amemiya
 おなじみのゴスロリ・ファッションで登場の雨宮処凛さんは、「(ドイツなど)海外では事故が起きてすぐ原発の中止を決めた。なぜ日本ではそれができないのか」と、経済優先の日本政府・財界をチクリ。
 
04shizue_ukaji
 アイヌ連絡会の宇梶静江さんは「アイヌにとって、土や水、大地をけがすことは上江の冒涜である」と放射能汚染の責任を東電や国に追及する。

 脚本家の小山内美江子さんは、原爆投下当時の大本営と現在の政府発表を重ねあわせる。「新型爆弾は光だから、白いものを着ろ」といわれ、白いもので放射能が避けられるわけない、正しい判断ができないのは今の政府もおなじだと語った。
 原発がなくなったら日本は真っ暗になるという人がいる。なるわけない、昔は月明かりで恋を語ったものだと、ロマンチックな表現。
 
05kaori_kanda
 講談師の神田香織さんは、数年前から語っているという、「チェルノブイリの祈り」からサワリを一席。続きは高座で。

 和光大学の竹信三恵子さんは、「見えないものを見ることができない人間に、原発の管理はできない」という、たしかに、放射能は目に見えない。

 法政大学の田中優子さんは「第五福竜丸事件のあと、原水禁運動が盛り上がったが、原水協は原子力のことについては語らなかった。平和ということばにだまされてはいけない」と、抑止力のためにプルトニウムをもつという考えに反対し、世界からすべての核をなくそうと訴えた。
 
06chinatsu_nakayama
 中山千夏さんは「原発マネーは特定の場所にしか落ちないが、放射性物質はどこにでも落ちる」。
 「私のための原発メモ」という小冊子を自費出版し、配布しているそうだ。

 元国立市長の上原公子さんは、「私がいちばん腹が立つのは、こんなにひどいことになったのに、だれが責任とったのですか。だれもとってないでしょう。日本て本当に情けない国だと思いますよ」と怒る。
 
07noriko_shintani
 熱っぽいアピールの合間に、冷静さを取り戻せとばかり、新谷のり子さんの歌声が流れる。「フランシーヌの場合」。
 
08keiko_fukushi
 都議会議員の福士敬子さんは、核燃料を運搬中のトラックの列を撮影した写真パネルを持参。運搬コースや日時は極秘なのだそうだが、素人でも写真が撮れるほど警備が甘いと指摘。こんなものが街中を走っているなど恐ろしい。
 
09mizuho_fukushima
 参議院議員の福島みずほさんは「燃料棒が溶解していることを政府が知らさなかったのは残念である。私は、核と人類は共存できない、3月11日をスタートに、脱原発の政策転換向けて、すべての力を結集して勝っていきたい、と思っています」と、自らの行動を宣言。
 
 その他にも、各界で活躍する人々が、それぞれに脱原発、反原発を訴えた。
 
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 作家で評論家の吉武輝子さんは、入院中の病院から「無理矢理一時退院し」急遽外出許可をもらい壇上に上がった。右手で支えたキャスターは酸素ボンベである。
 「日本の男たちは、後始末の思想がない。原発は後始末ができますか。戦争は後始末ができますか。私たちが次の社会に残すのは、安全で平和な社会です。原子力で命が危ない、そういう日本は平和ではありません。次の世代に人たちが、平和で安全に生きるために、一人ひとりが後始末の思想を持って、脱原発、ノー戦争、その旗印を高々と掲げて、次の世代に引き渡してください」と閉会の言葉を述べた。

 ここにアップした意外にも重要な発言が多数あり、しかし、拾いきれていないが、想像を絶する盛会であったことを伝えておきたい。
 
 なお「脱原発をめざす女たちの会」は、来年3月11日に、福島で被災一年目の全国集会を行う。
 さらに、4月7日、6月2日に日本教育会館一橋ホールでのイベントが予定されている。
 
 「脱原発をめざす女たちの会」
 
 
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AKIライブペイント

2011年11月23日 | アート・文化
Aki2
 案内をもらって、久しぶりにAKI+湯川トーベンのライブペイントに行ってきた。会場はライブハウスではなく、世田谷ボランティアセンターの会議室だ。
 前回ここでやった時は、数人しか客がいなくて寂しいライブだったが、この日は出版社などの取材もあって、ほぼ満席だった。
 
 前半は童心に帰ってAKIの原画で塗り絵をやる。
 
 Aki3
 AKIの絵に触発されて、ほとんどの人が自由気侭な色で塗っていた。
 
Aki1
 
 13日に下北沢のロフトに続いて、Soloトーベンは今月2度目だ。音量が制限されるためか、今回は静かな曲が多かったが、AKIとの絡みや塗り絵などと相まって、参加者一同けっこう楽しんだようだ。
 
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中江裕司「真夏の夜の夢」

2011年11月18日 | 映画
Manatsu0
 
 録画しておいた中江裕司監督の「真夏の夜の夢」を観た。
 ご存知ウィリアム・シェイクスピアの祝祭劇「真夏の夜の夢」の沖縄版である。
 実はこの映画の存在を知らなかった。2年ほど前に有楽町のシネカノンなどで公開されたらしいのだが、まったくスルーしていた。
 
 舞台は架空の離島、世嘉冨(ゆがふ)島。ここで育ったゆり子(柴本幸)は東京で不倫相手の敦(和田聡宏)に嫌気がさして帰郷。その後を追って、敦や彼の妻(中村優子)まで島に乗り込んでくる。ゆり子と幼友達のキジムン(精霊)「マジルー」(蔵下穂波)は、眠りから覚めて初めて見た者を好きになる秘薬でいたずらをする。 (ASAHI.comより)
 
 という、まあストーリーは何ということもないのだが、問題はこの映画の台詞のおおかたが「ウチナーグチ」(沖縄方言)なのだ。さっぱりわからないので、外国映画みたいに字幕がでる。
 
 沖縄の役者が多数でていて、さきごろテレビドラマの「テンペスト」にも出演していた平良とみさんが、男役のキジムン王を演じていた。
 
 子どもの精霊「マジルー」のいたずらで、村は知っちゃかめっちゃかになる。
 「監督がマジルーに求めたのは、『混じる』ことが意味するものを表現することだった」そうである。実際、ごちゃごちゃに混じり合った映画だ。
 
 この映画は沖縄で先行上映され、沖縄での映画のタイトルは本土での上映と異なり、「さんかく山のマジルー」とされた。
 「沖縄の人々に、自分たちの映画だと思ってほしかった」そうだからである。
 
 リゾート開発の波が押し寄せたりする社会性を含んではいるものの、反対闘争が起きるわけでもなく、「なんだかなあ」という程度の映画なのだが、ウチナーグチの映画というのがめずらしい。
 
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野鳥の好物

2011年11月15日 | 日記・エッセイ・コラム
【センリョウ】
Manryo
 
 家から駅までは徒歩で13分ほどである。歩くのに何ら問題のない距離だし、その方が健康に良いのだが、忙しさが先に立ち数分の節約のために自転車を使ってしまう。
 たまにぶらぶらと近所を歩くと想いもよらぬ発見があったりするのだが。
 
 鮮やかな赤い実は自転車で通り過ぎる瞬間も目にとまった。あわててブレーキをかけ、持ち歩いているコンパクト・デジカメでとったのがこの写真。
 センリョウ、漢字では千両と書く。マンリョウ(万両)、ジュウリョウ(十両)というのもあって、よく似た実がなるが、センリョウがセンリョウ科の植物であるのに対し、マンリョウとジュウリョウはヤブコウジ科で分類が異なる。
 
 センリョウは正月の飾りに使われるもので、道ばたにこれを見かけると今年も終りが近づいたことを実感する。
 
【????】
Garden
 
 我が家の庭先に突然現れた。去年まではなかったので、恐らく鳥の糞に混じった種が育ったものだろう。近所ではよく見かける植物だが、名前を知らない。
 調べようと思ったが、ネット検索では画像から名前を割り出すことができなかった。
 
【イッサイユズ】
Yuzu
 
 今年も柚子がなった。実が小さいので最初、かぼすか酢橘と思っていたら、一才柚子という小さい柚子があるそうだ。今年は木の半分にツタが絡んでしまい、全体の半分にしか実がつかなかった。
 それでもかなりの数の実がついている。緑色の頃にはさんまの添え物になり、黄色くなったら焼酎に入れる。これが実にうまい。
 
 で、表題の「野鳥の好物」についてだが、とくにセンリョウはヒヨドリの大好物らしく、たちまちなくなってしまう。この時期、柚子も含めて木の実をねらった野鳥の動きが活発で、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、ホオジロなどなど、入れ替わり立ち替わりやってくる。それをカラスがじゃまをする。
 
 先日、野鳥を無許可で大量に飼育して警察に摘発された輩がいた。摘発された中にはいつも見かける鳥がいて、何のために小さな駕篭に閉じ込めるのかと、真意を疑った。
 
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『世界』12月号 「沖縄密約」公開外交文書を読む

2011年11月14日 | 本と雑誌
Sekai201112
 
 『世界』12月号に「『沖縄密約』公開外交文書を読む」と題する澤地久枝さんの報告が掲載された。本号は前半のみで、後半は1月号に掲載される予定である。
 
 渡米した野田総理は、オバマ米大統領に基地建設予定とされる辺野古の地質調査を開始する旨伝え、まったく地元の賛同を得られない計画を強引に押し進めようとしている。体裁を取り繕っているだけなのか、総理になれば何でもできると勘違いしているのか。
 いずれにしろ、沖縄返還時における密約問題が明らかにされるということは、米軍の基地建設に多大な影響を与えると同時に、これまで「本土とは関係のない沖縄の問題」と考えていた多くの日本人に、「これは日本全体の問題だ」と思考の転換を促す材料になる。
 
 沖縄密約といえば、広く知られている二つの問題があり、一つは「返還時における米軍使用地の現状復帰費用、400万ドルを肩代わり」した件、もう一つは、佐藤首相(当時)とニクソン大統領(当時)のあいだで交わされた、「核兵器持ち込みに関する密約」の件がある。
 これらの密約について澤地さんは「すでに歴史として定着している事実」と語る。実際そうだ。
 しかし、アメリカ公文書館ではすでに公開されている密約文書のすべてを、「外務省には存在しないから公開できない」と言い張り、いまだに密約の存在自体を認めていない。後者については佐藤首相とニクソン大統領との、それぞれのサインがある密約文書が、首相官邸から持ち帰った執務机の引き出しから発見されたが、外務省はそれも外交文書として認めていない。
 
 澤地さんの報告では、日米の外交文書から全貌を暴き出したのは「市民」の力だったと語る。我部政明氏をはじめとした調査グループによって、膨大な密約資料が整理された。その資料のなかにはタイトルだけで本文のないもの、殴り書きのメモのようなものまであったという。つまり、政府の都合に合わせて文書が保管されていた、ということである。
 しかしその乱雑な保存文書から見えつつあるきわめて人間的なやりとりの中から、藁に浮く深いところに隠された「真実」が見え始めていることも事実である。名著『密約』(岩波現代新書)を補完するものとしてこの調査は重要である。
 
 澤地さんの言う通り「密約」は「まさに氷山の一角」であったことが垣間見え、全国民をだまし続けた政府の犯罪の全貌が明るみに出されようとしていることを感じる。
 ただ、政権交代はしたものの、自民党化した民主党政権のもとでは、まして保守的な野田内閣のもとでは、口のまわりにあんこをいっぱいつけたまま「食べてない」と言い張ることであろう。
 
 本号では関連して、琉球大学教授新城郁夫氏の「沖縄の傷という回路」と、朝日新聞記者、諸永裕司氏の「密約文書はだれのものか」の、二つの評論が併載されている。前者は米軍との関係における日本政府のあり方から、八重山教科書問題まで。後者は密約裁判の概略と外務省(政府)の態度を解説しまとめたものである。共に興味深い。
 
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竹西寛子さんについて

2011年11月08日 | 本と雑誌
Takenishi1
 
 竹西寛子さんという素敵な小説家を知ったのは、実はごく最近だ。『図書』10月号に大江健三郎さんの連載コラムで紹介されているのを読んで初めて知った。数々の受賞歴を持ち現在は日本芸術院会員という輝かしい経歴を持つ偉大な作家なのだが、恥ずかしながら自分の知識のフレームからすっぽりと抜け落ちていた。
 偉そうなことを言って竹西さんのことも知らなかったのかと、ブログの読者からお叱りを受けそうだが、実際存じ上げなかったのだからしかたがない。
 それにしても、このところ自分がいかにものを知らないかを痛切に感じる。鳩山由紀夫ではないが、「学べば学ぶほどに」知らないことが次々に出てきて際限がない。
 
 さて、大江さんは『図書』のコラム「親密な手紙」の中で次のように書いている。
 
  読み終って、すぐ幾度も読み返し始め、じつにマレな短編作家だと感嘆した。永く友達ではあるが色濃い付き合いではない人の手紙がまとまって残っているのを、紙箱から取り出して読むことがある。そのような手紙に似ている。
 『竹西寛子全歌集』という立派な本を古書店の棚に見つけた気がして無益に昂揚したことがあったけれど、『詞華断章』(岩波現代文庫)のような本の著者に、そうしたことはありえないものか、とも思って来た。しかし、竹西さんは散文によってそれをなされてきたのであって、この美事な短編小説集(『五十鈴川の鴨』幻戯書房)がある、と心から納得する。

 
 『竹西寛子全歌集』という本は存在しないのでこれは大江さんのレトリックだが、選ばれた言葉の美しさをそう表現されたのであろうと理解できる。
 長く「美しい言葉」による感動を受けていないので、みずからの言葉の幅を広げたいという目論見もあって、竹西さんの著作を二冊入手した。
 
Takenishi2
 
 『詞華断章』と最新刊の『五十鈴川の鴨』で、ともに大江さんがコラムで語っていたものだ。
 
 竹西寛子さんは広島に生まれ、戦時中は学徒動員により軍需工場などでの勤労奉仕に従事していたが、8月6日はたまたま体調を崩して爆心地から2.5キロ離れた自宅にいたため、大きな被害は免れることができた。しかし多くの級友を失い、このときの体験が以後の作品に多大な影響を与えているという。
 
 『詞華断章』は万葉集から芭蕉・蕪村・与謝野晶子など、古今の詩歌を題材にした随筆集で、言葉の豊かさ美しさを説く。
 
 『五十鈴川の鴨』は8編の短編小説からなる。まる10年をかけて書き連ねられた短編集である。読み始めたとたん、その言葉の美しさに思わず襟を正した。
 表題の「五十鈴川の鴨」は男性の目線から書かれ、学校も会社も異なる、本来ならば出会う機会もないはずの二人が、企業の研修会をきっかけに友情を育む。しかし、相手の男はいつまでたっても素性を明かそうとしない。自分の内情にかかわる質問があると、さりげなく交わしてはぐらかせてしまうのだ。
 その岸部という男が亡くなったと一人の女性が知らせにくる。病名はわからず、しかし彼女から被爆に根ざした障害の決意を「託(ことづ)け」られた。
 原爆に出会わなければ岸部は多分、この女性を妻に迎え、別の人生を歩んでいたことだろう。
 女性からうけた友人からの託けは、あまりにも衝撃的で重いものだった。
 被爆、原爆症、別離という重いテーマを、竹西寛子さんは選ばれた言葉で淡々と記している。
 
 宝石のような美しい言葉の群に入り込み、これは何度でも読み返したくなる作品群である。
 
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2011年「鮭パーティー」

2011年11月02日 | 食・レシピ
201110301
 
 震災と原発事故で、昨年まで鮭を送ってもらっていた福島県浪江町請戸の港が壊滅したため、今年は友人に紹介してもらった札幌の専門店から購入した。
 大きさはかなりのものだ。1メートルのまな板からはみ出す。
 
201110302
 
 今回のメインディッシュは、サーモンステーキにした。フライは手間がかかるうえ後片付けがたいへんだからだ。そのかわり、ローズマリーとタイムで時間をかけて香り付をしたオリーブ油で下味をつけ、スパイスだけで塩味は抑えめにした。
 
 最初に海鮮サラダと鮭の唐揚げを出してとりあえず一杯やってもらう。海鮮サラダには、別に注文したルイベをそえた。このルイベはうまかった。
 あら汁といくら丼はいつも通りである。
 
 だが、福島産の鮭と比べていささか味が落ちる。脂ののりがいまいちで、イクラもスーパーで売っているものと変わりない。これはどうしたことかと、クレームというわけではなく、知識として教えてほしいと店に問い合わせた。
 結果、こちらの調査不足だったのだが、東北と北海道では鮭の旬が一か月以上も違うという。北海道ではお盆明けから鮭漁が始まって、10月はもう終りなのだそうだ。しかも今年は鮭が不良で、良いものが上がらなかったそうだ。
 年によって違いはあるものの、東北では鮭が上がり始めるのが10月中旬で11月上旬までは型のいいものが上がっていた。ただ旬の時期が短かったので、10月に入ったらすぐに様子を問い合わせてパーティーのスケジュールを決め、もっともおいしいときに集まってもらっていた。
 ちなみに今回のような程度の鮭であれば、何も北海道から取り寄せることはなかったのだ。
 来年からはお盆明けには問合せて、その年の旬を確認したうえでスケジュールを立てたいと思う。しかし、9月ではいかにも早すぎるので、岩手か宮城あたりの漁港に問い合わせてみようかとも思っている。
 
 もしかすると、これからさき何度かは鮭探しについやされそうである。
 それにしても、震災と、いやそれよりも港の復興ができなくなった原発事故は、このようなささやかな幸せも奪ってしまうのだと、つくずく感じた。
 
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