23日の祝日、「脱原発をめざす女たちの会」のキックオフ・イベントを取材した。
吉永小百合さんや竹下景子さん、加藤登紀子さん、吉武輝子さんをはじめ、そうそうたるメンバーが呼びかけ人・賛同人に名を連ねるこの会は、各方面から幅広い支持を受け、「座」高円寺で開催されたこのイベントは参加希望者の申し込みが殺到した。
PRESS PASSを出版社に頼んだところ、「大変なことになっていて、メディアの方も第二会場になる可能性があります」と言われたそうだ。
聞けば、本会場の他に別会場を用意し、ネットでつないでモニターで見せているとか。
1時会場のところ、念のためその一時間前の12時に受付を済ませ、最前列をゲットする。当日受付で早い人は9時半頃からならんでいたそうである。まるで「ゆず」のライブだ。
開会宣言に続いて、加藤登紀子さんが震災後につくったという「今どこにいますか」という歌を披露。
そして曲の合間にトーク。
「1945年の7月16日に、アメリカで核実験が成功し、アメリカは早く日本で実験したかった。このことを日本の軍部が知らないはずはない。にもかかわらずポツダム宣言を拒否して、広島長崎に原爆が投下され、多大な犠牲を被ったのはとんでもない状況を把握せずに、碾くべき時に碾かなかったからだ。
今、日本はそのとんでもない時だ、ここで(原発を)やめられないでどうする。今行動しないでどうするんですか」
制服向上委員会の「ダッ! ダッ!脱原発の歌」に続き、原発立地予定地で反原発の活動をしている代表者のアピールがあった。
大間原発で親子二代で反原発運動を行なう小笠原厚子さんは、反原発運動で友人ばかりか親族の絆を引き裂かれても土地を売り渡さなかった母親の意思をついで活動を続ける。
その土地には母親の名前「あさ子ハウス」が建てられ、運動の拠点になっている。
そのほか、青森から、福島から、福井から、山口から、佐賀から、10人の代表が想いを語った。
続いて、NGOなどで活動するの代表9名が壇上に上がった。
高木学校の崎山比早子さんは、「今回の大事故を起こした責任者がまだ政策の中枢にいて、安全レベルを操作して「新しい安全神話」を作ろうとしている」と警告する。
俳優座の岩崎加根子さんは谷川俊太郎の詩「生きる」を朗読。熱演!
おなじみのゴスロリ・ファッションで登場の雨宮処凛さんは、「(ドイツなど)海外では事故が起きてすぐ原発の中止を決めた。なぜ日本ではそれができないのか」と、経済優先の日本政府・財界をチクリ。
アイヌ連絡会の宇梶静江さんは「アイヌにとって、土や水、大地をけがすことは上江の冒涜である」と放射能汚染の責任を東電や国に追及する。
脚本家の小山内美江子さんは、原爆投下当時の大本営と現在の政府発表を重ねあわせる。「新型爆弾は光だから、白いものを着ろ」といわれ、白いもので放射能が避けられるわけない、正しい判断ができないのは今の政府もおなじだと語った。
原発がなくなったら日本は真っ暗になるという人がいる。なるわけない、昔は月明かりで恋を語ったものだと、ロマンチックな表現。
講談師の神田香織さんは、数年前から語っているという、「チェルノブイリの祈り」からサワリを一席。続きは高座で。
和光大学の竹信三恵子さんは、「見えないものを見ることができない人間に、原発の管理はできない」という、たしかに、放射能は目に見えない。
法政大学の田中優子さんは「第五福竜丸事件のあと、原水禁運動が盛り上がったが、原水協は原子力のことについては語らなかった。平和ということばにだまされてはいけない」と、抑止力のためにプルトニウムをもつという考えに反対し、世界からすべての核をなくそうと訴えた。
中山千夏さんは「原発マネーは特定の場所にしか落ちないが、放射性物質はどこにでも落ちる」。
「私のための原発メモ」という小冊子を自費出版し、配布しているそうだ。
元国立市長の上原公子さんは、「私がいちばん腹が立つのは、こんなにひどいことになったのに、だれが責任とったのですか。だれもとってないでしょう。日本て本当に情けない国だと思いますよ」と怒る。
熱っぽいアピールの合間に、冷静さを取り戻せとばかり、新谷のり子さんの歌声が流れる。「フランシーヌの場合」。
都議会議員の福士敬子さんは、核燃料を運搬中のトラックの列を撮影した写真パネルを持参。運搬コースや日時は極秘なのだそうだが、素人でも写真が撮れるほど警備が甘いと指摘。こんなものが街中を走っているなど恐ろしい。
参議院議員の福島みずほさんは「燃料棒が溶解していることを政府が知らさなかったのは残念である。私は、核と人類は共存できない、3月11日をスタートに、脱原発の政策転換向けて、すべての力を結集して勝っていきたい、と思っています」と、自らの行動を宣言。
その他にも、各界で活躍する人々が、それぞれに脱原発、反原発を訴えた。
作家で評論家の吉武輝子さんは、入院中の病院から「無理矢理一時退院し」急遽外出許可をもらい壇上に上がった。右手で支えたキャスターは酸素ボンベである。
「日本の男たちは、後始末の思想がない。原発は後始末ができますか。戦争は後始末ができますか。私たちが次の社会に残すのは、安全で平和な社会です。原子力で命が危ない、そういう日本は平和ではありません。次の世代に人たちが、平和で安全に生きるために、一人ひとりが後始末の思想を持って、脱原発、ノー戦争、その旗印を高々と掲げて、次の世代に引き渡してください」と閉会の言葉を述べた。
ここにアップした意外にも重要な発言が多数あり、しかし、拾いきれていないが、想像を絶する盛会であったことを伝えておきたい。
なお「脱原発をめざす女たちの会」は、来年3月11日に、福島で被災一年目の全国集会を行う。
さらに、4月7日、6月2日に日本教育会館一橋ホールでのイベントが予定されている。
「脱原発をめざす女たちの会」
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