ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

レインボウペッパーとピンクソルト

2014年12月10日 | 食・レシピ


 先日、高円寺の商店街で輸入品のレインボウペッパー(写真左)とピンクソルト(写真右)を見つけた。めずらしいものではない。しかし、どこにでも売っているというわけでもない。
 とくに、レインボウペッパーは、なかなか気に入ったものに出会えない。SB食品の小袋入りならスーパーでも売っているが、割高で品質もいまいち。

 レインボウペッパー(ミックスペッパー)とは、4種類のペッパーをミックスしたものだ。ブラックペッパーをベースにホワイトペッパーピンクペッパーグリーンペッパーの4種類。
 ブラック、ホワイト、グリーンは収穫時期の違いだけで同じもの、熟成度が異なる胡椒である。ピンクペッパーはコショウボクという木の実。似ているがまったくの別種である。
 レインボウペッパーの生命線は、このピンクペッパーの量とバランスにある。これが独特の香りを醸し出す。ただ、大変高価なスパイスだ。
 もしかすると、独特のエスニックな香りが苦手という人もいるかもしれない。好きな人にはこたえられないのだが。
 
 このレインボウペッパー、種類も価格もさまざまで、お買い得と思って買って帰ると、ピンクペーパーが数粒しか入っていないことがある。ほとんどがブラックペッパーで、あの独特の香りになかなか出会えない。最初にこんな手抜き品にぶちあたると、なんだ、ブラックペッパーと変わらないじゃないか、とがっかりすることになる。
 
 レインボウペッパーと最初に出会ったのは、事務所に出入りしている友人がきっかけだった。それは瓶に入っていて、バランスがとてもよかったが、同じものは国内では売っていないらしい。
 その友人はフランスで買ってきて、別の友人にもプレゼントしたら、腐っていると捨てられてしまったとか。さまざまな色がまじっているので、そう思ったのだろうけど、ペッパーはそうそう腐るものではない。もったいない。
 
 肉料理はもちろん、サラダにもスープにもいける。
 
 ピンクソルトも同じ店で買った。レインボウペッパーの隣に置いてあった。「ピンク・ヒマラヤン・ソルト」とある。
 ヒマラヤ山脈が海底にあった頃、2億5千万年前の海水でできた塩で「塩の化石と」呼ばれていると紹介されている。
 だからなんだ、塩は塩だろう、と言うなかれ。一口に塩と言っても実に奥深い。まず、海でとれるか山でとれるか、自然乾燥と工場で乾燥するのではまったく味が違ってくる。沖縄の塩専門店「塩屋」によると、海水を取水する深度によっても味が異なるという。数百メートルの深海の海水から作った塩というのがあった。試食したが違いはよくわからなかった。
 
 で、このピンク・ヒマラヤン・ソルト、岩塩なのでちょっと解けにくく、その分舌にピリッとくる。なのにコクがある。いろいろ試したが、五穀米にちょっぴりかけると最高だった。あとはサラダがいい。
 調子に乗って使いすぎると、塩分摂り過ぎになる。血圧によくない。
 
 実はこの岩塩のブロックが、インテリアとしてずっと前から我が家に飾ってある。取引先の出版社の社長から、ネパール土産でいただいたものだ。これは食べていないので味はわからないが、色が似ているし同じヒマラヤなので、きっと似た味なのだろうと思う。
 
 昔から香辛料好きである。ペッパーも塩も、凝りだすときりがない。世界中のペッパーを集めてコレクションしている人もいるが、自分はそこまで流行らない。

荻窪ラーメン「ねいろ屋」

2012年02月27日 | 食・レシピ
1
 二日続けて食べ物の話だ。
 ほんとうは、名古屋市長のおバカ発言やそれに輪をかけて大バカな石原発言があって、このところずっと腹が立っていたが、怒りにまかせて記事を書くととんでもない暴言を吐きそうだ。そうすると右翼の荒らしでブログが炎上するので、もう少し熱を冷ましてからにする。
 食べ物の話なら。だれも文句はあるまい。
 
 で、なぜ食べ物の話かというと、家族が佐世保に行っていて食事を作ってもらえないからだ。自分で作れないわけではないし、腕に自信はあるけれども、面倒なのだ。
 
 じつはこのラーメン店「ねいろ屋」は今月20日に開店したばかりだ。場所は老舗「二葉」の天沼店があったところで、二葉で修行していた従業員が暖簾分けをしてもらったふうである。
 いろいろインタビューしたかったが、店が立て込んで来たのでやめた。
 
2
 店内の雰囲気は、二葉から基本的には変わっていない。カウンターや壁などがきれいになっていて、壁に飾ってあった出汁の魚の額がなくなっていた。しかし、「防腐剤・着色料は使用していません」と書かれた、二葉店主の看板は残されていた。
 
3
 二葉はいりこ出汁の醤油味だったが、ここは塩。メインの「塩ラーメン」750円がこれ。
 麺は太麺の縮れ麺で、一口目はちょと太すぎないかと思ったが、滑らかで汁がよくからむ。スープは悪くはないが塩味がまだ若い。熟成された感じがしないのだ。塩が出しゃばりすぎていて、出汁を殺している。点数は60点。出汁の工夫と塩の選択でもっと美味くなるはずだ。
 チャーシューは最高の出来だ。とろけるように柔らかくて味が濃すぎず、申し分ない。
 来月もう一度行ってみよう。スープに変化があるかどうか楽しみだ。
 
4
 調理場の奥に製麺機がみえる。さすがに手打ちではないようだ。最初、若い男性がひとりでやっているのかと思ったが、帰り際に女性店員が加わった。雰囲気から若夫婦ではないだろうか。ちょっと応援したくなる。
 
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韓国料理「コチュナム」

2012年02月25日 | 食・レシピ
Kochu1
 
 荻窪駅北口を出て教会通りを入った左側に、「コチュナム」という韓国料理店がある。昨年の秋、10月に開店してまだ4カ月ほどである。
 開店当初から、アシのYが昼食用にチジミをテイクアウトしていて、安くて美味いといっていた。
 今、義父の四十九日で家族が佐世保に行っているものだから、夕食は外食にしたいと思っていて、どこにしようかと商店街をぶらぶらしていたところ、アシのYがここを提案した。
 
Kochu2
 マッコリはボトル一本分(1500円)をカメで出す。カップ6、7杯はとれそうで、グラスが1杯400円だから経済的だ。甘みを抑えた爽やかな飲み口で、いくらでもいってしまいそうでアブナイ。映画「HERO」で、韓国の屋台で雨宮(松たか子)がべろべろになったあのスタイルである。
 
Kochu3
 おそるおそる頼んだ「青唐辛子チジミ」。相当辛いかと思ったがさほどでもなかった。それどころか、上品な味でお薦めしたい一品だ。同時に頼んだ「豚キムチ炒め」も唐辛子がたっぷり入っていたが、決して辛いばかりではなく、いい味だった。
 女将さんが「辛くないですか?」と聞いてきた。
 「いえ、もっと辛いと思っていましたがとてもおいしいです」
 「ご希望で、辛さは調節できますよ」
 と、いうことだそうだ。
 
Kochu4
 この日のヒットはこれ、「ゴーヤ・ナムル」。
 珍しいと思って頼んだのだが、これがすこぶるいける。どういう風にしたのか、苦みがほとんどない。自分としてはもう少し苦みが残っていたほうがゴーヤのよさが生きると思ったが、タレが実に美味く、ゴーヤのシャキシャキ感もしっかり残っている。
 これは来る度に頼んでしまいそうだ。
 
 頼んだメニューは総じてどれも平均以上の味だった。胡同101のように長く続いてほしいが、金曜日の7時過ぎなのに客はまばら。教会通りの外食産業で長続きする店は少ないので、なんとかがんばってほしい。
 テイクアウトも可能である。
 
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九州限定! ゆずすこ

2012年01月15日 | 食・レシピ
Yuzusuko
 
 昨年暮れに緊急入院した佐世保の義父が、去る11日肺炎のため亡くなった。
 84歳で、まあ年に不足はないと言っていいだろう。
 14日が友引ということで、12日に通夜を行い13日には告別式という慌ただしいスケジュールになった。
 
 普通は亡くなって一両日は自宅に安置するものだ。理由はいくつかある。亡くなってすぐに埋葬では残された家族が寂しすぎるというのが一般的。
 もう一つは聞いた話で真偽のほどは不明だが、死んだはずの人間が蘇生した例があるという。かつて、土葬が一般的だった時代には、埋められてからあと生き返って墓から自力ではい出し、遺族、いや遺族だった人々を驚かせたという話は度々だそうだ。死亡の判定があいまいな時代なので、心臓が止まったら死んだことにしていたのだろうから、何かの拍子に生き返る可能性は多々ある。
 しかし火葬されてしまっては、その可能性はゼロだ。それでも、万が一という場合を想定して、数日様子を見るという。
 実際、死んだ人間が蘇生したという話は何度か聞いた。又聞きもあれば伝説や噂がほとんどだが、実際にそんな例に出会ったという人の話も聞いた。葬儀屋である。
 告別式が終わって、棺に釘を打とうと親族が順番に石でくぎの頭を叩いていると、棺の中でごそごそと音がする。はじめのうちは、釘を打つ振動で中の遺体が動いているのだろうと思っていた。ところが、釘を打つのをやめても音がする。あわてて棺のふたを開けると、「う~ん」とうめき声が聞こえたそうだ。周囲のそのときの驚きは、想像を絶するものだったそうだ。なぜか、喜んだ人はいなかったという。ま、そのときはの話だろうが。
 しかし結局、さらにその数日後には正真正銘亡くなったそうなので、二度も悲しまされた遺族はたまったものではない。
 義父はそんなドラマチックな出来事が起こるべくもなく、滞りなく荼毘に付された。
 
 葬儀が終わってすぐ、14日の「脱原発世界大会」に参加することになっていたものだから、15日にアスリート育成事業の面接がある長男とともに帰京することにした。まったくもって慌ただしい。
 飛行機の搭乗時間まで間があって、アシのYにもし買えたらと条件付きで頼まれていた「ゆずすこ」なるものを買った。
 九州地方限定で、東京では入手し難い。
 アシのYがネットで見つけて、購入しようと思ったら、商品代金よりも送料が高いのであきらめかけていたところ、急遽佐世保に飛ぶことになったものだから、「葬儀に行く人間に頼むことか?」と思いつつ探してしまった。
 
 「ゆずすこ」とは九州名物の柚子こしょうを使いやすく液体にしたものだそうだ。タバスコのパクリという感がしないでもないが、生産者はまったく意味が違うという。
 柚子に、酢と胡椒(九州では唐辛子を胡椒という。ちなみにさつま揚げはてんぷらである。この際関係ないが)を加えたものだから「柚子酢胡」「ユズスコ」だそうだ。まだ食していないが、どんなものだろうか。
 結構な人気商品らしい。ちなみに、沖縄の島唐辛子を使った「ゆずすこRED」柚子のかわりにショウガを使った「しょうがすこ」なるものもある。いずれもさほど高価なものではなく、税込525円だから、確かに通販で買うには単価が安すぎる。かといって5本も10本もいるものではない。
 なくて困るものではないが、土産物としては面白いかもしれない。
 
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首里の沖縄そば「ほりかわ」

2011年12月22日 | 食・レシピ
Horikawa1
 
 守礼門の下、龍潭池沿いのバス通りから、細い路地を入った住宅地にあった。表通りに看板は出ているもののかなり奥まったところにあるので、見つけられたことは幸運だったといえる。時間に余裕のない駆け足旅行なら、まず立ち寄らない。
 一見おしゃれな喫茶店とも見えるこの店は、じつは手打ちの沖縄そばを食べさせる店だ。まったく知らなかったが、有名な店らしい。
 
 沖縄そばは大衆食であって、東京でいえばラーメン、しかし値段はラーメンより安いのが普通だ。店により味はさまざま、うまい店もあればそうでない店もある。400円程度でも当たれば結構うまい沖縄そばが食べられる。ここのは単品で620円、平均よりいくぶん高い。
 
Horikawa2
 
 出てきた沖縄そばはじつにシンプルだ。上品な器にやや太目の麺と三枚肉が2枚のっていた。薬味はレンゲにのせ、上品に演出されている。たかが沖縄そば、気取り過ぎではないかと思った。
 東京のラーメン屋では、気取った店でうまいラーメンを出すところはあまりない。値段の高いのが場所代ならばがっかりだ。
 
 ところが、予想に反してこれがうまい。麺は滑らかで、沖縄そば独特の粉っぽさ、ざらざら感がない。スープは濃厚ではなくあっさり目だ。沖縄そばらしくないといわれれば、まあそうかもしれないが。
 好みによるだろうけれど、これまで食べた沖縄そばの中ではいちばん美味く感じた。
 
Horikawa3

 何の苦もなく、スープまで完食!
 
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2011年「鮭パーティー」

2011年11月02日 | 食・レシピ
201110301
 
 震災と原発事故で、昨年まで鮭を送ってもらっていた福島県浪江町請戸の港が壊滅したため、今年は友人に紹介してもらった札幌の専門店から購入した。
 大きさはかなりのものだ。1メートルのまな板からはみ出す。
 
201110302
 
 今回のメインディッシュは、サーモンステーキにした。フライは手間がかかるうえ後片付けがたいへんだからだ。そのかわり、ローズマリーとタイムで時間をかけて香り付をしたオリーブ油で下味をつけ、スパイスだけで塩味は抑えめにした。
 
 最初に海鮮サラダと鮭の唐揚げを出してとりあえず一杯やってもらう。海鮮サラダには、別に注文したルイベをそえた。このルイベはうまかった。
 あら汁といくら丼はいつも通りである。
 
 だが、福島産の鮭と比べていささか味が落ちる。脂ののりがいまいちで、イクラもスーパーで売っているものと変わりない。これはどうしたことかと、クレームというわけではなく、知識として教えてほしいと店に問い合わせた。
 結果、こちらの調査不足だったのだが、東北と北海道では鮭の旬が一か月以上も違うという。北海道ではお盆明けから鮭漁が始まって、10月はもう終りなのだそうだ。しかも今年は鮭が不良で、良いものが上がらなかったそうだ。
 年によって違いはあるものの、東北では鮭が上がり始めるのが10月中旬で11月上旬までは型のいいものが上がっていた。ただ旬の時期が短かったので、10月に入ったらすぐに様子を問い合わせてパーティーのスケジュールを決め、もっともおいしいときに集まってもらっていた。
 ちなみに今回のような程度の鮭であれば、何も北海道から取り寄せることはなかったのだ。
 来年からはお盆明けには問合せて、その年の旬を確認したうえでスケジュールを立てたいと思う。しかし、9月ではいかにも早すぎるので、岩手か宮城あたりの漁港に問い合わせてみようかとも思っている。
 
 もしかすると、これからさき何度かは鮭探しについやされそうである。
 それにしても、震災と、いやそれよりも港の復興ができなくなった原発事故は、このようなささやかな幸せも奪ってしまうのだと、つくずく感じた。
 
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コーヒー酎ハイ

2011年10月17日 | 食・レシピ
Cofee
 
 新宿ゴールデン街にある友人の店でコーヒー酎ハイを出していて、これがすこぶるうまい。だもので、家でも飲めるようにとつくることにした。
 
 どうせつくるなら、店に出せるような本格的なものをと、その友人に教えてもらったやり方ではじめる。
 
 まず、梅酒の容器でもいいのだが、多少見栄えも考慮して、写真のようなのを購入した。商売ではないので2.2リットル入りで十分と考えた。
 
 焼酎は果実酒用のホワイトリカーがいい。
 コーヒーは豆のまま使って、引き上げやすいように袋に入れる。
 袋は100円ショップで、お茶を煎じるときに使うパックの、大きめの方を買ってきた。
 コーヒー豆をざっくりと入れたパックを二つ入れてある。
 気温にもよるが概ね二週間ほどで出来上がるそうだ。
 
 まる一日経ったところで、写真のような色になった。試しに味見すると、しかしまだ色だけで、コーヒーの味はほとんどしない。
 碾いた粉のコーヒーを使えば数分でできるそうだが、それだとアルコールが入ったアイスコーヒーになってしまう。豆から時間をかけて出すことで、味が丸くなり、コクも出るのだ。
 
 最初は薄い黄金色だったのがウィスキーのような琥珀色になり、それがコーヒーの色へと変わっていく。
 実に美しい。
 二週間後が楽しみである。
 「ときどき味見して、いいかなと思ったら引き上げてね」といわれているが、味見しているうちになくなってしまうかもしれない。
 
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橘家の食卓

2011年05月30日 | 食・レシピ
Tachibanake
 
 「JIN?仁?」。ご存知大人気ドラマである。
 腕のいい外科医が幕末の江戸にタイムスリップするという奇想天外な設定だが、主演の大沢たかおと綾瀬はるかの好演もあって、TBSとしては久々の大ヒットドラマになった。
 あえて批評などという野暮なことはするまい。だって面白いのだから。
 
 その人気に乗って、商魂逞しいセブン‐イレブンは「JIN?仁?」キャンペーンを行った。
 その関連商品の「橘家の弁当」と「安道名津(あんどうなつ)」ナルモノをカミさんとアシのYが買ってきた。
 「安道名津」ナルモノは、江戸に流行った脚気を治療するために、ビタミンB1の含まれた玄米を、白米しか食べない人々に抵抗なく食べさせようと、南方仁先生が考案したものである。
 
 玄米も含まれて、まあコンセプトは合っていると思う。しかし、ショートニングだのバターだの、江戸時代にはなかったはずの食材や添加物がふんだんに入っている(以下の写真参照)。甘さも結構あって、砂糖が貴重品だった時代のものではない。
 
An_dohnattsu
 
 つまりこの安道名津、仁の時代のものとはまったく非なる、名前だけのものである。当然だが。
 しかし、まずくはない。
 
 弁当の方はアシのYの昼飯なので試食しなかったが、本人曰く、この値段(450円)でこの内容は安いという。味もそこそこだそうだ。
 そういえば、綾瀬はるか演じる橘咲さんは、揚げ豆腐が得意ということになっていて、仁先生は旅から帰ると真っ先に「咲さんの揚げ豆腐がたべたい」と言っていた。
 弁当の中にはちゃんとそれも入っていて、味見しようと思ったら、もうなかった。
 
 実は、かつて江戸料理に挑戦したことがある。池波正太郎の「藤枝梅安」シリーズでは、頻繁にうまそうな料理が出てくる。
 
 その夜……。
 梅安は、ひとりで、おそい夕餉の膳に向っていた。
 春の足音は、いったん遠退いたらしい。
 毎日の底冷えがきつく、ことに今夜は、
(雪になるのではないか……)
 と、おもわれた。
 梅安は、鍋へ、うす味の出汁を張って焜炉にかけ、これを膳の傍へ運んだ。
 大皿へ、大根を千六本に刻んだものが山盛りになってい、浅蜊のむきみもたっぷりと用意してある。
 出汁が煮え立った鍋の中へ、梅安は手づかみで大根を入れ、浅蜊を入れた。千切りの大根は、すぐに煮える。煮えるそばから、これを小鉢に取リ、粉山椒をふりかけ、出汁と共にふうふういいながら食べるのである。
 このとき、酒は冷のまま、湯のみ茶わんでのむのが梅安の好みだ。
 そこへ、彦次郎がやって来て、
「とうとう、落ちて来ましたぜ」
 と、告げた。
 窓を開けてみると、雪がほたほたと降りはじめていた。
「なんといっても春の雪さ。息がつづきますめえよ」
「さ、ひとつ、どうだ」
「ありがとう。こいつは、うまそうだね、梅安さん」
「浅俐と大根……よく合うものだね」
 彦次郎は、台所から箸と小鉢を取って来て、すぐに食べたり飲んだりしはじめながら、……

 
 で、作ってみた。何とも味気なくてちっともうまくない。
 『再現 江戸時代料理』というレシピ本を買って、その中から「こいつはいけそうだ!」と思う何品かを作ってみた。レシピどおりに作ると、見栄えはなかなか宜しい。しかしまずい。
 江戸時代の味付けは、どれもこれも薄味過ぎるのだ。味付けの基本は出汁と醤油と塩で、砂糖やみりんなどの甘み付はほんの少々だ。だからコクが出ない。
 プロの板前なら、そこはそれ、うまい料理にできるのだろうが、現代風の味付けに慣れた当方にはなかなか効果的な工夫はできなかった。
 江戸と現代ではそもそも素材の味が違うのだろう、と自分を納得させたものである。
 
 タイムスリップした仁先生、橘家でごちそうになって、ご飯がうまいのに感激していた。
 
 「うまいなあ、釜で炊いているからかなあ」
 「釜以外に炊く方法があるのでございますか」
 「……」
 
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 *現在満席です。8月以降からの講習になります。
 
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ひさしぶりの「三ちゃん」

2010年12月04日 | 食・レシピ
Sanchanx
 
 ブログの友人Sさんと、彼が学生時代以来だという荻窪の名物店「三ちゃん」に行った。
 僕自身も1年ぶりくらいだ。自宅で仕事をするようになって、外食の機会がめっきり減った。
 
 やはり、調理人が代わっていた。
 なぜだか「三ちゃん」の調理人は頻繁に代わる。しかも今は一人しかいない。
 かつて、多いときにはこの狭い調理場に三人くらいいたものだが。
 一人だものだから、肝心の餃子が売り切れていて、別のお客さんから譲ってもらった。
 店の存続が心配である。
 
 しかし、調理人が代わっても味は変わらないのが不思議である。
 
 譲ってもらった餃子とレバニラ炒め(これがうまい)、それに焼きそばを注文して、ビールを飲みながらおしゃべりした。
 
 「三ちゃん」はいわゆる荻窪ラーメンの店ではない。餃子屋である。しかし、ラーメンもなかなかいけるのだ。
 
 家に帰るとテレビのバラエティー番組で、荻窪ラーメンのランク付をやっていた。フラッシュで一瞬、「三ちゃん」の写真も見られた。
 
 しかしこの番組のランクはどんな調査方法でおこなっているのか、およそ疑わしい。 
 荻窪ラーメンの代表的な店で登場したのは「二葉」だけで、ここが1位。
 春木屋も丸長も、漢珍亭も出てこない。これらはほとんどのランキングで、上位の常連だ。
 ちなみに二葉は普通4位か5位に位置する。僕個人としては二葉が1位ではあるが。
 
 春木屋や丸長は名前すら出てこなかったので、おそらく取材を断られたのだろう。
 この二店に取材を断られたら、番組としては成立しないはずなのに、むりやり制作し、オンエアした感がある。
 ちなみに、いつも順番待ちで人が並んでいるのは、春木屋と丸長、二葉ぐらいなのだ。そしてこれらの店がいわゆる「荻窪ラーメン」としての定番である。
 番組での2位以下は、野方ラーメン、太陽トマト(行ったことがない)、手もみラーメン 十八番、花月嵐。
 太陽トマトと花月嵐はチェーン店であって荻窪ラーメンではないし、野方ラーメンも言ってみればよそものだ。
 とくに荻窪の花月嵐の味は正直お薦めできるものではない。カップラーメンの方がましである。
 これは完全にタイアップ、宣伝番組に他ならない。こんな番組を見て客が殺到したら、荻窪ラーメンの評判を落とす。
 
 ところで、一瞬写真が出てきた「三ちゃん」は、番組中ではまったく登場していない。このラインナップなら間違いなくベストファイブに入るはずなのだが。
 
 僕のおすすめベストファイブは、二葉、丸長、漢珍亭、手もみラーメン 十八番、最後に春木屋だ。
 
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荻窪散策(12)餃子屋「三ちゃん」


ドラゴン・フルーツ

2010年12月03日 | 食・レシピ
Dragon_fruit1
 
 今日、ひょんなことから「ドラゴン・フルーツ」をいただいた。クソ忙しいときに余計なことで時間を取られていささか腹の立つ出来事が朝っぱらからあったが、これで機嫌が直った。
 単純である。
 
 ドラゴンフルーツ(dragon fruit)はピタヤ(pitaya)ともいう。サボテン科の果物である。
 大きめのリンゴくらいの大きさだ。
 元々熱帯の植物だが、近年は沖縄でも栽培されていて、いただいたものは沖縄産である。
 ドラゴン・フルーツという名は、中国語名の 火?果(火龍果)を英語に置き換えた商品名だそうである。
 
Dragon_fruit2
 
 赤肉種に含まれる色素は、染料や口紅などにも使われるほどなので、衣服などに付着すると落ちにくい。
 
 これまで高級果実店などで見たことはあったが、食べたことはなかった。
 味は薄い甘みがあって、あっさりとしている。外見の荒々しさや「ドラゴン」のイメージとは裏腹に、なかなか上品な味だ。
 酸味の強い果物が好きなアシのYには、ちょっと物足りなかったようだ。
 
 なぜだか子どもたちは食べたことがあるという。いつ? どこで?
 
 いいリンゴが二個買えるほどのばかばかしい値段の果物だし、わざわざ自分では買わないだろうなあ。
 
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SPIRYTUS 96°

2010年10月26日 | 食・レシピ
Spirytus
 
 近所の酒の量販店で見つけたので買ってきた。
 「スピリタス」というポーランド産のウォッカで、酒精度が96度ある。つまりほとんどアルコールな訳で、酒の味はしない。
 そしてもちろん、燃える!
 
 保存は冷凍庫でギンギンに凍らせておく。といっても、アルコールそのものなのだから中身は凍らない。
 凍るのは瓶についた水滴だけである。
 
 そんな酒のどこがいい、と言われるかもしれないが、こういうのが欲しいときもあるのだ。
 
 ポーランドでは、果物をつけ込んだりして果実酒を作るそうで、そのまま飲んだりはしないらしい。
 しかし、酒なのだから、果実酒などというしゃらくさいまねはせずに、直接いきたい……ところだが、ストレートでは飲めたものではないので、庭にうんざりするほど成っている酢橘を使うことにした。
 
 まあ、これも果実酒だといわれてしまえばそれまでだが。
 
 ショットグラスにワンフィンガー。指はタテではない、ヨコ。
 そこに四半分に切った酢橘をキュッと絞り込み、カッとやる。
 ワインや日本酒ならどこに消えたかわからないほどの少量なのに、その存在感たるやすさまじい。
 喉から食道、胃に入るまで通り道がわかる。
 胃に収まったとたんに、全身がクワッとなる。
 
 クッハー!
 
 頭の疲れが一気に飛んでいく。
 
 このところ「ギャーッ」とわめきたくなるような忙しさなのだ。
 深夜12時を回ったところで、「今日はもうやめだ」と校正刷りを脇にどけ、テレビのアクション映画で頭を空っぽにしながら、強烈な酒をガツンとやるのは、手っ取り早いストレスの解消になる。
 
 しかし、気をつけないと胃をやられるし、食道がんの危険もある。
 まあ、ほどほどにしておくことにする。
 
 ポーランドと言えば、第二次大戦中はナチスに侵略されて、オシフィエンチムにあの悪名高いアウシュビッツ収容所が建設された。
 ナチスの兵隊たちはこの強い酒をどうやって飲んだのだろうか。

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中国白酒「水井坊」

2010年01月15日 | 食・レシピ
Shueqingfang
 
 ひょんなことから良い酒をいただいた。
 家族ぐるみでお付き合いをさせていただいているお宅のご主人が、中国出張の手みやげに自宅用にと買い求めて来たが、もったいないことに口に合わず飲めない。カミさんが所用で伺った時に「よかったら」と手渡されたそうで、これがまた、日本では気軽に購入できない高級酒である。
 
 高粱酒特有の匂いは、慣れない人にはたしかにきつい。しかも、酒精度は52度で、火を近づければ燃え上がる。
 ビールや日本酒に慣れ親しんだ人には、なじめないのも納得できる。
 しかし、まろやかな舌触りとコクのある味わいは、好きな人間にはたまらない。
 自分は間違いなく「好きな人間」の部類に入る。
 
 ボトルが実に凝っている。
 底が六角形になっていて、中国の風景画が六点描かれている。
 ボトルは木製の台座に乗り、台座の底には1対の狛犬が描かれた陶器のプレートが填められている。
 ボトルが空になっても安易に捨てられない。
 
 蓋を取ると香りが部屋中に広がる。
 愛用のリキュールグラスにそっとボトルを傾ける。
 出ない。
 ボトルは注ぎ口が細くなっていて、一度にドボッと注げない工夫がされていた。
 こんな酒をドボドボ注いで飲む人はあんまりいないだろう。小さいグラスに少しずつ注いで、ちびりちびりとやる。
 これがいい。
 一口含んでみる。うまい!
 これはうまい。
 酒精度が52度もある強い酒が、なんの抵抗もなく口の中を転がった。
 ふくよかな味が口中に広がる。
 気をつけないと、どんどん行ってしまいそうでこわい。
 
 かつて愛飲していた中国酒は、父親の代からほとんど芽台酒だったが、ものすごく匂いの強い酒で、家族から嫌がられたためにずっとご無沙汰していた。いただいた水井坊は同じような香りはあるものの芽台酒ほど強烈ではない。
 できれば愛飲したいところだが、同じものは日本ではとんでもなく高価だ。水井坊の中でもこれは、高級官僚が中国で接待を受けるときに出されるレベルのものだ。安価な水井坊ではおそらくこのうまみはないだろう。
 それは芽台酒も同じで、高価なものはやはりうまい。あたりまえだが。
 
 それにしても、今年は酒の当たり年だ。良い酒が次々にやってくる。
 これであとは、越の寒梅の大吟醸でもやってくれば、いうことなしだ。
 そうだ、久米仙の12年がまだだった。どこからかテクテク歩いて来ないだろうか。
 
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ボージョレ・ヌーボー2009は980円

2009年11月19日 | 食・レシピ
Nouveau
 
 今年ももう、こんな時期になってしまった。
 なんともはや……
 
 それはともかく、今年のボージョレ・ヌーボーは話題のイオングループ980円ワインを試してみることにした。
 アシのYが自宅近くのマックスバリューで買ってきてくれたのがこれ。
 外見はガラス瓶のようだが、実はこれ、ペットボトルだ。
 で、味のほうはといえば、これがなんと期待を裏切ってそこそこいける。
 あとでヴィラージュも試してみるつもりだが、ここ数年のヴィラージュはどうということはない。
 まあ、慣れてしまった、ということもあるのかもしれないが……。
 
 それにしてもなんで、ボージョレ・ヌーボーは毎年「近年最高のでき」なんだろうか。
 不思議なのは「10年に一度のでき」といった翌年に、「昨年を超える」ってのは何なんだか。
 ということは、10年以上前のボージョレ・ヌーボーはどれだけまずかったのか。

 まあ、縁起物(?)だ。しかし酉の市の熊手みたいに年々大きくする必要はないので、これで十分かも。
 980円ボージョレ・ヌーボー、お薦めというほどではないけれど、ま、いいんじゃないだろうか。
 
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電氣ブラン~久々のカミさんネタ

2009年11月07日 | 食・レシピ
Denkibran
 
 テレビを見ていたら、池袋の「駄菓子バー」のレポートがあって、店内になにげなく「デンキブラン」と書かれていたのが目に入り、飲みたくなった。
 わざわざ池袋まで出かけなくても、買って家で飲めばいい……のだが、それが容易には入手できない。近所の酒のバーゲン店や西友の酒売り場には売っていないのだ。
 そこで、ネットでシャトーカミヤのホームページを開いたら、即日配送してくれるという。今日頼めば明日飲めるというわけだ。
 
 だもので、昨日注文したら今日届いた。
 
 電氣ブランとは、浅草にある神谷バーの創業者、神谷伝兵衛が作ったカクテルである。酒精度は30度と40度の2種類ある。ぼくが注文したのは40度のほう。
 神谷バーでは30度のものが「デンキブラン」で40度のものが「電氣ブラン」である。
 いずれも高級な酒ではない。ドンペリだの高級ワインだのを気取っている御仁には飲めたものではないだろう。

 ワイン、ベルモット、ジン、キュラソーなどをもとに作られているが、その処方は秘伝だそうだ。
 電氣ブランとは何とも不思議な名称だが、この酒が造られた明治のころは電気が非常に珍しく、しかも“ハイカラ”であった。つまり、新しいブランデーという意味で、「電氣ブランデー」とつけた。しかし、ブランデーではないので商標登録できず、「電氣ブラン」になったという。
 今ならさしずめ「IT××」といったところか。
 
 ぼくが子どもの頃に、配達に来る酒屋のあんちゃんの自転車に乗せた箱に、「デンキブラン」と書かれていたのを覚えている。
 「ねえ、“でんきぶらし”ってなあに?」
 「“ぶらし”かよ。“でんきぶらん”っていうんだよ」
 すると横から父親が、
 「うまいのか?」
 「そうでもないっす」
 「そんなこと言ったら売れないじゃねえか」
 「でも、ウソ言って後で叱られちゃあね」
 「なんでデンキブランなんだ」
 「電気に痺れたみたいにビリビリッてくるからですよ」
 飲んべえの父親が知らなかったのも、いま思えば不思議だ。
 この酒屋のあんちゃんの言うことは、まんざら間違いではない。実際、「電気みたいにビリビリッとするから」と言われていたのだ。
 あくまで巷の噂であって、事実ではないことが後でわかった。
 
 「神谷バー」と「電氣ブラン」は、小説や映画など、様々な文芸作品に登場する。浅草をよく描いた永井荷風や太宰治。三浦哲朗原作の映画「忍ぶ川」では、男女が神谷バーで電氣ブランと葡萄酒で乾杯するシーンがある。滝田ゆうの「寺島町奇譚」には、電柱や店の看板にさりげなく。
 
 ぼくが若い頃には、あまり高級とは言えない酒場によく置かれていて、たまに飲んでは悪酔いして帰った。どうもそれらは本物ではなく、店が味を似せて作った類似品ではないか、ということだ。
 最近は、昭和ブームということもあって、レトロな雰囲気の店には置かれていることが多い。
 
 今夜は酒飲みの客が来る予定である。
 
 
 
     ★★久々のカミさんネタ★★
 
 ◆運転中なら大事故
 CATVの日本映画専門チャンネルで、松本清張原作の「花実のない森」を観ていた。
 1965年の映画で、主演が若尾文子と園井啓介。船越英一郎の父、船越英二も出ている。政略結婚で車椅子生活を送る夫を持つ、謎めいた美女を若尾文子が演じ、自動車セールスマンの園井啓介が一目惚れして追いかけ、事件に巻き込まれていくというミステリーだ。
 原作が松本清張なので、ストーリー展開は複雑だがおもしろい。
 物語は、園井啓介が年配女性(原作では男性)と同伴の美しい女性を都内に送るところからはじまる。
 カミさんとの会話。
 映画がはじまって、すでに1時間経過。
 「……東京にこんなとこあるんだね」
 「いや、ここは山口県」
 「東京だと思ってた」
 「さっきまでは東京だよ」
 
 親密な男女のシーンになる。
 「……あれ? 園井啓介のこと好きなんじゃじゃなかったっけ」
 「この人がホントの恋人」
 
 また別のシーン。
 「この人も彼氏?」
 「この人は旦那。ここは自分の家だよ」
 「なんだかよくわかんないね、この映画……」
 「もしかして、ときどき寝てた?」
 「フフフフフ……」
 肝心な時に寝てるから、ドラマの筋書きが飛んでいる。しかも、自分が寝てるのは一瞬だと思っていたり、寝ていたという自覚があったりなかったり。
 この人が運転免許を持っていなくて良かった。
 
 ◆古畑任三郎でなくてもわかる
 ある朝、ダイニングに下りていったらご飯茶碗が変わっていた。
 「あれ? 茶碗が違うよ」
 「気にいってなかったみたいだから、替えた」
 数週間前に、ずっと気に入ってたご飯茶碗を、カミさんが洗っていて壊したので新しくしたばかりだが、大きさも形も気にいらなくて、自分でそのうちいいのを見つけて買いかえようと思っていたところだった。
 「ふ~ん。でもこれ、なんか持ちにくいなあ。前のやつのほうがまだ良かったのに」
 いかにも間に合わせという感じの、何でこんなのをわざわざ買ってきたのかわからない茶碗だった。
 「この前の、大きいから食べ過ぎると思って。これで多めによそうから」
 「でも、なんかしっくりこないなあ」
 「………」
 
 翌日、ふと思い立って、前の茶碗に戻そうと思い、食器戸棚を探したが、ない。
 もしかしてと、ゴミ入れを覗いてみた。
 なんと、まっぷたつになって捨ててあった。
 「壊したんじゃないか、取り替えたなんていって」
 「拭いててツルンていっちゃったの。フフフ」
 「ばかだなあ、同じの買ってくればわからないのに」
 「同じの買うのもなあ、と思って」
 なんだかやってることがつじつまが合わない。間抜けである。
 この人に完全犯罪は無理だ。
 
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’09『鮭パーティ』

2009年11月01日 | 食・レシピ
 一年経つのは早い…早すぎる。
 気がつけばもうこんな季節だ。
 毎年やってる鮭パーティーは、なんだかんだ20年ほどになる。
 このような形で始めたのがいつのことだったかわからない。何となくこうなったような。
 来年あたり、20周年でもやろうかと思うが、そろそろ後継者を育てないと何十人も集めてのパーティーはきつい。
 そんなわけもあって、メンバーを10人前後に絞って事務所でやるようにして、2回目だ。
 去年はドタキャンが多くて参加者が少なめだった。
 だもので、今年は幅広く声をかけたが、結局はいつものメンバーがほとんど。
 それでも、今回は来客9名。わが家でこなせるぎりぎりの人数だ。
 
 毎年10月になったらすぐに鮭の上がり具合を聞いて、2~3週間のシーズン中に予定を組む。つまり、スケジュールは鮭次第なので、人間様の都合で開催できないというわけだ。
 それでも。一度参加したことのある人たちは、ほとんどが味を占めて(?)、少々予定があっても調整して来てくれる。
 ありがたいことだ。
 しかし未体験の人は、その味を知らないわけだから、普通の鮭料理だと思っている。だから、新メンバーを募ろうと思っても、なかなかそうはならない。おのずと毎年同じようなメンバーになってしまうというわけだ。
 
Salmon1
 
 メニューは基本的に毎年同じ。
 ルイベを交えた海鮮サラダに始まって、そのあとのスピーキングタイムは鮭以外の料理を1品出す。
 今年はあっさり味のゴーヤーチャンプルにした。雰囲気に合わないが、自分が食べたかったのでつくった。
 時間稼ぎに、ルイベを追加する。
 
 そのあとが、メインディッシュのサーモンフライ。
 サーモンステーキの時もあったが、フライがえらく好評なので、ここ数年はフライにしている。
 揚げ方にコツがあって、ほとんどの人が体験のない食感にびっくりする。
 ころもが口に刺さるようなカリカリになっているのに、中はふわふわで、しかもしっかり火が通っている。
 作り方を教えろといわれて、別に秘密ではないので教えるが、こうはならないそうだ。
 「きっと足りないのは心だよ」なんてきざなことを言っておく。
 
Salmon2
 
 しめはいくら丼とアラ汁である。
 参加者が少ないことを予想して、小さめの鮭をたのんだものだから、イクラがやや足りなかった。
 それでも、本物のイクラの味は満足するに十分。
 アラ汁は、今回例年と味が変わってしまった。その理由は薄口醤油にあった。
 これまで使っていた薄口醤油が手に入らず、大量生産品を使ったものだから、みりんの甘さに醤油が負けてしまった。
 ちょっと慌てたが、調整してなんとか例年の味に近づけた。
 このアラ汁も自慢の一品だ。
 鮭の味がしっかり残っているのに、生臭さがまったくない。この味に安定するまで数年かかった。
 
Salmon3
 
 ぜ~んぶ平らげて、皆さん満足。
 今回はじめて参加してくれた、葉山在住のご夫婦は、本格的なスリランカの紅茶を入れてくれた。パフォーマンスを撮影しそこなったのがザンネン。
 
 いつまでできるだろうか、と毎年思う。来年も何とかできるようにしたいが、料理人をもう一人育てる必要がありそうだ。
 
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