想定外だったそうです。公式上映会は満員にならず、前評判も特にぱっとしたものではありませんでした。
河瀬直美監督も事前のインタビューで、グランプリは無理でも何か賞を欲しいとやや謙遜ぎみでした。
それが、カンヌ映画祭グランプリ。
昨日、NHKのBSハイビジョンでの放送を見ました。本編は1時間半ぐらいでしょうか。
ドキュメンタリー畑の河瀬監督らしく、シナリオの存在を感じさせない、リアルに撤した作品でした。
いや、リアル過ぎて、台詞に不明瞭な個所が多く、聞き取れないところが多々ありました。
かえって、通訳つきの上映の方が台詞がわかったのではないかと。
ストーリーは奈良を舞台に、妻に先立たれた認知症の男性が、若い介護福祉士に付き添われて山の中に妻の墓を探しに行きます。出演は、老人ホームの場面以外、ほとんどこの二人だけ。最初は噛み合わない二人が、山の中に迷い混み、必死に墓を探す間に、徐々に心が解け合っていきます。
奈良郊外の美しい風景が、この作品を際立たせています。
命と心を徹頭徹尾描いたこの作品は、数十年前に流行した日本ヌーベルバーグを思わせる心理描写主体の映画で、いささか難解と言える部類に入るかもしれません。
莫大な予算を使い、CGオンパレードの派手な映画がもてはやされる中、低予算で作られた作品がグランプリを受賞することは、娯楽性と興業成績にばかり重点がおかれる映画界に一石を投じたと言えるでしょう。
しかし、日本の映画ファンの中の何人がこの作品を素晴らしいと感じるでしょうか。グランプリを受賞しなければ、おそらく僕も見ていないでしょう。
小さな佳作を拾い上げてくれたカンヌに感謝。
このような映画がまだ作られていたのか、と言う意味で、大人の映画ファンには一見の価値ありです。
ちなみに、「殯(もがり)」とは、喪が明けること、喪あがりの意味があるとか。
◆あなたの原稿を本にします◆
詳しくはメールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
河瀬直美監督も事前のインタビューで、グランプリは無理でも何か賞を欲しいとやや謙遜ぎみでした。
それが、カンヌ映画祭グランプリ。
昨日、NHKのBSハイビジョンでの放送を見ました。本編は1時間半ぐらいでしょうか。
ドキュメンタリー畑の河瀬監督らしく、シナリオの存在を感じさせない、リアルに撤した作品でした。
いや、リアル過ぎて、台詞に不明瞭な個所が多く、聞き取れないところが多々ありました。
かえって、通訳つきの上映の方が台詞がわかったのではないかと。
ストーリーは奈良を舞台に、妻に先立たれた認知症の男性が、若い介護福祉士に付き添われて山の中に妻の墓を探しに行きます。出演は、老人ホームの場面以外、ほとんどこの二人だけ。最初は噛み合わない二人が、山の中に迷い混み、必死に墓を探す間に、徐々に心が解け合っていきます。
奈良郊外の美しい風景が、この作品を際立たせています。
命と心を徹頭徹尾描いたこの作品は、数十年前に流行した日本ヌーベルバーグを思わせる心理描写主体の映画で、いささか難解と言える部類に入るかもしれません。
莫大な予算を使い、CGオンパレードの派手な映画がもてはやされる中、低予算で作られた作品がグランプリを受賞することは、娯楽性と興業成績にばかり重点がおかれる映画界に一石を投じたと言えるでしょう。
しかし、日本の映画ファンの中の何人がこの作品を素晴らしいと感じるでしょうか。グランプリを受賞しなければ、おそらく僕も見ていないでしょう。
小さな佳作を拾い上げてくれたカンヌに感謝。
このような映画がまだ作られていたのか、と言う意味で、大人の映画ファンには一見の価値ありです。
ちなみに、「殯(もがり)」とは、喪が明けること、喪あがりの意味があるとか。
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