ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

山崎豊子「運命の人」

2009年07月29日 | 本と雑誌
Unmeinohito1
 
運命の人 全4巻
山崎豊子 著
文藝春秋社 発行
 
リンク→西山事件~『運命の人』読了
 
 1巻を読み終えたところだ。
 さすがと言うか、山崎豊子の作品はテンポがいい、読み始めるとついノンストップで読み切らずにおれなくなる。
 この「運命の人」というタイトルは、どんないきさつから付けられたのか、今のところまだ分からない。
 
 大新聞の政治部記者、弓成亮太は沖縄返還にともなう日米の返還協定を取材している中で、ある密約の証拠となる電文を入手する。
 私利私欲が渦巻き、沖縄返還協定にまつわる国民不在の交渉の経過が、この電文に記されていた。
 
 1級の機密書類だ。
 
 返還時における基地の原状回復の費用は、米軍負担を装いながら、実は米側に渡される返還費用に含まれ、迂回する形で沖縄に還元される。
 つまり、アメリカが負担したように見せかけているが、実際は日本国民の税金というわけだ。
 
 「これでは国民をだますことになる」
 
 ニュースソース保護のために、文書の内容を記事にすることをためらった弓成だが、しかし、この事実を国民に知らせたいという正義感から、入手元をふせたまま、入手した機密文書を野党議員の手にゆだねる。
 
 「なにぶん慎重に取り扱って欲しい」
 
 しかし功を焦った若い野党議員は、国会でそれを振りかざして与党を攻撃するという強硬手段に出た。
 そのため、外務省職員共々、弓成りは取り返しようのない窮地に立たされる。
 機密文書の漏洩は、世の総理大臣まで巻き込んだ大事件に発展してしまったのだ。
 
 権力は警察まで動かし、公務員でない弓成りを「国家公務員法違反」で逮捕する。外務省職員の秘密漏洩に手を貸したと言うのである。

 第1巻は、弓成に逮捕状が行使されたところで終わっている。
 

 終盤には、先日明らかにされた密約文書についても解明していくことが予告されている。 

 
 「事実を取材し、小説的に構築したフィクションである」と断り書きがあるが、登場人物の多くは実在の人物と結びつく。
 佐橋総理は佐藤栄作、田淵角造は田中角栄、福出武夫は福田赳夫、小平正良は大平正芳などなど、実際の人物と照合しながら読み進んでいくと、実に面白い。

 
 
 国家機密とは、誰のための機密なのか。
 
 全巻読み終えた時点であらためて感想を述べようと思うが、毎度のことながら、途中で別な本を挟み込む予定があるので、もう少し時間がかかりそうだ。
 
リンク→西山事件~『運命の人』読了

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西瓜が届いた

2009年07月27日 | 日記・エッセイ・コラム
Suika1
 
 長野の妹から西瓜が届いた。
 直径25センチ以上はありそうな大型だ。
 
 前日に妹からカミさんに電話があって、西瓜を送りたいが大きいのと小さいのとどっちがいいかと聞いて来たそうだ。
 普通なら遠慮して「小さいので」と言いそうなものだが、カミさんはしれっと「大きい方を」と言ってしまったらしい。
 
 相手が妹とはいえ、いささか図々しい。
 
 さっそく冷やして食したところ、かなり甘みが強い。
 本物の甘みかどうか疑わしいが、まあその辺はよしとしよう。
 
 食べながら、果物としての西瓜はうまいのに、西瓜ジュースは何故まずいのかという話になった。
 たしかに、まれに西瓜ジュースなるものを出されることがあり、飲んでみると他の果汁がブレンドされていて、工夫の跡は感じられるが、どうにも美味いものではない。
 
 かつて、エチオピアのマラソン選手のアベベ・ビキラが、コース途中で水分補給をするのに西瓜ジュースを飲んでいて、それを試飲した記者が、あまりのまずさに閉口したという話を聞いたことがある。
 
 「あれはやっぱりアベベ選手だけのものなのでしょうねえ」
 「まあ、それがアベベ選手には合うんでしょう」
 
 やはり西瓜はそのまま食べるしかないようだ。
 
 しかし、西瓜の皮の塩漬けは、なかなかいける。
 
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NHK BS hi「風が吹くとき」

2009年07月26日 | テレビ番組
 NHK BS hiで放送された「風が吹くとき」のアニメを見た。
 原作はレイモンド・ブリッグスによるコミックで、篠崎書林から1982年に出版され反響を呼んだ。
 その時点で、本国イギリスでは50万部を売っていたベストセラーである。
 
 実はこのアニメ、20年ほど前に日本語版が大島渚監督、森繁久彌・加藤治子の吹き替えによる自主上映版が制作された。(デジタル・リマスター版が7月27日発売 amazon
 しかし、今回のNHKでの放送は字幕だった。

Kaze1
 
Kaze2

 リタイヤした老夫婦は野中の一軒家で悠々自適の生活を送っていた。
 仕事のない夫の興味はテレビや新聞のニュースで送られてくる国際状勢、妻の興味は料理と整理整頓。
 
 折しも第三次世界大戦が勃発する。
 しかし、正しい情報はニュースでも伝えられることはなく、政府が発行する、戦争に備えるためのパンフレットはいい加減きわまりない。
 田舎に住む老夫婦には、核爆弾とはどういうものなのか、それを知るための情報が伝えられていないのだ。
 とくに家事が最優先で世情にまったく疎い妻に、危機感はまったく感じられない。
 
Kaze3
 
 夫が図書館でもらって来たパンフレットは、家のドアを外してシェルターをつくれという。
 日本なら子どもでも信じない欺瞞だが、それを100%信じてしまう。
 「政府が発行したものだから間違いない」
 いい加減な情報が書かれたパンフレットに従って、夫は準備を始めた。
 
 突然、ニュースが流れ、3分後に敵国からのミサイルが着弾するという。
 
 核ミサイルについての知識などほとんどない老夫婦には、それが着弾することの意味をが理解できず、危機に対する実感がない。
 夫は“シェルター”にマットレスやクッションを積み上げ、妻はカーテンの汚れやケーキの焼き具合を心配する。
 
 
 
 一瞬、世界が真っ白になる。 
 
 

 核ミサイルが一瞬にして周囲の町や村を消し去った中で、かろうじて老夫婦は生き残るのだが。

 「放射能がその辺にあるんじゃないか?」
 「何も見えないわよ」
 
 「脚にへんな青いはんてんが出てるわ」
 「静脈りゅうというやつだ。年を取るとみんなそれで悩まされるのさ。別に心配いらんよ」
 
 政府の秘密主義による、正しい情報の欠如。
 知らされないための無知がいっそう悲劇を呼ぶ。
 
 
 
 
 日本でも一部に「必要以上の残酷さをあおる」と、広島や長崎の活動に反発する輩がいる。
 核武装を推進したいグループにとって、核爆弾が残酷であってはならないのだ。
 
 今年、8月6日の広島での祈年式典に会わせ、「ヒロシマの平和を疑う」などという田母神を担ぎ上げた講演会が開かれる。広島では開催の中止を求める行動が起こされているが、「言論の自由」を盾に、強行する気配だ。
 言論には自由と同時に責任もあることを知る必要がある。
 
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GENS WORLD 1st Recording LIVE

2009年07月25日 | 音楽
 サイバーショットがついに力つきた。
 もう直さないぞ。
 モニターといいカメラといい、ソニーは故障が多すぎる。
 
 (D80は今オーバーホール中)
 だもので、今日は仕方なく携帯カメラで撮ったので画像が悪い。
 
 久しぶりに行った表参道はすっかり様変わりしていた。
 グッチだプラダだカリティエだ、って、まるでNYの5Av.だ。(ケッ!)
 
 「Cafe LAGUNAVEIL 705」とかなんとかいうところで行われるAKIのライブペイントのお知らせが来て、元ちゃんも出ることだし行ってきた。
 
090714aki01
 
 「ラグナヴェイル ナナマルゴ」?
 意味わがんね。
 場所も良くわがんね。
 迷った。
 
 仕事が延びて遅れて来たY子さんも迷ったらしい。
 「目印のヨックモックが分からなくなってた。フロムファースとまで行っちゃったよ」
 
090714aki02
 
 永原元(ジャンベ)、穴澤雄介(バイオリン)、熊坂るつこ(アコーディオン)、沼田恵三(ギター)、安曇野めぐ留(ボーカル)、そしてAKI(ライブペイント)。
 (メンバーの顔のあたりに斜めに入った光は何だ? 最近意味不明なものがよく写り込む)
 
 30分遅れて始まった演奏はトーベンさんたちとやる時とはがらりと雰囲気が違う。
 どちらかというと、オーネット・コールマンや晩年のマイルスが演奏していた、前衛ジャズに近い。
 というより、当時のマイルスよりも聞きやすい。
 
 わるくないぞ。
 
 安曇野さんが登場すると、また雰囲気が変わって民謡になる。
 「竹田の子守唄」
 
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 PAなしの生音でやりたいということで、メンバーが我々の席の近くに移動して来た。
 ほとんど独占状態だ。
 しかし、近い。
 
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 ギザ至近距離。右手前のアップはギターの沼田恵三。ネックが顔の前を横切った。
 ものすごくトクをした感じだ。
 
 昔、おしゃれなレストランでバイオリン弾きがテーブルを回って来たりしたけれど、バンドごとそっくりは初めてだ。
 チップはあげない。
 
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 「絵、できた?」
 「うん」
 「絵のタイトルは」
 「……虹の楽園」
 「みんなに言おうよ」
 「虹の楽園です」
 
090714aki06jpg
 
 終演後、近くで観せてもらう。
 (カメラが悪いので、色が出ない。本物はもっと鮮やか)
 「この動物は?」
 「サバイバー・キャットです」
 (なんだ?)
 「尻尾、長いね」
 「はい」
 「ニャンコなんだ」
 (Y子さんちには猫が2匹いる。先日そのうちの1匹を誤ってトイレに10時間閉じ込めてしまったとか)
 「しばらくヘンになってたよ」
 
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 「AKIと塗り絵会」
 青山HAC ギャラリー
 7月29日(水)午後1時から3時
*竹原浩子さんの読み聞かせ。
 参加無料です。
 
 平日なのでお父さんは出かけにくいかもしれない。おかあさんと一緒に。
 (画像をクリックすると拡大できる)
 
 
 
 まるでプールの更衣室のような外に出て、しかしなぜかこのクソ熱いのにラーメンが食べたくなった。
 「ラーメン食いてえ」
 「あ、あたしもそう思ってた。おいしい店知ってるよ」
 ということで、Y子さんと青山通りを赤坂方向にしばし。
 
 ない。
 
 「あれ~、ショック。撤退しちゃったのかなあ、おいしかったのに」
 
 最近はしばらくご無沙汰していると店がすぐに消えてなくなる。
 我が地元の荻窪でも、半年も経たずに店をたたむ出来事がしばしば。
 
 「ザンネン。渋谷駅の近くに天下一があった気がする。なくなってるかもしれないけど、そっち方向に行けばなんかあるよ」
 
 その天下一は案の定なくなっていたけれど、ラーメン戦国時代とかいう4階建てのラーメンビルがあって、そこの3階で食べることにした。
 
 それぞれ10人ほど入れば満席の狭いスペースで、けっこう込んでいる。
 ラーメン800円。(高い)
 メンは太麺でまあまあだが、みそ味のスープは平均以下だった。
 
 Y子さんは「せっかくだから」(?)と特製つけ麺(1100円)を頼んだけれど、やっぱりいまいちだと。
 
 雨上がりのせいか、深夜まで蒸し暑い。
 家に帰ってからしばしぐったり。
 (ラーメンのせいだ)
 
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残念でした! 46年ぶりの日食

2009年07月22日 | 日記・エッセイ・コラム
Nisshoku
 
 写真は日本ではない。ネット配信されたインドでの皆既日食である。
 東京でも部分日蝕が見られるはずであったが、厚い雲に覆われて太陽はまったく姿を見せない。
 
 「今日、日食は中止だって!」
 学校の校庭で日食を見る予定だった子どもが帰って来て言った。
 「日食の中止はないよ。それを言うなら日食鑑賞会が中止だろ」
 雨天順延してくれたらいいのにね。
 
 Google_n
 
 Googleのロゴもこんなふうにデザインされて盛り上がってたのに、全国でがっかりした人はどれだけいたことか。
 
 しかし、奄美大島だけは見られたらしい。それにしても、沢尻エリカ様は強運だ。もっとも、もし見られなかったら、機嫌を悪くして次の映画を蹴ったかもしれない。
 
 ぼくが子どもの頃は、金環食だの部分日蝕だの何度も見ていた記憶がある。
 そのころは、写真のネガフィルムや煤で黒くしたガラス板を通して見たものだが、今は「日食専用グラス」で見ないと危険だという。
 失明の恐れがあると言うのだが、日食で目がつぶれたという人の話は聞いたことがない。
 
 眼鏡を買わせるよりも、安全な手作り眼鏡を作らせるという発想に何故ならないのか。
 
 結局は一部のメーカーを儲けさせるための商業主義である。
 
 この次に日本で皆既日食が見られるのは26年後。

      ……難しいか。
 
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球美のらー油

2009年07月20日 | 食・レシピ
Kumi_no_rayu
 
 石垣島ラー油が評判らしい。
 生産量が少ないために非常に手に入りにくく、産地に直接注文すれば確実に入手可能だが、送料がとてつもなく高い。
 だもので、取扱店で買いたいが、1ヵ月に一度入るかどうかで、入荷したその日に完売するという。予約もできない。
 
 先月、外出ついでに吉祥寺と荻窪のザ・ガーデンに行ってみた。

 「20日前後に入荷することがありますが、はっきりとはわかりませんのでお約束はできません」
 
 だとすると、20日前後、毎日店頭を確かめにいくしかない。
 そこで今日、荻窪のザ・ガーデンに立ち寄った。
 
 ない。
 
 そのかわり、久米島産の「球美(くみ)のらー油」というのが置いてあった。
 それも、残り3個。

 同じ沖縄だからといって、代わりにというのは違うと思うけど、興味があったので買ってしまった。
 
 レジで。
 「石垣島ラー油はまだ入ってませんか」
 「……」
 すると隣のレジから年配の店員さんが。
 「すみません。入ったり入らなかったり、わからないんです」
 「じゃとりあえずこれで。ときどき見に来ますから」
 このレジのお姉さんが。
 「やっぱり違うんですか?」
 「いえ、まだ試したことがないんで」
 
 うまい具合に夕食は春巻きとマーボ豆腐だったのでさっそく試す。
 原材料はごま油のほかに菜種油、大豆油。島唐辛子を使用。
 他に白ネギ、ニンニク、ピパーチ、海洋深層水塩、生姜、白ごま、黒糖も入っている。
 これだけ見ると、石垣島ラー油と大差ない。
 しかし、石垣島ラー油はこれに春秋ウコンが加わり、塩が石垣の塩だ。
 
 味は通常のラー油よりもさっぱりしているが辛さは強烈である。
 
 石垣島ラー油を試していないので比較はできないが、これはこれでけっこう行ける。
 
 しばらくはこれで楽しむつもりだ。
 
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虹が出た!

2009年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム
Rainbow
 
 今日の6時45分ごろ。
 買い物に出ていたカミさんが「虹が出てる」とメールして来た。
 すぐにベランダに飛び出して1枚。
 5分もしないうちに消えてしまったが、それでも半分ほど残っていたところを撮影できた。
 
 今日は、強力巨人打線を2安打に抑える能見の好投で、タイガースが投手戦を制したし、仕事もはかどった。
 実にいい日だ。
 
 明日につながる虹の架け橋になってほしい、いろいろな意味で。
 
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「○子、ソーニャ、かす」、幻の人名

2009年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム
 たまたまついていたテレビを見ていたら、タレントで故竹下登の孫のダイゴが、自分の母親、つまり竹下登の娘のことについて語っていた。
 ダイゴの母の名は「まる子」さんというそうである。まるで「ちびまる子」だ。
 ところが最初は「○子」とつけたかったらしい。
 しかしそれでは役所が受け付けてくれず、止むなく「まる子」になったとか。
 詳しいいきさつは聞きそびれたが、危なく桐野夏生の『IN』を地でいくところだった。
 
 しかし人は、昔も今も無茶をかますことがときどきあるようだ。
 ちなみに、ぼくの妹の名前は「そのえ」という。
 ところが、父親は「ソーニャ」とつけるつもりだった。ソーニャとはちょっと文学をかじったことのある人なら誰でも知っている、文豪トルストイの代表作『戦争と平和』に出てくる少女の名前だ。
 ところが、受付に出たその当時(1949年)の役所の人間は『戦争と平和』を知らなかったとみえて、変なふざけた名前と思ったらしい。
 こんな名前では子どもがかわいそうだからと無理矢理かえられてしまったと、後年父親は残念そうに語っていた。
 変わった人名の多い昨今ならすんなりと通ったのであろうが、当時としてはあまりにも異様に感じられたのであろう。
 
 ぼくの名前もいい加減に付けられた。
 敗戦直後で物資が乏しく、両親としては早く役所に届けて育児手当が欲しかった。
 名づけに時間をかけていられないと思った父親は、国語辞典を開いてそこに鉛筆を落とした。
 落ちたところが「泉」。
 そのまま決まったそうだ。
 自分では女のようで名前を呼ばれるのがイヤだったが、それは今でも多少ある。
 しかし、鉛筆が「糞」だの「屁」だのというところに落ちなくてよかった。
 父親のいい加減な名付けのおかげで、ザードのボーカルと頻繁に間違えられるというおまけまでついた。
 
 極め付けは、わが母親である。
 母親は渋谷円山町の植木屋「植貫」、吉澤貫三の11人兄弟の下から二番目である。
 上の二人が男で、ともに戦死。残り9人が女である。
 10人目が生まれたとき、何人生まれても女ばかりでうんざりしていたのであろう。
 「もうこれで最後だ、いくらなんでももう次はないだろう。残り物の『かす』だ」
 これだけ子どもができると、一人ひとりを大切にする気持が薄れるのかもしれないし、やけくその気持もあったのだろう。名前をそのまま「かす」とつけて役所に届けようとした。
 これはいくら何でもと役所の人に叱られた。
 「あなたは子どもをなんだと思っているのか」
 そこで、役所でつけてくれた名前が「一枝」、当時としてはモダンな名前だった。
 母の他の姉妹は「しか」「みよ」「きみ」「とよ」などという、時代劇の長屋で井戸端会議でもやっていそうな名前である。いくら明治とはいえセンスもクソもない。
 ちなみに、「かす」のはずだったのがさらにもう一人生まれていて、それも女である。
 絶倫だ。
 
 いつぞや産まれた子どもに「悪魔」と名づけようとしたことがニュースになったが、名前は一生不変のものなので気遣いは必要だと思う。子どもが迷惑する。
 
 子どもの学級名簿を見ると、どうにも読めない不思議な名前のラッシュである。
 外国のスターやF1レーサーの名前に漢字を当てたのが子どもの友達にいる。
 他人事ではない、わが家の子どもたちも、『塵劫記』から上の子は「那由他」の「那由」、下の子は「無量大数」の「無量」である。
 那由はともかく、昔なら無量は危うかったかもしれない。
 
 最近見てびっくりしたのは「大天使」と書いて「ミカエル」と読ませる。
 親がクリスチャンなんだろうか。それ以前によくぞまあ役所が受け付たものだ。
 子どもが成長して神主や僧侶になったらどうするつもりか。
 
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『人権で世界を変える30の方法』

2009年07月17日 | 本と雑誌
Jinnken30
 
人権で世界を変える30の方法
ヒューマンライツ・ナウ 編
合同出版 発行
 
 「30の方法」シリーズの4冊目である。
 このシリーズはこれまで、「戦争」「貧困」「お金」をテーマに基本的な知識を30項目にまとめて紹介して来ている。
 この4冊目で扱われている「人権」は、これまでの4冊を包括する最も根源的なものだと思う。
 人権が守られるということは、戦争はできなくなり、貧困もなくなり、お金を求めて右往左往することもない、ということである。
 
 この本では、「人権侵害」の根本原因は、偏った権力構造にあると指摘している。歪んだ思考を持つ特定の独裁者だけでなく、ごく普通の一般市民の中にも、虐殺や拷問に手を染めて来た人は少なくないと指摘する。
 
 これまで、パレスチナやアフガニスタン、北朝鮮のミサイル発射、格差、貧困といった表立った個別の社会現象については報道もされているし論議も交わされている。しかし、その根本たる「人権」についてはほとんど注目されていない。今の世界では、権力争いと経済によって人権が抹殺されている様相が濃い。
 したがって、いまここで「人権」にスポットを当てることは、すべての問題解決に通ずるタイムリーな提案だ。
 
 この本は、これまで縁遠いテーマであった「人権」を、身近に引き寄せるという役割を持つ。高校生以上なら十分読みこなせるわかりやすい内容になっている。
 
〈目次の一部〉
第1章 いま、世界でおきている人権侵害
01 戦争は最大規模の人権侵害をもたらす
02 子どもたちの未来を奪う児童労働
03 エイズによって死にゆく人びと
04 恋愛をしただけで、殺される
05 軍隊が「政府」になった国
06 大規模開発工事で住む家を奪われる人びと
07 テロリストから社会を守るためには人権は二の次?
08 特定の人びとを虐殺・レイプするということ

  [コラム]少数民族~チベットの人びとがおかれている現実

第2章 人権侵害はなぜおきるの?人権とはなにかを考える
09 人類は、人権という考えを生み出してきた
10 私たちには、どんな人権が保障されているのか?
11 人権侵害を引きおこす正体はなにか?
12 「仕返しをしたい」という感情をどう乗り越えるか
13 私たちの身近にあるさまざまな人権侵害

  貧困と人権

第3章 世界を変えた人たちの行動
14 「世界人権宣言」とエリノア・ルーズベルト
15 アパルトヘイトを廃止させた人びと
16 対人地雷禁止に立ち上がった人びと
17 人気のスニーカーブランド、ナイキはなぜ変わったか
18 人身売買の被害にあった少女たちを救う

   [コラム]世界を変えた「五月広場の母たち」


第4章 人権侵害をなくすためのしくみを考える

19 国連は、人権侵害を止める力を持っているか?
20 「国際人権条約」はどんな力を持っているか?
21 国際刑事裁判所は、世界から人権侵害をなくせるの?
22 多国籍企業は人権侵害にどんな責任があるのだろう
23 日本政府は、人権侵害を止める「影響力」を持っている

   [コラム]アジアに人権裁判所をつくろう

第5章 身近なところから、知る・伝える・行動する

24 知る・伝えることから
25 イラクの子どもたちとの交流
26 フェアトレード商品を買ったり、バザーで売ってみよう
27 人権を侵害する企業を監視する方法
28 失われたハンセン病患者の人権を回復するために
29 難民を助けよう、受けいれよう
30 NGOに参加する

   [コラム]派遣村からみえてきた労働者の人権

  「世界人権宣言」全文
 
 
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装丁、横尾忠則

2009年07月16日 | アート・文化
Kindness

 本は、『太陽の帝国』の続編と称されるJ.G.バラードの『女たちのやさしさ』である。
 この派手な装丁、劇画ではない、れっきとした長編小説だ。
 阿佐ヶ谷の古書店の店頭の安売りコーナーの棚に見つけ、覚えのあるタイトルに引かれて手にして驚いた。
 しかも、発行元が岩波書店である。
 集英社か徳間書店ならさもありなんと思うのだが、天下の岩波が……。
 
 タイトルや著者名が完全にバックのイラストに埋没している。
 しかもこのイラスト、よく見るとエロい(特に表4)。
 当方の取引先であるC出版社なら絶対通らないデザインだ。
 
 「これじゃあタイトルが見えないじゃないか!」
 
 きっと、すべて横尾忠則にまかせてしまって、そして、大御所に任せてしまった以上クレームも付けられず、「これで出すしかないだろう」と諦めたものと思われる(想像だが)。
 
 奥付を見ると、発行は1996年、社長は故安江良介氏だ。
 出版当時の社内の評価を聞いてみたいものだ。
 
 しかし、たしかこの頃の岩波は、出版物に軟化傾向が見られた時期で、売上げの落ち込みを回復しようと必死になっていた風潮が感じられたものだ。
 「何十年も本屋やってるけど、こんなに売れないのは初めてだ」と安江社長がこぼしていた頃である。
 
 結局、最近は昔の岩波に少しずつ戻して来ているが、いくら出版不況に喘いでいるとはいえ、当時の路線はマイナスだっただろう。
 
 
 で、この本の内容だが、巷の評価はそこそこよい。「訳者後書き」には「前作と時間的に重複するジムの上海時代から話が始まっており、……主人公の遍歴を追う上で前作を読んでいる必要はない」とある。
 なので、もしかすると国書刊行会から出版された前作とは別物と考えて良いのかもしれない。
 しかしやはり、順番に読むことにしよう。
 
 今日は深夜に、映画『太陽の帝国』の後編が放送される。
 
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梅雨明け!

2009年07月14日 | 日記・エッセイ・コラム
Tsuyuake
 
 「気象庁は14日、関東甲信で梅雨明けしたとみられると発表した。平年より6日、昨年より5日早かった。この日は各地で晴れ間が広がり、予想最高気温は、埼玉県熊谷市で34度、東京都内でも大手町で31度まで上がりそうだという」(asahi.com)
 
 あっという間の梅雨だった気がする。例年なら今頃集中豪雨だの土砂崩れだのとマスコミが騒いでいる時期だが、いきなり梅雨明けしたような雰囲気である。
 今年の梅雨は曇りの日が多くて、何日間見続けて雨が降ったという記憶がない。それどころか丸一日降り続けた日はあったのだろうか。
 知花昌一さんが東京にいらしたとき、「沖縄は空梅雨で農作物が心配だ」と言っておられたが、例年に比べて降雨量はどうだったのだろうか。
 
 雨にはその降り方も影響するらしく、水が蓄えられるかどうかは一概に降水量だけでは決められないという。
 集中豪雨のような降り方だと、雨水は地にしみ込む前に川や海に流れ込んでしまい、土地に必要な水分が確保できないそうだ。
 梅雨は梅雨らしくというと抽象的すぎる表現だが、しとしとと長時間降り続けるのが、夏の農作物や飲料水を蓄えるのには理想なのだそうである。
 
 とすると、今年は水不足の危険があるのではないだろうか。
 
 高校野球の地方予選が真っ盛りである。

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『太陽の帝国』フジテレビ

2009年07月14日 | 映画
Taiyonoteikoku
 
 先週木曜日深夜2時から放送された『太陽の帝国』前編の録画を先ほど見た。
 
 この映画(Empire of the Sun)は、イギリスの作家、J・G・バラードの体験的長編小説を映画化したものである。
 監督はスティーヴン・スピルバーグで、1987年の公開。2時間半の大作である。
 物語は真珠湾攻撃直前の上海が舞台である。日中戦争は上海にまで戦火が迫り、市民の頭上には日本軍の爆撃機や零戦が飛び交い、激しい空襲に人々は逃げ惑う。
 上海の英国疎開で暮らす、裕福な家庭のイギリス人少年ジェイミーの成長を、時代背景とともに描いていく。
 
 20年以上前のアメリカ映画独特のいい加減さで作られていて、考証はかなりひどい。
 (ちなみにこの頃のアメリカ映画はものすごくおおざっぱである。記録係もいい加減で、カットが変わった瞬間に持ち物が変わっていたりする)
 登場する日本兵の装備はどうにも怪しいし、零戦も三八式歩兵銃も何となく違うような気がする。
 日本兵らが日本語で話す台詞は軍人のものとはとうてい思えない。
 少年の家を接収して宿舎にしていた日本軍将校が、着物風ではあるがそろいの白いガウンにパンツかふんどしかわからない姿で現れたのには驚いた。しかも、頭には意味不明の紐のようなものを巻いている。
 伊武雅刀やガッツ石松ら数人の日本人俳優も出演しているのだが、巨匠スピルバーグに意見など言えなかったのかもしれない。
 (あまりひどいと異議を申し立てたという噂はあるが)
 
 そういうおかしなところが多々ある映画ではあるが、スピルバーグが日中戦争をどう表現していくのか興味があって、長い映画だが見ておくことにしたのだ。
 ただし、この作品は原作も含めて日本の中国侵略をはっきりと否定はしていないように見られる。それどころか日本軍に好意的な印象さえある。そのあたりは念頭において見た方がいい。
 
 原作は高橋和久訳で国書刊行会から発行されている。
 まあ、保守的な出版社から発行されているのだから、その辺は想像がつくのだが、いずれ読んでおこうと思う。
 また、訳者本人も認めているところだが、決して名訳でないそうだ。
 
 後編は16日木曜日、深夜2時からフジテレビで放送される。
 
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第16回東京国際ブックフェア

2009年07月12日 | 日記・エッセイ・コラム
 毎年恒例の「東京国際ブックフェア」に行ってきた。
 「過去最大!」がうたい文句だが、本来最も込むはずの日曜日なのに人出が少ない。
 受付はほとんど並んでなかった。
 どうしたことか。
 
Bookfair
 
 会場ではほとんどの書籍が2割引で買えるので、まずは目当ての「みすず書房」のブースへ向かう。
 やはり、人出が少ない。毎年こんなもんじゃない。
 
Misuzu
 
 エドワード・サイード『故国喪失についての省察 2』とエトムント・フッサール『イデーン 2-2』の2冊を購入。
 『故国喪失についての省察 2』は予定販売部数残り1冊、『イデーン』は残り2冊。きわどいところだった。
 2割引だと2300円以上安くなる。交通費を考慮してもお得である。
 
 みすずの営業と立ち話。
 「なんか、来場者少なくないすか」
 「そうなんです。それでも昨日は多かったんすけどね」
 「これ(購入した2冊)、もうこれだけしかないの?」
 「はい、お陰様で売れました」
 
 こんな本が良く売れるなんて、こういう場所ならではの現象だろう。
 
 このあと、平凡社や岩波のブースで、以前から買っておこうと思っていた新書や文庫を探したが、すでに売り切れ。
 来場者の割には売れ行きがいいようだ。
 
 
 この日はこんな収穫があった。
 
Watoji1
 
 和綴じ製本の見本である。
 左は経文折りで表紙は錦の布張りである。
 1000円くらいする見本だそうだが、お願いしていただいて来た。
 句集、歌集などの自費制作本に提案してみたい。すべて手作りだそうなので、流通のための大部数にはむいていない。
 
 右の二冊はいわゆる和綴じ本。
 大きなものでも可能らしいが、形が崩れやすくあまり大きいのはお薦めできないそうだ。
 せいぜいB5までか。
 
Watoji2
 
 赤い方の和綴じの角につけられているのは、その名の通り「角布(かどぎれ)」。
 体裁を整えるばかりでなく、補強になる。
 
 
 さて、今回のブックフェア、総じて今ひとつだった。
 一つひとつのブースが経費を節約したせいか配布物が少なく、催しに工夫もない。
 読売新聞など、去年は水野を呼んでジャイアンツの逆転優勝を預言(悔しいがその通りになった)したりしていたものだが、今年は本の展示販売だけ。
 ボールペンやメモ用紙などを配っているブースもない。それどころか、手提げバックすら配布しているブースが少なくなっている。
 昨年までは子どもたちが遊べる催しがいくつもあったのだが、これもかなり縮小されているので、全体的に盛り上がりに欠けた。
 
 やはり、出版界は不景気なのだ。
 来年は入場者数がさらに減るかもしれない。
 
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島尾敏雄『琉球弧の視点から』

2009年07月11日 | 本と雑誌
Ryukyuko_shimao
 
 この本は1969年の発行で、当初から興味を持っていたのだが、小説ではなかったためについ入手しそびれ、やがて絶版になると一時は古書店でもばったり見かけなくなってしまった。
 近年沖縄問題にたずさわっている関係でこの本の存在を思い出し、手元においておきたいと思ったのだが後の祭り。たまに古書店で見つけても数千円の高値がつけられていた。
 それが今年春先、荻窪のささま書店の棚でみつけ、しかも格安だったのですぐに購入したのだが、そのまま読まずに待機本のコーナーに積んだままになっていた。
 読みはじめたのは特に理由があるわけではない、思いつきである。
 
  
 島尾敏雄は戦時中特攻隊員として奄美大島に派兵された。しかし出撃命令が出た直後に終戦となって、実際の出撃はせずに除隊となる。
 のちに『死の棘』のモデルとなる細君ミホとは、戦時中奄美大島で出会っている。
 
 島尾は終戦後10年ほど東京で暮らすが、その後細君の実家である奄美大島で図書館長を務めながら執筆活動に勤しんでいた。
 『琉球弧の視点から』はそのころ奄美大島で書かれたエッセーや講演記録を集めたものである。
 
 島尾は鹿児島と台湾にはさまれた列島全体を「琉球弧」とし、本土とは一線を画した文化形態を認めこの本の中でそれを表現している。
 たとえば沖縄芝居を見ているときも、作家らしく言語について分析し、沖縄方言が本土の言葉と異なり「五つの母音のうちOとEは使いたがらない」という。そのために、「キョウハ、ナニタツ(名高い)、サンガツノミッカ」という台詞が、「チュウヤ、ナニタチュル、サングヮチヌ、ミッチャ」と解説したりしている。
 ほかに大島紬のこと、三味線のことなど独特の感性で表現している点は興味深い。「織物の『大島』は誰でも知っていても、それと『奄美』が結びつく人は限られているのではないか」とも言う。たしかにその通りかもしれない。
 大島紬の産地が伊豆の大島だと思っている人は少なくない。
 
 『琉球弧の視点から』では特攻隊員時代の生活を語った八・一五国民集会での記録が掲載されていて、それがなかなか面白い。特攻で出撃するのに携帯していくものが多数あり、そのほとんどが不要なもので、手榴弾だの日本刀だの自爆するのには必要がない。携帯食糧まで持っていくという件にはつい吹き出した。
 島尾が配属された特攻艇の「震洋」はベニヤ板で作られ自動車のエンジンを積んだ、わずか18ノットも出るかでないかの酷いものだった。
 実は体あたり直前に操舵を固定して脱出してもかまわないことになっていたらしい。しかし、事実上それは困難で脱出した人間はいなかったようである。
 旧日本軍の立前主義を絵に描いたようで、軍の幼稚さが想像できる。
 
 島尾敏雄は『魚雷艇学生』など特攻時代の体験を小説やエッセーなどで残しているが、ぼくはこれまでそちらの方の作品は読んでいなかった。しかし、一部を除いて島尾の作品は現在非常に入手しにくいものが多い。晶文社から発行されている『島尾敏雄全集』もどこの図書館にもおいてあるということではない。
 古書店で見つけたら積極的に購入しておくべきだろう。
 
 ところで、朝日文庫で『新編・琉球弧の視点から』というのが出ているが、これはここに紹介した単行本とは別物である。「沖縄紀行」と「私の中の琉球弧」が重複している以外は別の作品で構成されている。
 
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原爆落としたのソ連だって?!

2009年07月09日 | 昭和史
Genbakusoren
 
 
 
 書類を整理していたら、5年前の朝日新聞夕刊が出て来た。
 この記事内容があまりにもショッキングだったので、ときどき話題にするのだが、原本が行方不明になっていて、すっかりなくしたものと思っていた。
 この記事が事実だとするならば、日本の教育はえらいことになっている。
 
 先日、中学校の元社会科教諭の増田都子さんと集会でお会いした時にもこの記事の話をした。
 「そういう人はさすがにいないと思います」とおっしゃっていた。
 伺えば、今は学習指導要領で、現代史も最後まで教えなければいけないことになっているそうだ。
 この記事は5年前のものなので、当時は社会科教師が現代史を教えることを放棄していたのだろ。まあ、いいわけはいろいろあるだろうが。
 
 以下に記事を紹介しておくが、このレベルの人たちを前提に現代史を伝えていかなければならないとすると、かなり辛い。
 
 
            ◇◇◇
 
 
(出典:「朝日新聞」2004年8月28日夕刊)

原爆落としたのソ連だって?!

本橋信宏


 美浜原発の事故が起きたとき、聡明なスタイリストが私にこんなことを言った。

 「被爆国なのに、なんで日本ってゲンバク、持つのかしら」

 私が発音の間違いを指摘したら、彼女は不思議な顔になった。よく聞いてみると、彼女は原子力発電所とは原子爆弾を製造する核施設工場であって、どちらもゲンバクと発音し、混同していた。

 「広島と長崎に原爆を落とした国は?」と聞いてみた。すると彼女は涼しい顔で答えた。

 「ソ連よ。いまのロシア」

 彼女の歴史認識によれば??。太平洋戦争とは、日本とアメリカが日米安保条約を結び、ソ連と中国を相手に戦争をした戦いだという。頭の中で、日米安保と太平洋戦争、冷戦が同時代としてごっちやになっていたのだ。

 人当たりがよくて歴史に関心がある自動車セールスマンがいる。彼は、映画「パールハーバー」を観た後、私にこんなことを言った。

 「日本は真珠湾戦争で勝っても、太平洋戦争で負けちやうんだからなあ」

 私は「真珠湾攻撃]を言い間違えたことを指摘した。
すると彼はこう言った。

 「日本は真珠湾戦争でアメリカと戦争したけど、休戦して日米安保を結んで、ソ連や中国と太平洋戦争をやったんですよ。原爆? ソ連でしょ、落としたの。あ、中国だっけ」

 ジョークではない。困ったことにスタイリストも営業マンも、歴史以外の知識は豊富である。
 自虐史観だ自尊史観だ、ゆとり教育是か非かと論争する前に、中学高校の社会科が江戸時代ごろで3学期を終了してしまうことを憂うべきだ。社会科は、戦後史からはじめよ。

 もっとも、知ってるつもりで知らない分野は人それぞれだ。パソコンに詳しいはずだった私も、大学生に手取り足取り教えてもらい、最近やっとホームページを立ち上げたのだから、あまり偉そうなことは言えないのだが。(文筆家)


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