ひまわり博士のウンチク

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荻窪散策(14) 大田黒公園

2008年10月14日 | まち歩き
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 大田黒元雄氏の邸宅跡を杉並区が日本庭園として整備し、1981年10月1日に開園しました。
 大田黒元雄という人は、どうも実態がよくわかりません。
 公園に備えられたプロフィールには、音楽評論家であり、NHKラジオのクイズ番組「話の泉」のレギュラーであったことなどが紹介されていますが、これほどの大邸宅に住むほどの財を成した人にはどうにも思えないのです。
 館内に掲示された詳細な略歴を見ると、父親が東芝や九州電力の育成に貢献した大立て者だったようで、言ってみれば「お坊ちゃま」。
 金持ちの道楽で、ヨーロッパの音楽にいそしんでいたようです。

 庭園としてはなかなかよくできていて、散策したり水屋(現在改修中)で読書したり、区民の安らぎの場所としてはいいところです。

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 正門から木戸までの石畳は両側が銀杏の並木になっています。
秋には実が大量に落ち、近所のおばさんたちがポリ袋をもって拾いに来ます。
 臭いがすごいので、ぼくは触りたくありません。一度拾いに来て、手についた生ゴミのような臭いがいつまでも消えず、閉口しました。

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 殿様が野遊びに立ち寄りそうな作りの休憩所。居心地は今ひとつ。お茶は無料です。

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 書斎を当時のまま残した記念館。書斎が並の家の大きさの一戸建て!

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 記念館(書斎)の内部。正面の暖炉は飾りではなく、実際に使われていました。左の隅に机があり、応接セットやティーテーブルが置かれています。どれも特級の特注品。ぼくにはわかりませんが、大変な名品のようです。

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 スタンウェル社製のピアノ。相当な名品だったようですが、現在は使用できないらしく、修理のための募金を募っていました。

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 照明も当時の白熱電球のままで、館内は薄暗く、重厚な雰囲気です。

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 池の向こうには水屋があり、休憩や読書にいい場所でしたが、老朽化が進み現在は改修のため閉鎖されています。

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 奥入瀬とはいきませんが、自分の家の庭にこんな渓流をつくっています。

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 大田黒元雄はここに1933年転居して来たといわれます。庭にある樹齢何年かわからない何本もの大木は、もともとこの地にあったものなのか、それとも移植したものかわかりません。

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 ロッキード事件の頃、田中角栄邸の池に一尾何百万もする錦鯉が大量に泳いでいたことが話題になりました。金持ちというものは池に鯉を放すのがステイタスだと思っているのでしょうか。
 しかしこの鯉は大田黒氏のものではなく、杉並区で放したのかもしれません。
 手を叩くと寄って来ました。

 それにしても、これだけの物件を遺族が相続したら、税金がすごかったでしょうねきっと。
 杉並区に寄付したのも、もしかしたらそんないきさつがあったのかも。

 ◇◇◇

 休憩所の横に茶室があり、茶会などに利用できます。(有料)
 開園時間は午前9時から午後5時まで(入園は4時30分まで)
 入場無料、ただし「子供だけの入場はできません」だそうです。

 杉並区荻窪3-33-12
 (JR・地下鉄荻窪駅南口から徒歩約10分)
 管理事務所電話 03-3398-5814

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