てつがくカフェ@ふくしま

語り合いたい時がある 語り合える場所がある
対話と珈琲から始まる思考の場

てつがくカフェ@ふくしま特別編2・参加者感想

2012年03月11日 11時15分55秒 | 参加者感想
昨日3月10日、「てつがくカフェ@ふくしま 特別編2」 が開催されました。
10月22日に行われた第1弾と同様、ビューホテルの披露宴会場、
まばゆいシャンデリアの下でにぎにぎしく、3時間にわたって対話が交わされました。



テーマは 「あれから1年 〈3.11〉 で何が変わったか? ―震災・原発をめぐって―」 です。
参加者数は前回を上回る54名。
福大生の動員はまったくできなかったにもかかわらず、
これだけ多くの方々に来ていただけたことに世話人一同たいへん感激いたしました。
新聞記事の効果か、初めて参加してくださった方、
特に関東や京都など他県から参加してくださった方が半数近くいらっしゃいました。
まずは、世話人代表の牧野から今回の主旨説明がありました。



そのあとはまず前半で、3つの班 (ちょうど18人ずつ) に分かれて、グループごとに話し合いました。
前回の特別編では、50人がいっぺんにマイクを使って話し合ったのですが、
そのやり方では十分に話すことができなかったという批判をいただいたため、
今回はこの新しいスタイルに挑戦してみました。
なかなか好評だったように思います。



グループでの話し合いを2時間弱行ったあと10分間の休憩に入ります。
その後、各班のファシリテーターが、それぞれでの議論を簡単にシェアしました。



そして、最後の1時間はマイクを使っての全体討論になります。
グループ討論を踏まえてさらに新しい論点も出され、議論が深められていきました。
今回は今までで最年少、13歳の中学生が参加してくださっていましたが、
大人たちの中で臆することなく自分の意見をはっきりと述べていたのが印象的でした。



それでは、いつものように参加者の皆さまからいただいた感想をご紹介していきましょう。


●様々な意見や考え方に触れて参考になった。

●対等に発言できる 「場」 という存在は、単純にワクワクドキドキするなあと感じました。

●参加してよかった。このように語る場がはじめてだったのでよかった。話のどこがよかったかというより、このプロセスがよかった。

●この一年色々と自分なりに考えていたが、このテーマで自由に議論できる場はなく、とてもいい時間になった。東京に戻って今日の事をshareしたい。

●議論というのは難しいなと。論点の設定など。そもそも討論とは何の為にするのでしょうか? 自分の考えを深めるためのものなのですか?

●原発で多くの命がなくなりました。時間が解決するのではなく、責任者の責任を刑事事件にして命を保障すべきです。

●参加できて良かったです。サイトに後ほど感想書きます。

●最後に先生が言われた 「熱を共有する場」、なるほどなと思いました。参加して良かったです。

●とても良い機会をいだきました。ありがとうございます。横浜に住んでいるのですが、3.11/原発問題、日常の中で実感することはほとんどありません。こうやって考える機会にめぐりあえたこと、そこで感じたことを大切にして、自分のできることから何か行動しなければと思えました。

●女性目線からの意見 (結婚、子供) についての改めてふれる部分が再発見できた。この様なディスカッションする場に参加でき、現地 (福島) の方と他県の方の思いが違ったことに少し驚いた。

●震災や原発について福島の人間だけではなく、全国各地の人がこんなにも考えて、思いをめぐらせているのかと驚きました。「3.11以後何が変わったのか?」 「責任はどこにあるのか?」 といった議論から、「正しい情報とは?」 といったものまで幅広いテーマで語られていて、自分の考えもしなかった分野にまで及んでいたので非常に充実した時間でした。また参加したいです。

●私自身は、精神的に被災者であることを、時がたてばたつほどに思い、何か対象化して考えることが難しくなっていたこの頃でした。今日は、一番疑問に思っていたことで、なぜこれほどひどいことをされて (と私は思っています) 福島の人々はだまっているように見えるのか、ということで、そのことについて語ってくださったことをきけて、少しずつ見えてくるものがありました。私は最後に渡部さんがまとめてくださったように、考え続けるということが、何か新しいものへとつながる道ではないかと思っています。それを哲学カフェを通じて、あるいはお一人おひとりが続けてくださることを切に願っております。

●震災以降に東北地方に来たのは初めてでしたが、語る内容以前に、現地の方々の気迫の凄まじさを感じました。内容に関しては、やはり震災に関連した問題があまりにも多岐にわたるため、ある人が良かれと思って起こした行動が、別の人の望みに反するという現実を知りました。今後私自身が何をすべきか、ますます分からなくなったというのが正直なところですが、何よりもまず 「考えること」 を忘れないようにしたいと思いました。

●福島にて、原発、放射能というテーマで話しができたことに、大変満足しました。埼玉在住で、現地or原発に近いところの情報、また住んでいる人々の感じているところを聞けてよかったです。そして、変える、変わるというテーマで、考え、意見を交わせたことが非常によく、私も自由に話せる場が必要だと思っているので、よい意見交換ができたと思います。

●とても良い企画 (?) に参加できて光栄です。こうやって自由に話し合える場所 (しかも素晴らしいファシリテーターの方々) を提供して頂き感謝しています。正直、悲観的な考えもたくさんあってショックを受けましたが、最終的には希望もふつふつ見えたと思います。ここで討論したことを地元や家でも続けて討論し、考え、問い続けたいと思います。

●テーマがテーマなだけに、いつも以上に論点がふわふわっとしていましたし、法政大の方が 「こういう方向にもっていきたい」 という思惑が見え隠れしているように個人的に感じました。そういう点も含めて、「フクシマ」 を考える要素を得られて実りがありました。

●大なり小なり皆思っていることがあるということが確認できます。しかし、発表する場所が無い。後、発表の仕方が分からないというのは、やはり教育の結果と感じられる。教育を考えて変えるべきと思いました。

●班での討論の時間が長過ぎて、全体の時間が足りず残念でした。もっと全体での討論が欲しかったと思います。「3.11で何が変わったか?」 で最後に 「形式主義・立場主義」 の話が出ましたが、その根源には 「わからないことやイレギュラーな事に対する不安」 があるのではないでしょうか? 「未知に対する備えや想像力」 が日本人に欠如していた事が今回わかったので、そういう事ができるようにわたしたちが変わっていく必要があると思います。

●京都からいらしている方が、率直に福島について語られていたことが印象的でした。(実感がわかないというような内容 → 思ったより福島が普通。) → 住んでいる方は、ある程度普通にしていなければ暮らせない。住む以上、普通にせざるをえないのかと (見た目上)。東京の方が、生きてきてはじめて 「日本が好きだ」 と感じたとおっしゃってて、国を愛するというより、国民を愛しているのか? 国土を愛しているのか? 私は日本が好きか? 3.11を経験して、日本が好きか?考えてみたいと思いました。

●1年経って、3.11直後よりもさらに地震や原発のことを深く考えるようになった。復興が進んでいるとニュースで報道されているが、実際のところ、人の心は全く復興はしていないと思う。むしろ、1年経ってさらに深く人の心は傷ついていると思う。今回も3.11以後に変化したことはたくさんありすぎて言いきれないが、誰かが言っていたように、ただ単に変わっていくことを見つめていくだけでなく、行動を起こし、変えていくことが必要なのだと感じた。

●来てよかったです、心から。実際に福島の方達と、県内外問わず対等な立場で話し合えること、話/声を聞けること、とても有意義でした。何よりも、肩肘はった感じでないこと (世話人の方達の 「場の演出?」 のおかげだと思います) が、とても話しやすい空気を作っていると思いました。実際に色々な声を聞いた上で、またじっくり自分の中で考え続けて、また参加したく思います。


皆さま、本当にありがとうございました。
終了後、「サイトウ洋食店」 を借り切って行った打ち上げには、
今回の参加者の半数以上にのぼる35名の方々にご参加いただき、
初対面どうしの人々がさらに対話を深めていきました。
皆さんとまた語り合えることを楽しみにしております。
どうもありがとうございました。


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