道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

蔵王権現と修験の秘宝(三井記念美術館)

2015年10月21日 | 美術道楽

 三井記念美術館で開催中の「蔵王権現と修験の秘宝」展に行きました。

蔵王権現とか修験といって説明することが難しいので、HPから企画の趣旨を引用します。

(引用はじめ)法螺貝(ほらがい)を吹き、錫杖(しゃくじょう)を突く「山伏(やまぶし)」の姿にイメージされる修験道(しゅげんどう)は、山中での厳しい修行によって悟りを得ることを基本とし、日本古来の山岳信仰に神道、仏教、道教、陰陽道(おんみょうどう)などが習合(しゅうごう)した日本独自の宗教です。主尊蔵王権現像(ざおうごんげんぞう)は、髪を逆立て、三眼、左右の牙を出す怒の相で、右足を高く蹴り上げて左足で立つ、青黒色の猛々しい姿をしています。

この特別展は、修験道の根本聖地である金峯山寺ほかの、奈良県吉野金峯山(きんぷせん)修験に関わる仏像、曼荼羅図(まんだらず)と、経筒、経箱、鏡像、懸仏など経塚(きょうづか)遺品、そして早くから地方の山岳宗教の地で修験道の拠点となり、崖上に建てられた平安時代の「投入堂(なげいれどう)」で知られる鳥取県三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)の多数の蔵王権現像を一堂に展示する、まさに「天空の神と仏の世界」が眺望できる画期的な展覧会です。(引用終わり)

 

山伏といえば、安宅関を通って奥州藤原氏のもとに向かおうとする源義経一行の変装した姿(もちろん、能の「安宅」や歌舞伎の「勧進帳」でおなじみのあの話が真実かどうか疑問なのですが。)、あるいは新宮中納言源行家の変装した姿などでドラマによく出てきますが、あれです。ちなみに今回の企画展は、源義経ゆかりの吉野にかかわるものも多数展示されています。

 

蔵王権現は、上に記載されているとおり、左足だけで立つ何ともインパクトのある姿です。その表情も様々で、中にはオトボケキャラのような顔をしたものまであります。残念ながら、私が行ったときには、この企画展の最大の見どころである如意輪寺の蔵王権現像は既に展示を終了していました。

このほか、藤原道長や経を入れて土の中に埋めた経筒(前期展示)やそのひ孫の藤原師通の経箱(後期)も展示されています。

鏡像などもあるのですが、既に何が描いているのかほとんどわからないものもあります。

吉野と並んで、鳥取県倉吉市にある投入堂も修験道については重要な場所であったようで、投入堂の解説もありましたし、投入堂ゆかりのものも展示されていました。

 

下の写真は、もう11年も前に倉吉の打吹公園を訪れたときのものです。お花見のシーズンに出かけました。

まだデジカメの性能が悪い時代ですので、画像があまりよくありません。

このときは残念ながら投入堂の近くには行きませんでした。