Zooey's Diary

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「ふたりのマエストロ」「テノール!」

2023年09月07日 | 映画

父フランソワ(ピエール・アルディティ)も息子ドニ(イバン・アタル)も、パリで活躍する著名な指揮者。
ある日、父に世界最高峰のミラノ・スカラ座から、音楽監督を依頼する電話が入る。フランソワは歓喜するが、それは息子への依頼の間違いであった。真実を告げなければならないドニは苦悩する…
お互いプライドが邪魔をして、素直に向き合えない父と息子。
題材としては面白いと思ったのですが、ドニの離婚した元妻や今の恋人との関係、ドニの出生の秘密など、余計なエピソードを盛り込み過ぎて、やや散漫になった感じ。
しかもあり得ないラストが、ポスターでバレバレになってしまっている。
ブラームスの間奏曲第7番、ベートーヴェンの交響曲第9番、モーツァルトのフィガロの結婚序曲など、音楽的には素晴らしかっただけに残念。
「ふたりのマエストロ」公式HP 



それに比べたら、同じクラシック音楽をテーマとした映画「テノール!人生はハーモニー」の方が余程よかった。
こちらは、さえないラッパーが才能を見出され、パリのオペラ座に立つまでの物語。
寿司の配達のためオペラ座を訪れたラップ好きのフリーター青年アントワーヌ(MB14)は、ひょんなことから一流オペラ教師マリー(ミシェル・ラロック)に才能を見込まれてスカウトされる。
移民の息子アントワーヌは下町に育ち、兄は闇ボクシングやクスリの密売をして稼ぎ、挙句は逮捕されてしまう(母親には日本に旅行していると嘘をつき、留置場の壁に富士山の写真を貼ってビデを電話するのが笑える)。
一方、オペラを学ぶ連中は自宅に豪華なホールを持っていたり、父親がオペラ座に巨額の寄付をしていたりと、フランスの階級社会をまざまざと見せつけられます。
それでも絢爛豪華なオペラ座ガルニエ宮が堪能できるし、吹き替えなしですべて歌い切ったというMB14の歌唱力は見事なもので、「誰も寝てはならぬ」「蝶々夫人」「椿姫」「リゴレット」など、いつまでも聴いていたい気分になりました。
「テノール!」公式HP

コメント (2)
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