暫く前の朝日新聞に、米谷ふみ子女史の近況を紹介する記事が出ていました。
白髪の女史は、しかし今も西海岸に元気に在住、
アメリカ社会に対して怒り続けていると記事に書いてありました。
彼女の小説「過越しの祭り」を読んだのは
1985年、もう四半世紀ほど前のことです。
何故そんなことを覚えているかというと、彼女がその小説で芥川賞を取ったのが85年、私は月刊文藝春秋の誌上で、その受賞作を読んだからです。
結婚する少し前の私にとって、 それは中々の衝撃作でした。
これでもか!と描かれた結婚生活の恥部暗部、
癇癪持ちのユダヤ人作家の夫との軋轢、
無神経な夫の家族(義姉や義母)との葛藤、
脳障害を持った息子との凄まじい日々…
以来なんだか気になって、彼女の他の小説、エッセイ、その癇癪持ちの夫が書いたという本など色々読みました。
今回久しぶりに読みたくなって、アマゾンで取り寄せました。
何も知らなかったあの頃と、まがいなりにも結婚生活を続けてきた今と、
自分がどんな違った感想を持つか、確かめてみたかったのです。
「過越しの祭り」「遠来の客」が納まった薄い文庫本。
”男尊女卑の日本を離れ,自由に絵を描きたい-大いなる夢を抱き渡米した道子.
ユダヤ人作家と結婚したが,文化の違いから何かとぶつかってばかり.
そして生まれた子どもは脳に障害を持ち….
施設から帰宅した子どもをめぐる家族のいざこざを描く「遠来の客」,
ユダヤの祭で結束固い夫の一族に翻弄され,自らの解放を密かに決行した「過越しの祭」”
(amazonより)
脳障害を持った息子というのは、重い自閉症児であったのですね。
そして彼女が描く日本人妻は、あまりにも夫と対等にぶつかりすぎている。
こんな子どものような夫を相手にするなら、もう一段上から見なくては…
(などと言うのは簡単だけれども、実際には難しいだろうなあ)
しかし、しょっちゅうぶつかり合って激しい言い争いをしているのですが、
何処かそれを醒めた目で見ている彼女がいる。
異国で暮す中年女の怨恨と愚痴で全編が覆われているのですが、
だからこそ、彼女の小説には乾いたユーモアが漂い、
実際の彼らの結婚生活はいまだ続いているのでしょうねえ…
「過越しの祭り」
白髪の女史は、しかし今も西海岸に元気に在住、
アメリカ社会に対して怒り続けていると記事に書いてありました。
彼女の小説「過越しの祭り」を読んだのは
1985年、もう四半世紀ほど前のことです。
何故そんなことを覚えているかというと、彼女がその小説で芥川賞を取ったのが85年、私は月刊文藝春秋の誌上で、その受賞作を読んだからです。
結婚する少し前の私にとって、 それは中々の衝撃作でした。
これでもか!と描かれた結婚生活の恥部暗部、
癇癪持ちのユダヤ人作家の夫との軋轢、
無神経な夫の家族(義姉や義母)との葛藤、
脳障害を持った息子との凄まじい日々…
以来なんだか気になって、彼女の他の小説、エッセイ、その癇癪持ちの夫が書いたという本など色々読みました。
今回久しぶりに読みたくなって、アマゾンで取り寄せました。
何も知らなかったあの頃と、まがいなりにも結婚生活を続けてきた今と、
自分がどんな違った感想を持つか、確かめてみたかったのです。
「過越しの祭り」「遠来の客」が納まった薄い文庫本。
”男尊女卑の日本を離れ,自由に絵を描きたい-大いなる夢を抱き渡米した道子.
ユダヤ人作家と結婚したが,文化の違いから何かとぶつかってばかり.
そして生まれた子どもは脳に障害を持ち….
施設から帰宅した子どもをめぐる家族のいざこざを描く「遠来の客」,
ユダヤの祭で結束固い夫の一族に翻弄され,自らの解放を密かに決行した「過越しの祭」”
(amazonより)
脳障害を持った息子というのは、重い自閉症児であったのですね。
そして彼女が描く日本人妻は、あまりにも夫と対等にぶつかりすぎている。
こんな子どものような夫を相手にするなら、もう一段上から見なくては…
(などと言うのは簡単だけれども、実際には難しいだろうなあ)
しかし、しょっちゅうぶつかり合って激しい言い争いをしているのですが、
何処かそれを醒めた目で見ている彼女がいる。
異国で暮す中年女の怨恨と愚痴で全編が覆われているのですが、
だからこそ、彼女の小説には乾いたユーモアが漂い、
実際の彼らの結婚生活はいまだ続いているのでしょうねえ…
「過越しの祭り」