今日は一日の三分の一(8時間!ハワイまで行けます)を新幹線と電車の中で過ごしました。まぁ、新幹線の移動というのも3時間が限度で、それ以上は飛行機にしたくなりますね。でもその分車中読書が進みまして、ローマ人の物語を無事読み終えました。2006年に単行本15冊は完結していますが、文庫本43冊はそれぞれ作者のコメントも新しく入っています。西ローマ帝国が知らぬ間に終わりを迎えた後のイタリア半島は、西ゴート族が半世紀支配をローマ人と共生しながらすすめますが、東ローマ帝国のユスティニアス大帝(ローマ法全を編纂させたことで世界史の教科書に載っている)がその平和をあえて壊しにかかり、結局ゲルマン民族に依ってではなく、兄弟帝国によってイタリア半島の旧ローマ的なものは破壊されてしまったということです。ローマ人の物語は人間観察が優れているので、司馬遼太郎などよりも座右の書として読み返したいと思います。
その後に車中で読み始めたのは、多分ローマ人の物語は読み終えてしまうだろうと、朝の駅ナカの書店で買ったもうダマされないための「科学」講義という新書。3・11以降は放射能関係の胡散臭い報道と、国民の反応にはうんざりするものがあります。受けを狙った(ツイッターなどでの)発言や、根拠のない、推測だけの発言などを検証しないままジャーナリズムが報道するということが続いています。国民も過敏反応が過ぎるなぁと思うし、テレビや活字であれば鵜呑みにしてしまう人も多そうです。当節、言った者勝ちという感じが強く、メッセージを受け取る側は情報を慎重に選別しないとならないと思います。似非科学に基づく発言をどう見抜くか、そういうことの本ですが、巻末にある付録だけでも読む価値があります(最初に読んだのもここから)。放射性物質をめぐるあやしい報道と不安につけ込む人たちというタイトルのものですが、ここだけでも立ち読みをお勧めします。
「ローマ人の物語43ローマ世界の終焉」塩野七生 新潮文庫
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