活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【6月21日】

2007-06-21 | 新書
 百年前の私たちを読んでいると、昔の人も今の人も所詮おなじ人なのだなと思います。
 百年前の常識で現代の非常識というのはありがちなのです。でも電車で化粧する女性を非難する声はありますが、百年前も電車に乗る女子大生の(当時の)非常識を嘆く声があり、その時代時代で若者をみる大人の目は同じなんだなぁとわかります。
 著者は夏目漱石の研究者で、当時夏目漱石を読んだ人たちの意識感覚を調べたくて明治大正の雑書を(2000冊!)集めこの本を書きました。当時の文学とか新聞に触れる機会はありますが、雑書の世界というのはよほど神田の古本屋を巡らないと難しいので、この本はそういう意味でも面白いです。

「百年前の私たち」石原千秋 講談社現代新書
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