活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

横井小楠

2005-02-04 | 新書
 幕末維新の傑物というと坂本竜馬,西郷隆盛,勝海舟,高杉晋作,桂小五郎らの名前が挙がって,またその時代のドラマに彼らが出ないということはないのですが,横井小楠という名前を知っている人がいれば余程の歴史好きと言えるんじゃないかと思えます。熊本藩士にして(酒癖で失敗をして藩からスポイルされ)福井藩主松平春嶽のブレーンとして活躍したのです。その思想は開国重商主義富国強兵であり,竜馬や勝らに大きな影響を与え,明治政府にも参与として呼ばれそこでもブレーンとして活躍しましたが,旧主派に思想を誤解され暗殺されてしまいます。この人の凄いところは日本は世界平和の為に尽くさねばならないと言ったことです。国内がまだ佐幕か攘夷か公武合体かでもめているときに世界平和を訴えたのですよ。トルストイも感嘆したといいます。ただ革命家でなかったので名が残りにくかったと著者も言っています。ドラマになりにくいかもしれませんが,是非どこかのテレビで幕末維新ものドラマを作るのだったらこの人を是非加えて欲しいものです。

「横井小楠」徳永洋 新潮新書
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