活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【4月4日】

2008-04-04 | 単行本
 歴史の中の事件はその時の状況とか文化を背景に理解しないと、なかなか受け入れずづらいものがあります。新左翼とは何だったのかで出てくる多くの事件(当人達は革命を目指していたのですが)は、70年安保の頃まではなんとか理解できるものの、それ以降の内ゲバに至っては全くその行動を理解できません。著者は学生運動とその後の新左翼活動の当事者で3年間実刑判決を受けた経歴があります。その立場で振り返ったいうなれば戦後日本の左翼の歴史(共産党をのぞく)は、いまだ存続しているセクトのことを考え、深く切り込んだ表現はしていませんが、それなりの総括(この言葉も新左翼用語として一世を風靡しました)したものとなっています。でも、どこか自分の過去の行為を肯定しています。そうでなければ、今の自分を否定することになるのでしょうけれど。

「新左翼とは何だったのか」荒岱介 幻冬舎新書
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