御松茸騒動 | |
クリエーター情報なし | |
徳間書店 |
最新刊。
尾張藩を舞台とした本作は、前作、また直木賞とも違う語り口です。
主人公は若い侍、小四郎。江戸で使える彼は亡き父の後妻である実の母親の妹と暮らしている。父親の古くからの馴染みの田舎侍三人のおじさんが事件を起こして…。このおじさん三人組のキャラがいい!頭はいいけど思いやりに欠ける小四郎のペースを乱すおじさん三人。にやりとほくそえんでしまう。
小四郎は、つまり左遷されてしまうのです。
そんな余裕のないプライドなんて、折られてしまえ~(笑)
亡き父と今でも多くの人たちが愛するかつての藩主・徳川宗春が結びついて…。(本人にとっては)思いがけないことが起こってもその中に意味を見出し、自らの道を歩みだすのです。義理の母もいいエッセンスです。
小四郎の成長に肩の力が抜ける一作です。