天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

文楽夏休み特別公演二部

2014-07-22 12:07:38 | 観劇
今年は近松門左衛門没後290年に当たるとかで二部も三部も近松っつぁん。

席は二列目、夏休み公演限定の花道の隣。人形の動きをがっつり見るぞという意気込み。



「平家女護島」
意気込み、撃沈。前半動きが少なく寝てしまう。かろうじてストーリーは追えるもののなんとなく乗れないまま終わってしまう。ああ、私のバカバカ。俊寛の人となりは予習しとくべきだった。



「鑓の権三重帷子」
こちら衝撃の一作。実は近松はそんなに好きじゃないんです。スイタホレタニソナイニ共感デキナイワ。
ところがこれ!すごい!えらい展開!
槍の名手権三は色男。積極的な女の子と一度契って知らんぷり。業を煮やした乳母が結婚を迫ってやっとうんといいます。
ところで女の子の兄ちゃんは権三の仕事上のライバル、茶会のセッティングをえらい人から競うように言われます。
権三は、門外不出の茶会テクニックを持つ上司の奥さんのところに技の伝授を乞いに行きます。
奥さんは37才、自分の娘の旦那になったら伝授するよと言うてる間におかしくなって権三にのぼせあがり、帯が他の女からもらったものと分かった途端に逆上。権三の帯を解き、自分の帯を解いてつけさせようとします。

無茶しやがるぜ!

それを横恋慕していた女の子の兄ちゃんが見つけて大声あげて去って行きます。
誤解なの、誤解なのと弁解することもできず、不義密通は旦那に殺されても仕方ありません。
不義もしてないのに罪になるとは、といいながら二人は逃げられるところまで逃げるのです。

史実では24才の侍と37才のお茶のお師匠さんの逃避行の後に大阪で旦那に斬られたそうです。

物語は伏見へ。
夏の夜、盆踊りに興じる人たちに紛れてやってくる二人。
そこへやってくる旦那。なぜ討たねばならぬのか説明があります。

対峙する一行。刀を取るものの権三はもともと死を覚悟していたので、刀を捨てます。

この瞬間、勘十郎さん扱う権三の殺気が消えて…鳥肌が。人形で、とかそんなん越えて人がこういうのを演じることができるんかと驚愕。二人の亡骸が重なる舞台に余韻を残し終演。

ぜっんぜん共感できないし、そこに愛はあるのか!の逃避行なのに、下世話なスキャンダルから生と死を描く舞台の迫力にただただ圧巻されました。
こんなのを考えつく近松スゲー。ただの不倫もんやんとは思えませんでした。
コメント
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