夢の羅列<スピードの終焉>20160930
つづき。
「あ、爆ぜた」
私とオヤジが同時につぶやいた。
スクーターで爆発するとしたらエンジンかガソリンタンクだと思うが、
状況を詳しく説明すると
「爆ぜた」のはそのふたつが原因ではないように見えた。
エンジンが爆発するとしたらおそらく他に影響せずエンジンだけが爆発するだろう。
また、タンクが爆発したなら、それはもう火の玉のようになって大惨事である。
しかし目の前で起きたことはそうではなかった。
想像するとたとえばこんなイメージに近いかもしれない。
スクーターのあるゆる箇所、それは取り付け部であったり、接合部分であったり、
そういった箇所のすべてに小さな爆破装置を付けて、同時に爆破させたとしたら
あのように走行途中に一瞬でバラバラになるのではないか。
ブィーンときて「パンッ」と爆ぜて、スクーターは粉々ではなくバラバラになった。
もしもスローモーションで再生したらきっと爆ぜる瞬間には
車体が膨らんだように見えたに違いない。
膨らんだその時すでに車体はバラバラだ。
しかし各部品ごとの爆発がごく小さいため飛び散らずに、
遠目ではまるで車体が膨らんだまま走っているように見える。
そしてそのまま数メートルを移動した後、スピードの亡霊が力尽きたかのごとく
地面に沈むように崩れ落ち、部品の数々を撒き散らす。そしてすべては終わる。
もちろん実際には一連は一瞬のことである。
乗り手はどうしたか。消えた。
つづく。
つづき。
「あ、爆ぜた」
私とオヤジが同時につぶやいた。
スクーターで爆発するとしたらエンジンかガソリンタンクだと思うが、
状況を詳しく説明すると
「爆ぜた」のはそのふたつが原因ではないように見えた。
エンジンが爆発するとしたらおそらく他に影響せずエンジンだけが爆発するだろう。
また、タンクが爆発したなら、それはもう火の玉のようになって大惨事である。
しかし目の前で起きたことはそうではなかった。
想像するとたとえばこんなイメージに近いかもしれない。
スクーターのあるゆる箇所、それは取り付け部であったり、接合部分であったり、
そういった箇所のすべてに小さな爆破装置を付けて、同時に爆破させたとしたら
あのように走行途中に一瞬でバラバラになるのではないか。
ブィーンときて「パンッ」と爆ぜて、スクーターは粉々ではなくバラバラになった。
もしもスローモーションで再生したらきっと爆ぜる瞬間には
車体が膨らんだように見えたに違いない。
膨らんだその時すでに車体はバラバラだ。
しかし各部品ごとの爆発がごく小さいため飛び散らずに、
遠目ではまるで車体が膨らんだまま走っているように見える。
そしてそのまま数メートルを移動した後、スピードの亡霊が力尽きたかのごとく
地面に沈むように崩れ落ち、部品の数々を撒き散らす。そしてすべては終わる。
もちろん実際には一連は一瞬のことである。
乗り手はどうしたか。消えた。
つづく。