夢の羅列<ヌードについての変な話・終> 20170827
つづき。
だから村に戻ってきたのだった。
擦り切れ果てた心と身体を
この生まれた場所なら少しでも癒してくれるだろうと思い帰ってきたのだった。
女は都会でのことは何もかも忘れようと思っていたのだったが、
思い出してしまった今はもう凍った翳が心に張り付いてしまったように
身体が芯から冷え、心はもう溶けることはないと思えるのだった。
作り笑いすらも出来なかった。
ただでさえ浮いた存在の私が冷たくしたら村の人たちはどんなふうに感じるだろう。
きっと私は孤立して、疎外感に苛まれ、いつか感情を失くすのではないか。
男を見ると口がパクパクと動いていた。
何かを喋っているのだろう。
しかし何も聞こえない。
男は、都会でも故郷でも居場所のない私の暗闇を暴き出して、
その私を裸にして、ニコリともしない女を撮影をして、
いったいそこに何が写るのだろう。
哀れさか。愚かさか。それとも大きく開いた傷だけを冷たく写したいのか。
むしろそれは卑猥さか。
そんなことをして誰に得があるのだろう。
誰が喜ぶというのだろう。
私はもちろんもっと傷つく。
写真を見る人も嫌な気持ちになるだろう。
この男にしても楽しいことなどないのではないか。
誰にも得がないと思えるこの撮影をすることに何の意味があるのだろうか。
そこまで女が考えた時に、村の老人が前を通りかかった。
「お、○○ちゃん。ハダカ撮んだって。ダーメだよ、そんな暗い顔してたら。
田舎なんだからサ、もっと楽しくやんなきゃ。もっとパーっと、ほれパーっと。」
おわり。
つづき。
だから村に戻ってきたのだった。
擦り切れ果てた心と身体を
この生まれた場所なら少しでも癒してくれるだろうと思い帰ってきたのだった。
女は都会でのことは何もかも忘れようと思っていたのだったが、
思い出してしまった今はもう凍った翳が心に張り付いてしまったように
身体が芯から冷え、心はもう溶けることはないと思えるのだった。
作り笑いすらも出来なかった。
ただでさえ浮いた存在の私が冷たくしたら村の人たちはどんなふうに感じるだろう。
きっと私は孤立して、疎外感に苛まれ、いつか感情を失くすのではないか。
男を見ると口がパクパクと動いていた。
何かを喋っているのだろう。
しかし何も聞こえない。
男は、都会でも故郷でも居場所のない私の暗闇を暴き出して、
その私を裸にして、ニコリともしない女を撮影をして、
いったいそこに何が写るのだろう。
哀れさか。愚かさか。それとも大きく開いた傷だけを冷たく写したいのか。
むしろそれは卑猥さか。
そんなことをして誰に得があるのだろう。
誰が喜ぶというのだろう。
私はもちろんもっと傷つく。
写真を見る人も嫌な気持ちになるだろう。
この男にしても楽しいことなどないのではないか。
誰にも得がないと思えるこの撮影をすることに何の意味があるのだろうか。
そこまで女が考えた時に、村の老人が前を通りかかった。
「お、○○ちゃん。ハダカ撮んだって。ダーメだよ、そんな暗い顔してたら。
田舎なんだからサ、もっと楽しくやんなきゃ。もっとパーっと、ほれパーっと。」
おわり。