
歩いていたら、
小さなお稲荷さんを見つけた。
しばらく佇まいを眺めていたら、
なぜかその裏から
アジア系の若い女がひとり、またひとりと出てきて、
次々にお堂に手を「ちょん」と合わせては歩き去った。
はて、裏に小道も建物もないようだが。
どうなってるの?
少し興味はあったが、
「見ないほうがよい」
と声が聞こえたような気がして、
私も習って「ちょん」と手を合わせて離れた。
見なくてもよいもの、
開けなくてもよい扉、
話さなくてもよいこと、
やっぱりあるからね。
あれは夢だったのか。それとも、
タヌキが夜の出勤をするところだったのか。
でもなあ、
タヌキがキツネに手を合わせるだろうか。
以上ホントの話。