夢の羅列<文鳥設定> 20170628
夢の中で、
私はどこかの会議室にいた。
他に学者たちが7,8人同席していた。
前面のスライドには大きく文鳥が映し出され、
それに関する手元の資料を読んでくれと進行役に言われ、私は読み始めた。
資料は、文鳥が国鳥であるか否かを論じていた。
当然のごとく文章の最初から文鳥という言葉が出てきて、
私はなぜか、もしく夢の中だからか、文鳥をブンチョウではなくフンチョウと読んだ。
それを正式な学名だと思ったからだ。というより、
学者ばかりの席で私は舞い上がり、何かもっともらしいことを言わなければと焦り、
ついフンチョウなどと口にしてしまったのだった。
「フンチョウだって……」
小声が後ろの席から聞こえた。
「ド素人が…」
「フフフ……」
「ハハハ……」
一番偉い教授までもがヤレヤレといった感じで苦笑いをしているようだった。
私は資料を読み続けていたが、耳に入ってくる嘲笑に心が痛んだ。
しかし文鳥という言葉はいくつもいくつも繰り返し出てくるので、
今さらブンチョウと読むことも出来ず、私はフンチョウフンチョウと何度も読んだ。
資料の文鳥の項が終わり、私は読むのを止め、座った。
教授が壇上に上がり、スライド、いや今だからパワーポイントのようなものだが、
要するにパソコンを操作し、文鳥についてを説明し始めた。
「えー、ここに映るフンチョウですが、これは国鳥ではありません。しかし、
必ずしもそうとは限らない場合があり、それについて説明します」
(おいおい、先生も頭からフンチョウと呼んでいるじゃねーか)
私は鬼の形相でやおらに振り向き、若い学者たちの顔を一人ずつ睨みつけた。
皆、私と目が合わないように下を向いてしまい、私は大人の態度を思い出し、
前に首を戻した。
教授が言うには、文鳥は日本の国鳥ではないが、しかし、
ある設定をした時に、大変に似せることが出来、間違う人も多いということであった。
ある設定がどういうものか夢の中のことで憶えていないが、
日本の国鳥はたしかキジなので、文鳥、いやフンチョウとはさすがに
誰も間違えないだろう、と私は目覚めに微笑んだ。
おわり。