夢の羅列<保育園送迎>
いつからなのか、
夢の中で私は、保育園の<お手伝いさん>のようなことをやっているようだった。
その朝も、園にひとりだけ残った子供を送り届けることになった。
朝に園から家へ送るのも何か変なのだが、夢の出来事なのでとやかく言わず、
とにかく子供を車に乗せた。
そこにエプロン姿の保母さんが園庭を小走りでやってきて、
「これも、これも」と私はなぜか寿司桶を手渡された。
白木のではなく、高級そうな塗りの桶であった。
私は車を園庭から道路に出した。
子供は後ろで壊れたラジオのごとく何か歌を歌っている。
アニメか何かの元気な歌だ。
私は朝はクラッシックという男なので、うるさくて閉口した。
路地を注意深く走って、やがて幹線道路に出た。
どこだろう、ここは。雰囲気では第一京浜の港区あたりに似ている。
それにしてもこの子の家はどこなのか、私は運転の合間に地図を開いた。
けっこう遠いよなあ。なんでこんなとこから通っているんだろう。
片側4車線の一番右を走っていたのだが、
どうもこの車線では右に曲がらされてしまうようだから、左に変更しなければならない。
ところが、左側にはトラックなんかの大型車がぎっしりと走行中で、
まったく車線変更できそうな気配がない。
おいおいおい。
子供を乗せて無茶も出来ないし、などと考えていたら、
左のトラックが私の方へ寄せてくるではないか。
私はギリギリ右に寄せてトラックを回避するのだが、トラックはまだ寄せてくる。
もっと右に行かなければトラックと接触してしまう。
私は右のスペースをちらっと確認した。
右はなんと線路だった。
しかし考える間もなくトラックが寄せてくる。
私は反射的に右にハンドルを切って、とうとう私は線路を走っているようだった。
後ろからは音痴なアニメ歌。あーうるさい。
まいったなあ。そう思っていると携帯が鳴った。
「はい。もしもし」
「あー、どうですか。そろそろ着きそうですか」
「いやー、ちょっと問題がありまして。でももう少しだと思います」
電話は保母さんからだった。
「話しは変わるのですが、○○ちゃんを送った後に、その桶を……。」
「いや、ちょっと今、詳しく話しをしている余裕がないんですが、ちょっと…。」
「桶に園長先生の握ったお寿司が入っているんですけど、○×町の△○さんまで…。」
「えっ、中身が入っているんですか。」
はっとした。そういえば音痴が聞こえない。
私は後ろを振り返った。
○○ガ○が飯粒を口の周りに付けたまま満面の笑み。
線路上を走っていなければ殴っていたかもしれない。そして、
また電話が鳴る。
「はい、もしもし」
「ワシの寿司どおなっとるんかのー」
もう何がなんだか。
いつからなのか、
夢の中で私は、保育園の<お手伝いさん>のようなことをやっているようだった。
その朝も、園にひとりだけ残った子供を送り届けることになった。
朝に園から家へ送るのも何か変なのだが、夢の出来事なのでとやかく言わず、
とにかく子供を車に乗せた。
そこにエプロン姿の保母さんが園庭を小走りでやってきて、
「これも、これも」と私はなぜか寿司桶を手渡された。
白木のではなく、高級そうな塗りの桶であった。
私は車を園庭から道路に出した。
子供は後ろで壊れたラジオのごとく何か歌を歌っている。
アニメか何かの元気な歌だ。
私は朝はクラッシックという男なので、うるさくて閉口した。
路地を注意深く走って、やがて幹線道路に出た。
どこだろう、ここは。雰囲気では第一京浜の港区あたりに似ている。
それにしてもこの子の家はどこなのか、私は運転の合間に地図を開いた。
けっこう遠いよなあ。なんでこんなとこから通っているんだろう。
片側4車線の一番右を走っていたのだが、
どうもこの車線では右に曲がらされてしまうようだから、左に変更しなければならない。
ところが、左側にはトラックなんかの大型車がぎっしりと走行中で、
まったく車線変更できそうな気配がない。
おいおいおい。
子供を乗せて無茶も出来ないし、などと考えていたら、
左のトラックが私の方へ寄せてくるではないか。
私はギリギリ右に寄せてトラックを回避するのだが、トラックはまだ寄せてくる。
もっと右に行かなければトラックと接触してしまう。
私は右のスペースをちらっと確認した。
右はなんと線路だった。
しかし考える間もなくトラックが寄せてくる。
私は反射的に右にハンドルを切って、とうとう私は線路を走っているようだった。
後ろからは音痴なアニメ歌。あーうるさい。
まいったなあ。そう思っていると携帯が鳴った。
「はい。もしもし」
「あー、どうですか。そろそろ着きそうですか」
「いやー、ちょっと問題がありまして。でももう少しだと思います」
電話は保母さんからだった。
「話しは変わるのですが、○○ちゃんを送った後に、その桶を……。」
「いや、ちょっと今、詳しく話しをしている余裕がないんですが、ちょっと…。」
「桶に園長先生の握ったお寿司が入っているんですけど、○×町の△○さんまで…。」
「えっ、中身が入っているんですか。」
はっとした。そういえば音痴が聞こえない。
私は後ろを振り返った。
○○ガ○が飯粒を口の周りに付けたまま満面の笑み。
線路上を走っていなければ殴っていたかもしれない。そして、
また電話が鳴る。
「はい、もしもし」
「ワシの寿司どおなっとるんかのー」
もう何がなんだか。