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20220807 昨日のページに追記あり 他とくに梨

2022-08-07 18:31:10 | 更新だけ
昨日のページに追記あり。他とくにありません。
おつかれさまでした。
E V O L U C I O

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20220806 夏の歌・岡しのぶ/歌集より5 (追記あり)

2022-08-06 17:32:07 | 本の要約や感想
20220806



いつかの夏の夜
川べり
月がついてくるといって
泣いた私が
同じことをいって
泣く妹の手を
ひいて行く
月の夜



──岡しのぶ / もし君と結ばれなければ──より

    (ネスコ発行 / 1996文芸春秋発売)


ここ数日、紹介している岡しのぶの歌集の中には短歌だけではなく、あまりに華奢な著者の姿や、風景などの小さな写真が載せられている。

その写真にはそれぞれ著者のほんの呟きがキャプションとして添えられている。

上の文もその一つだが、しかし著者が歌人であるため、短い文もつい韻文となってしまっていて、まぎれもなくこれは詩であり、実は私はこの歌集の中でこの一文が一番好きなので、これを載せて彼女の歌集の紹介感想などは一応の区切りをつけたい。



20220807追記


以下を追記しておきたい。

上に紹介した短い詩のどこに私が惹かれるのかというと、普遍性に、だ。

いつだったか自分が幼い時に、月がついてくると泣いた記憶のある姉が、今度は同じことを言って泣く妹の手を引き川べりを歩いてゆく。

このたった8行を繰り返し読むと私は情景の中に閉じ込められてしまいそうになるのだ。

───月の川べりを歩く少女と幼子の姉妹。親も一緒に歩いているのかもしれない。夏祭りの帰りだろうか。しかし辺りは夜の深い緑。妹は甘えたくてさっきまで泣いていた。
家族の会話も静寂の神秘にいつしか途切れ、川の音と虫の声だけの中を歩ている。
小さな橋をいくつか横目に通りすぎると、家はもう近い。───

月がついてくると思える心の真白さは短いだろう。
それはすぐに気にならなくなり、いつか存在すら忘れて、しかし時を十分に重ねて後、ふと見上げた空に変わらずあることに気づき、あれからずっと自分を見守っていたのかと思ったり、優しい光に誰かの姿を見たりする。

私はこの詩を読むと、何度も読むと、姉妹たちから少し離れた橋の上にでも立って見ているような気になる。また自分が親の気持ちになって一緒に歩いているような気にもなる。月になって上から家族を見ている気にもなるし、鳥や虫になって木の陰からこっそり呼びかけてみたくなるのだ。

だから何度読んでも飽きない。百回読んで飽きないのだから、千回でも飽きないだろう。この詩が私にとって普遍性を持っているのだ。しかしそれは私だけのことかもしれない。他人の興味に何も感じないことは、いくらでもあるから、人それぞれの感じ方でいいだろう。

歌集の主役である短歌は素晴らしいものが多いが、身体も頭もずいぶんと錆びてきた私にとって本気で読むには少し消化が悪い気がする。夏の午後にでも、さらっと読むのがちょうど良く、うっかり読み込むと変な熱が出てきそうだ。だから上に置いた詩の幻燈のような鈍い月の明るさがちょうどいいのだろう。そして私は川のそばに住んでいる。月はめったに見上げない。


E V O L U C I O


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20220805 夏の歌・岡しのぶ/歌集より4

2022-08-05 17:11:40 | 本の要約や感想
20220805


夏服の立ちつくす君二番線 蟬時雨降る八月五日




──岡しのぶ / もし君と結ばれなければ──より

    (ネスコ発行 / 1996文芸春秋発売)


ちょうど今日と同じ日付の歌があり、上に紹介した。
ただ、この「夏服の君」が誰なのか簡単ではなく、考えたが答えは明確には出なかった。
この歌一首だけでは判断はできず、歌集全体から焦点を絞っていかなければならないだろう。絞り切る時間もさすがにないわけだが。

著者は10代の女の子で、歌集はある男との陰影の深い日々を思う歌が多い。しかし長く付き合うことは叶わなかったらしい。

とうとう別れの日なのか、二番線のホームで蟬時雨の中、最後の言葉を俯き加減に交わし、男は列車に乗り込んだ。そして窓から見える夏服の彼女を見つめた。

列車はゆっくりと走り出す。離れてゆく彼女は涙も拭かず口を結んだまま自分を見つめて立ちつくしている。小さくなる。やがて見えなくなった。8月5日。

というふうに著者が男の視線で歌ったように今日の私には読めるが、違ったらごめんね。

でも、夏服の男が立ちつくしても邪魔なだけで絵にはならないから、おそらく正解だろう。

この歌集には、君、きみ、私、わたくし、わたし、汝、吾、我、などと人称表現が多様で、その判別や想像がし難いのだが、まあいいんですよ些末なことは。その時その時、読みたいように読めばいいだろう。勘違いも醍醐味のひとつとして。

いずれにせよ8月5日が著者にとって忘れられない日であったことは間違いなく、今日、おそらくその日から26,7年後?の同じ日に、まったく何ら関係のない部外者のブログに断りもなく載せられて、しかも勝手なことを推測され書かれているわけだが、それもこれも時代の罪ということで済ませたいと私は思っている。

そして、私は今年たくさんの本を処分したが、しかしこの歌集はまだ私の手を離れては行かない。

E V O L U C I O


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20220804 夏の歌・岡しのぶ/歌集より3

2022-08-04 17:49:42 | 本の要約や感想
20220804


いっぱいに広げた腕に抱えたるひまわり揺れて夏の風吹く




──岡しのぶ / もし君と結ばれなければ──より

    (ネスコ発行 / 1996文芸春秋発売)

なんてことない歌だが、私は好きだ。いかにも夏という心地よさがある。
そして書かずとも北海道の夏の情景がありありとしている。

この歌集は、10代にとっては殊更に重大な恋愛と失恋の記憶を何度も反芻し、否定と肯定を歌に問いながら自分の立ち直す場所を見つけるための、他の誰のためではなく著者自身のために歌った記録であるように私は思う。

発刊当時に注目され「10代の官能」などと取材者側から形容されたらしい歌もこの歌集にはあるが、それを「官能」と理解したことは私には間違いに思え、確かに「官能らしき」が表面に読めるわけだが、その奥にある「戸惑い」をこそ耳を澄ませ聴くべき音だと言いたい。しかし形容する側にしてみれば「官能」こそ大衆に必要であると考えたに違いなく、それはそれで擦れた大人の私は許容する。

「官能」が悪いと言いたいわけではない。しかし私には官能よりも著者の観察する理性を感じてしまい、許容はしても賛成はできないのだ。どちらかといえば上のひまわりの歌の方が官能的ではないか。異論はあるだろう。

上に紹介した歌に戻るが、この歌には、自分の傷を癒す道程での葛藤をほんの少しの間、手放して、塞いでいた心を開け放してみたような清々しさを感じる。観察や技巧を忘れた深呼吸が見える。そんな時、私の中の澱んだ思想にも優しい風が吹き、僅かばかりは善人になったような気がするのである。

E V O L U C I O

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20220803 台湾憂慮

2022-08-03 15:20:00 | 社会

20220803

近所の小さなスーパーに珍しく「台湾バナナ」が売っていて、買った。
私はバナナを「これは台湾のバナナ」だと認識して食べたのはたぶん初めてだ。
最近はまず例外なくフィリピン産しか近所で買うことは出来なかったように思える。
まあ、あちこちの店に行くわけでもないから、私が知らなかっただけなのかな。
それに昔食べたバナナのことはまったく憶えていないし。

味は、一日冷やして食べたら驚きで、バナナってこんなに美味かったかな、と再認識させられた。もちろんフィリピン産もそれなりに美味いのだけれど、台湾産は味の濃さ、香りの良さ、それらが格上で、残った皮だけを手に、私は独りの部屋でしばらく「はぁー」とアホ面をさらした。

値段もまったく高くなかった。なぜ突然、私の住む賑わいのない、かといって寂れてもいない小さな町に「おいしい台湾バナナ」がやってきたのか不明だが、同じような価格なら誰もが断然こちらを選ぶことになるだろう。

それに加えてフィリピン産は現地の労使関係に多くの問題を抱えているようなので尚更のこと。

さて台湾といえば昨夜からペロシ米下院議長が訪台し、米中そしてもちろん台、そして我ら日も巻き込んで危険な香りを撒き散らしていますが、ペロシさん82歳とのことで少し驚きました。しっかりしてますね。私などはもう電車に乗るのも嫌だというのに。

先日亡くなった安倍さんが、わりと最近「アメリカは台湾について立場を明確にするべきだ」と発言し、その後に2度と発言できなくなってしまったわけですが、ペロシさんは明日は来日とのこと。しばらくは何が起こるか安心はできないでしょう。

もちろんペロシさんを狙うほどチャイナさんも狂ってはいないでしょう。しかし日本政府に難癖をつけて私の町から台湾バナナを一掃させるくらいのことはやりかねないので、私は心配しています。

暑い中、おつかれさまでした。
E V O L U C I O
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20220802 夏の歌・岡しのぶ/歌集より2

2022-08-02 16:42:17 | 本の要約や感想
20220802


夏の川あのなつかしい唇が飲むを見ており光あつめて




──岡しのぶ / もし君と結ばれなければ──より

    (ネスコ発行 / 1996文芸春秋発売)


昨日、作者岡しのぶは17歳でこの歌集を出した、と書いたが、19歳だった。

17歳で終わった恋を19歳でまだ振り切れず、またやってきた夏、ふと立ち止まった川縁で、眩い日差しにいつかの思い出を見て、光の中で動けない。といった感じだろうか。間違っていても私は謝らない。10代の気持ちが私にわかるわけもなく。
さてあなたは、19歳の時に何を感じていただろうか。

この暑さの中、何かきな臭くなってきましたね。
おつかれさまでした。
E V O L U C I O
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20220801 夏の歌。岡しのぶ/歌集より

2022-08-01 15:20:38 | 本の要約や感想
20220801


通らねばならぬ真夏の残像の私はいつも幸せでした




──岡しのぶ / もし君と結ばれなければ──より

    (ネスコ発行 / 1996文芸春秋発売)




17歳でこの一冊を残して消えた歌人、岡しのぶ。
(訂正。発刊は19歳の時らしい)
夏を思い引き摺る歌が多く、夏というとこの歌集を捲る。
しかしもちろん私に17歳の恋心など、すでにわかるはずもなく、わかろうと思うこともなく、まして追体験をしたいわけでもなく、では何をしたいのか、何をこの歌などに求めているのか、それをふと考えてみると、歌われた文字の鮮やかさである。喉越しである。清冽さである。それを私は冷えて香りの良い麦茶を飲むように味わいたいのだ。


本当に暑いのですが。
E V O L U C I O
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