青梅街道。
夢の中だが、ここは明らかに青梅街道。
新高円寺と南阿佐ヶ谷の間くらいの下り歩道。
NTTの建物があって、その向かいは卓球関係のあれはなんだったか、
ああ、バタフライか。そんなロケーションで、
私が西へと歩いていると、なんだかバイクか車だかの修理屋のような店があった。
いや、修理屋ではなく、もしかすると個人のガレージかもしれない。
ガレージといってもおしゃれ感ゼロで、疲れた佇まいに油の臭いがした。
「こんなところあったかな」
私がふと足を停めて、シャッター全開のガレージの中を見ていると、
奥から胡散臭いオヤジがのっそりと出てきた。
昔のデコトラの運ちゃんのような出で立ち。腹巻に財布を差し込んでいそうな。
実際には夢の中なので財布までは確認できてはいないが、そんな雰囲気だ。
なんか用か。というような目つきで私にゆっくりと向かってきた。
私はわざとオヤジを無視して、ガレージのあちこちに視線を動かした。
「おい、うちは店じゃないぞ」
そんなことはもうわかっている。
ただ、店の奥からオヤジが出てきたからそそくさ退散するという感じがいやなだけだった。
「おい、なんにも売ってないぞ」
他人のガレージをじろじろ見る自分の行為に、
これはまったく失礼なことだなと自分でも思いながらも、
「おい」という言い方に素直にその場を離れることもしたくなかった。
かといって、「おいってなんだよ。」などと言い返すのも、
なんだか古いマンガのセリフのようで、これはこれで寒い。
しかし面倒になってきた。どうしようか。考えがまとまらない。
オヤジは腕を組んでもう何も言わない。
いきなりキレて攻撃をしてくるような気配はない。
いや、いっそのことキレてくれたほうが打開の意味で面白いのだが。
スパナでも持って飛び出してきたら、私に闘う気はまったくないから、
ゲラゲラと笑いながらピューと逃げられるというものなのだが、
どうも場面が膠着してしまった。
その時、背後にバイクの派手な音が聞こえてきた。
つづく。
夢の中だが、ここは明らかに青梅街道。
新高円寺と南阿佐ヶ谷の間くらいの下り歩道。
NTTの建物があって、その向かいは卓球関係のあれはなんだったか、
ああ、バタフライか。そんなロケーションで、
私が西へと歩いていると、なんだかバイクか車だかの修理屋のような店があった。
いや、修理屋ではなく、もしかすると個人のガレージかもしれない。
ガレージといってもおしゃれ感ゼロで、疲れた佇まいに油の臭いがした。
「こんなところあったかな」
私がふと足を停めて、シャッター全開のガレージの中を見ていると、
奥から胡散臭いオヤジがのっそりと出てきた。
昔のデコトラの運ちゃんのような出で立ち。腹巻に財布を差し込んでいそうな。
実際には夢の中なので財布までは確認できてはいないが、そんな雰囲気だ。
なんか用か。というような目つきで私にゆっくりと向かってきた。
私はわざとオヤジを無視して、ガレージのあちこちに視線を動かした。
「おい、うちは店じゃないぞ」
そんなことはもうわかっている。
ただ、店の奥からオヤジが出てきたからそそくさ退散するという感じがいやなだけだった。
「おい、なんにも売ってないぞ」
他人のガレージをじろじろ見る自分の行為に、
これはまったく失礼なことだなと自分でも思いながらも、
「おい」という言い方に素直にその場を離れることもしたくなかった。
かといって、「おいってなんだよ。」などと言い返すのも、
なんだか古いマンガのセリフのようで、これはこれで寒い。
しかし面倒になってきた。どうしようか。考えがまとまらない。
オヤジは腕を組んでもう何も言わない。
いきなりキレて攻撃をしてくるような気配はない。
いや、いっそのことキレてくれたほうが打開の意味で面白いのだが。
スパナでも持って飛び出してきたら、私に闘う気はまったくないから、
ゲラゲラと笑いながらピューと逃げられるというものなのだが、
どうも場面が膠着してしまった。
その時、背後にバイクの派手な音が聞こえてきた。
つづく。