つづき。
私はパソコンの小さなボタンを押した。
パソコンは眠りから覚めたように作動音を立ててファイルを読み込み始めた。
これで「いつでもどうぞ」というところまでの準備をするのだった。
「チリチリ、チリチリ」
ハードディスクの音がする。
ところが画面がいつまで経っても真っ黒のままなのだ。
試しにマウスを動かしてみると、
真っ黒い画面の上でカーソルだけがハエのようにくるくると動いた。
「あれ、おかしいぞ」
座る私の後ろで女がじっと見ている。
パソコンが立ち上がらない。
いや、立ち上がった気配はあるのだが、画面が来ない。
「カチカチ、カチカチ」
私は何度かクリックをしてみたが、何も変わらなかった。
「待つか。それとも再起動か」
急いでいなければ自己修復するまで1時間くらいは
このまま放置したいところだが、そうもいかないか。
私は強制終了のためにボタンを押そうと手を伸ばした。
その時、ディスプレイの端に貼ってあるシールに目が留った。
「あれ」
違和感が不安に包まれて私の感覚にまとわりついてきた。
つづく。
私はパソコンの小さなボタンを押した。
パソコンは眠りから覚めたように作動音を立ててファイルを読み込み始めた。
これで「いつでもどうぞ」というところまでの準備をするのだった。
「チリチリ、チリチリ」
ハードディスクの音がする。
ところが画面がいつまで経っても真っ黒のままなのだ。
試しにマウスを動かしてみると、
真っ黒い画面の上でカーソルだけがハエのようにくるくると動いた。
「あれ、おかしいぞ」
座る私の後ろで女がじっと見ている。
パソコンが立ち上がらない。
いや、立ち上がった気配はあるのだが、画面が来ない。
「カチカチ、カチカチ」
私は何度かクリックをしてみたが、何も変わらなかった。
「待つか。それとも再起動か」
急いでいなければ自己修復するまで1時間くらいは
このまま放置したいところだが、そうもいかないか。
私は強制終了のためにボタンを押そうと手を伸ばした。
その時、ディスプレイの端に貼ってあるシールに目が留った。
「あれ」
違和感が不安に包まれて私の感覚にまとわりついてきた。
つづく。