つづき。
「これ、ウインドウズじゃないか」
私の思考はタイヤ痕を残して急停止した。
自分の呼吸だけを感じながら、
ブラックアウトの画面を見つめた。3秒、5秒、7秒。
そして、
思考をバックギアへ叩き込むと、自分の記憶の過去に遡り始めた。
今、何が起こっているのか。
何がいつからおかしいのか。
おかしいのは現象か、それとも意識か。
最近、私はマックを使っているのだ。
だからウインドウズではオ・カ・シ・イ。
カローラを処分してフェラーリを買ったはずなのに、
ガレージに行ったらカローラが駐まっていたら、おかしいのと同じ。
同じようにカローラを処分してマツダのボンゴを買ったはずなのに、
ガレージを見たらやっぱりカローラが駐まっていたら、
まあなんでもいいか、と思うだろう。
そんなことより、
「ちょっと待て。ちょっと待て。本当におかしいよね」
自分に言い聞かせるように私はつぶやいた。
思考を刃物の先のように尖らせようとするのだが、
雲の中で白い風船を探しているかのように考えが定まらない。
もう宝生舞どころではなくなってきた。
「あそうだ」
思い出して振り向くともう女はいなかった。
また前を向くと画面は真っ黒。
瞬間に不安と疑問が同時に私の首に巻きついてきた。
「……オレ、たしか引っ越したよな」
つづく。
「これ、ウインドウズじゃないか」
私の思考はタイヤ痕を残して急停止した。
自分の呼吸だけを感じながら、
ブラックアウトの画面を見つめた。3秒、5秒、7秒。
そして、
思考をバックギアへ叩き込むと、自分の記憶の過去に遡り始めた。
今、何が起こっているのか。
何がいつからおかしいのか。
おかしいのは現象か、それとも意識か。
最近、私はマックを使っているのだ。
だからウインドウズではオ・カ・シ・イ。
カローラを処分してフェラーリを買ったはずなのに、
ガレージに行ったらカローラが駐まっていたら、おかしいのと同じ。
同じようにカローラを処分してマツダのボンゴを買ったはずなのに、
ガレージを見たらやっぱりカローラが駐まっていたら、
まあなんでもいいか、と思うだろう。
そんなことより、
「ちょっと待て。ちょっと待て。本当におかしいよね」
自分に言い聞かせるように私はつぶやいた。
思考を刃物の先のように尖らせようとするのだが、
雲の中で白い風船を探しているかのように考えが定まらない。
もう宝生舞どころではなくなってきた。
「あそうだ」
思い出して振り向くともう女はいなかった。
また前を向くと画面は真っ黒。
瞬間に不安と疑問が同時に私の首に巻きついてきた。
「……オレ、たしか引っ越したよな」
つづく。