エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

迎火や

2013年07月14日 | ポエム
昨日は新暦のお盆のはじまり。
夕刻には、迎え火を焚き御先祖様をお迎えするのである。

美しい日本の風習である。
ぼくの田舎では、旧暦のお盆だから、一カ月後となる。

「おがら」に火をつける。
柔らかい火が、御先祖様をお迎えする。
「おがら」は、朝の木の皮を剥いだものである。
手に持てば分かるけれど、軽やかな白い木である。







「迎え火やふるさと放れはや六十路」







その「おがら」を足にして動物を作って供える。
材料はきゅうりと茄子。

きゅうりが馬で茄子が牛を模す。
ご先祖様が、お疲れになったら乗られるのだ。
心を籠めて、作ったものだ。

けれど、迎え火を焚く場所が無くなって・・・そんな美しい風習が都市部では無くなりつつある。
寂しい。

「ご先祖様は、何を便りに来るのだろう!」などと思うのは、単なる回顧主義者の戯言か。
ぼくたちが子どもだったころ、小さくても良い水の流れるその畔で火を焚いた。

迎え火の後、花火をしたりして楽しんだものであった。
こうした、美しい風習がいつまでも人の習いとして続く事を願う。
もし、焚か無くても良い。
人の記憶に残っていて欲しいものである。



         荒 野人


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