秋空は、まだ見上げる事が出来ない。
高くないのだ。
加えて、それほどすっきりと晴れ渡っていないのだ。
時折、秋の気配は伺えるのだけれど・・・。
少しばかり、無理がある。
けれど、ぼくの休むベンチの上にはいつだって青い虚空が広がっている。
枝と葉の隙間から見える空は高い。
それに、すっきりとしている。
ユリの木、である。

「夏の果出自は藍の青きもの」

そうして、一日が過ぎゆく。
日常である。
だがしかし、ユリの木には非日常と云える時間が過ぎ去っている。
荒 野人
高くないのだ。
加えて、それほどすっきりと晴れ渡っていないのだ。
時折、秋の気配は伺えるのだけれど・・・。
少しばかり、無理がある。
けれど、ぼくの休むベンチの上にはいつだって青い虚空が広がっている。
枝と葉の隙間から見える空は高い。
それに、すっきりとしている。
ユリの木、である。

「夏の果出自は藍の青きもの」

そうして、一日が過ぎゆく。
日常である。
だがしかし、ユリの木には非日常と云える時間が過ぎ去っている。
荒 野人